雲の惑星
水星程度の星で有なのだが、恒星との絶妙な距離に有るせいか、雲の多い星である。
ただの雲ばかりでは無い、色とりどりの雲だ。
雲に見えるのはバクテリアが繁殖した物だ。
このバクテリアを餌にする魚に似た生き物が空の王者だ。
エイに似た平らの体で、風の力を上手く使って飛んでいる。
サイズの小型なボラに似た体でヒレが発達した生き物はそれより低いいちを飛んでいる用だ。
そして、植物も独自の進化を遂げている。
最も巨大な木は2種類、同じ仲間と思われる。
1つは千メートル以上の高さに成長する木で、もう1つは、横に広く成長する木だ。
どちらも上空から見ると蓮の葉の用な形に進化している。
要するに、葉の部分に水をためて巨大な池の様になっているのだ。
この池の用な場所1つ1つに微妙に異なる昆虫が生息している。
ガラパゴス諸島の様な環境感じだろう。
重い水瓶を頭に乗せる用な物で一本の木では無く、複数の木で水瓶を支え合っている、その進化は、木より珊瑚の間と言った感じだろうか?
複雑に絡みあう木々は高層建築の骨組みの様に計算されたかの様だ。
花も又面白い特徴を持っている。
水の上にいくつも色とりどりの花を咲かせる、有る花は赤く一重咲き、有る花は八重の黄色と言う具合だ。
水瓶を支える木の遺伝子を宿す花たちだ。
いくつもの木々が支え合っているおかげで多彩な花を同じ時期に咲かせている、雄しべと雌しべの成長速度が異なるので、自家受粉は少ないのだろう。
花が咲けば種も出来るのだ。
緑の風船である、風船の中には水を電気分解した水素をためこむことで空を飛ぶ。
地球にも、浮力をえるために水を電気分解して水素をためる水草が有るが同じような仕組みだ。
1つの風船の下には種が美しくフィボナッチ数列を描き並んでいるのが良く分かる。
たんぽぽの種、或いはひまわりの種と同じ並びと言う事だ、細胞分化のアルゴリズムは決まっているので、この様に美しく並ぶのだろう。
この風船が風にのり、種を落としながら遠くまで運ばれる。
そうした中から幸運にも条件の良い場所に落ちた種だけが芽を出す事になる。
風の強い日に、同時にこの風船が舞い上がってゆく姿は、大きな緑の雲が生まれたかの様だ。
この雲を狙って飛行する生き物も居るが、数が多いので問題にもならない。
遺伝子サンプルを確保して次の惑星へと向かう事にした。