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まとめ本題第五弾1「王道的男性キャラ」

ハードボイルドな男ってのは、なんのかんの言って、男性キャラの雛形、王道である。

昔も今も、世代を超えて、ハードボイルド精神を根底に秘めたキャラは好まれている。


まず、ストイックでなくてはならない。

嫌われる男のワースト10に入る要素に、「自慢する男」というのが来るのだが、これの対極が「ストイック」なのだ。実は。

好感俳優No1の福山雅治だが、彼はハードボイルドを踏襲したキャラクターだ。

エロトークでお馴染みだが、その中に彼は自慢を入れてこない。こういう女が好きだ、という話題をしても、付き合った過去の女を自慢として出してきたりしないスマートさがある。女を自慢しているようで、実際には「そんな女と付き合った俺SUGEE」だから、鼻につくわけだ。


で、なろうの中で例題を出すなら、「シーカー」が適切だ。

あの主人公、実はハードボイルドの要素を多く持っている。(笑

女関係がまず一つ。彼は、来る者拒まずの姿勢だ。なんとなくそこにあったクッキーを摘まむかのように女を食うわけだが、その姿勢こそが重要なのだ。そこに未練だの欲望だのは薄く、結果として、彼をストイックに見せている。なんとなくそういう空気になったからやった、というだけで、彼の希望ではない、ということだ。

後からわざわざフォローのようにデートの場面など出さず、やり捨てて忘れていればもっと良かった。

フーテンの虎次郎スタイルで良かったのに。(笑


その姿勢の延長で、彼が非常に不器用だという印象をも与えている。

底知れぬ強さを秘めていながら、やけに朴訥なイメージをも受けるのは、彼が戦闘以外に無頓着なせいだろう。それを計算して書いたわけでなく、作者本人がそういう性質を持っているのだろうと踏んでいる。(笑

だから、俺TUEEEキャラの中ではかなり好感度の高いキャラに仕上がっていると思うよ。毛色はかなり違うが、実はドラゴンボールの悟空と、同じタイプなのだ。(笑

だから、ウケるのは納得だったりするよ。少なくとも、欲望全開のキャラよりは万人向けだ。


欲望が見え隠れするよりはまだ全開の方が潔いが、ようするに、妬みだとか羨望だとか、「そういう心を肯定している」キャラはハードボイルドじゃないってことだ。

武士は食わねど、て言葉があるだろう。そういう心が涌いてくるのは仕方ないにしても、肯定するな、やせ我慢も出来ないのか、ということで、そういうキャラは「みっともない」のだ。

オンナにモテたいだとか。金が欲しいだとか。成功したいだとか。……浅ましいからカオに出すな。(笑


ラノベはファンタジーだ、ある種のリアリティから離さねばならないわけだが、切り離すべきリアリティの一つに「心根の賤しさ」というものがある。文学のテーマにもなる、本来は深刻さを伴う要素だ。

裸の、等身大の人間像と向き合うだのの、「文学」に通じる要素なのだ。場違い(カテエラ)だ。


例えば、「泥臭い」だの「格好悪い」だのというマイナスな言葉にだって、泥臭いなら泥臭いなりに、不格好だのカッコ悪いだのにも、それに相当した「美学」というものはある。

しかし、「みっともない」だとか、「心根が賤しい」といったものには、美学がないのだ。


注意すべきは、ご都合主義という展開だ。これが、実に「みっともない」だの「心根が賤しい」を増幅するに最適な装置となる。ご都合主義とは、「運がイイ」ということだ。

運だけで成り上がった、という状態は、非常に危険だ。そのキャラの内面次第では「みっともない」というイメージが増幅されてしまうだろう。

だから、多く、名作と呼ばれる作品には泥臭さがつきまとう。運の良さを回避するための装置だ。

逆ご都合主義というものもある。「運よく悪いことばかり重なる」というご都合だ。昼メロ展開のことだ。


「みっともない」という事を突き詰めたのが、昼メロになる。

人間の醜さを嗤うためのジャンルである。

そして、身につまされたり、人の運命の儚さに涙したりと、そういうテーマのセカイだ。


「みっともない」自分に抗って、気高くあろうとするのが、「ハードボイルド」なのだ。(笑


私が思うハードボイルドの定義は、「不器用な男が傷付く物語」だ。

逃げる、という選択肢を取らずに正面から行って、心身ともに傷だらけになる、という感じに。これがトントン拍子に巧くソツなくこなされたとして、どこか小物臭が漂うだけで、ちっとも魅力的には感じない。

男でも、女でも。


そのキャラにとって簡単すぎる問題を、作者はなぜにぶつけるのだ?

その簡単な問題は、他の人間には難しいことかも知れない。だったら、その誰かにやらせた方が面白いだろう。

俺TUEEEならば、戦闘だけは苦も無くあっさり済ませばいいが、他の部分で苦労を見せろ、ということだ。

対人スキルが欠落してるなり、交渉スキルに難点アリなり。なんでもかんでもソツなくこなしてドヤ顔でいる主人公など、小学生の問題集を解いてドヤ顔してる高校生と何が違う。

出来て当たり前のことを書いたって、魅力的な物語にはならないよ。(笑


私は、ルトガーハウアーという俳優が好きなんだ。

彼は、傷付いた男を演じるとピカイチの役者だ。あの、傷付いた表情が、もう、シビレるんだ!(笑

あれがハードボイルドの真骨頂と思っているが、「心が痛めつけられて、それを無理やりで乗り越えてく姿」ってのが、イイんだよ。やるせないストーリーでさ、進んでいけば傷付くと解かっていても、不器用だから回避策は取らないんだよ。タフというのは、心の耐久性だと思っている。

傷付きやすい繊細さと、どんなに辛くても退かない不器用な心を見せてくれる、最高の名優だ。(笑


俺TUEEEとハードボイルドは、本来は非常に相性がいいはずなんだけどね。(苦笑


ルトガーの主演作品で、「孤高の戦士」ってのがある。ストイックに生きてきたから、好きな女を口説くのも不器用で、逆にヒロインがリードしてたのも微笑ましかった。(笑

「レディホーク」とか「ブレードランナー」のが有名だけど。「ブラインド・ヒューリー」も好きだー!


デビルメイクライ3のバージルとか、私はとことん、こういうタイプが好きらしい。(笑


ちなみに、文学の定義としてのハードボイルドってのは文体とかが関わるから、上記のキャラが出ればハードボイルド作品かといえば、違うんです。(笑



とにかく、文学で狙って書くのでないなら、「みっともない」「心根が賤しい」という要素を、主役の男に入れてはいけない。

具体的には、「妬みや羨望の念が強い」「恥じるべきを恥じずに開き直る」というイメージが付くエピソードを入れるのは宜しくない。




それから、


物語は常に「セリフ主体で進む」事を忘れてはならない。

読者は、どんなに地の文が多かろうが、セリフや人物の動きでしか、時間の経過を意識しない。

地の文に重点を置く作者ほどカン違いしやすいが、地の文の描写は「切り取った絵」なのだ。


例えセリフが一割しかなくても、読者はセリフで物語を進めようとする。

人物の動作は、補助でしかなく、情景描写などは背景画像でしかない、という事を肝に銘じるべきだ。

だから、プロの三人称は、少ないセリフでも的確に物語を進めていく。


脳内再生された時の状態を考えるといい。

映像になっているはずだ。


つまり、セリフだけが音声データとなり、地の文の他の描写は画像データに換算される、ということだ。

だから、セリフで印象を残すことは大事なのだ。

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