赤色巨星
今回補給に訪れたのは、少し変わった衛星だ。
衛星で有りながら、地球サイズで、しかも、濃い大気をもっている。
その秘密は、この星の年齢にあった。
原子年代測定の結果約、100億歳!!
少なくとも80億歳という結果がでた。
この衛星は、そのほとんどの時間を氷に覆われ、近くに有る巨大惑星の重力で表面の氷が変化する事で内部に熱が生まれ、その熱でワームの様な生き物が生息していたと考えられる。
それが、寿命をむかえ様とする太陽の巨大化に伴い氷が溶かされたのだ。
地球軌道に近いサイズにまで膨張して居るのだ。
それに伴い、惑星が太陽へと近づいた結果、表面の氷が溶け大気と海が一時的に出現したのだ。
巨大な恒星と言えば、(おおいぬ座VY星)が一番大きな星として有名だ。
この星は(赤色超巨星せきしょくちょうきょせい)と呼ばれる種類の恒星の1つで、その大きさは、直径が25億~30億キロメートル
実に太陽の1800倍~2100倍程度、体積が太陽の60億~90倍という想像を絶するほど大きい。
仮に太陽の位置に同じサイズの星があったとすると、土星軌道まで達するほどの大きさがあるのだ。
例えるなら、シャープの芯の太さ0.5ミリが地球の直径とするなら、110メートルほどになる、オリンピック男子の110メートルハードルを思いだして欲しい、シャープの芯の太さと比べると、とんでもない事がわかる。
そんなわけで、温暖化が進み、海と大気を持つ衛星が生まれたのだ。
そして、その影響は、生物にも訪れた。
生物の大爆発、ありとあらゆる姿形の生物が、進化の可能性を探っているのだ。
地球で言えば、カンブリア期の生物爆発に近いのだろう。
不格好な生き物やユニーク過ぎる生き物でひしめいている。
遺伝子サンプルを、豊富に採取する事ができた。
近い将来、この衛星は、赤色巨星に飲み込まれるか、さもなくば、爆発してしまうだろう。
補給も完了した様なので、出発する事にする。