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第三十六話 ゲームプロットの場合

他の作者は知らんが、私が作るゲームや漫画は多重構造で作成していた。

だから、多重構造の作品を作る方法論である、とあらかじめ言っておくよ?(笑


漫画ではコンテ、ゲームや小説ではプロットという名の設計図だ。

これは、平面図ではない、立体模型の3Dになっていると想像を巡らせてもらいたい。

二重、三重の構造にするためには立体で考えた方が理解がしやすいからね。お絵かきソフトなんかを使う人なら知ってるはずだ。レイヤー機能ってのあるだろう、アレだね。


これはゲームの造り方だけど、まずは世界を構築する。大雑把でいい。

へのへのもへじの状態、落書きのような絵で舞台となる”世界地図”を描く。鉛筆でね、楕円形を描くんだよ、そんでテキトーなトコに星印入れるんだ。(笑

この星印が起点となる。

スタート地点だ、そこが世界のどの位置かを把握するには世界地図が必要だ。

テキトーでいいよ、テキトーで。鉛筆書きだから、後で消しゴムで消してずらしゃいい。(笑


主人公を主軸に、物語の最初と最後を決める。


主人公に何をさせるのか?

いきなり大きな目的は必要ない、主軸をどこに置くかだけだ。恋愛なのか育成なのか、ゲームで繰り返し使うシステムをまず決める。ゲーム内で繰り返されるから、ここがキモになる。ターゲット層が興味津々なモノを選ぶから、恋愛とか育成とか宝探しになる。主人公個人だけを対象の目的ね。

例えば恋愛シュミレーション系ならば、「主人公を学校へ行かせて、女の子を攻略する」ことが主体となったりする。


終わりはどうするか?

恋愛シュミレーションならば、周回することで複数の女の子を攻略出来る。だから、ハーレムにする必要はなく、一回一回、女の子を攻略したらエンディングだ。

攻略した後のイベントを考えることになる。結婚式なのか、いちゃついて終わりなのか。


さて、学園内で終わってしまうから、最初に用意した”世界地図”は不要になった。ひとまず仕舞っておこうか。(笑


次に主人公のエピソードを作る。ヒロインの数だけ、出会いを用意する。「二人の世界」に浸りきってとにかく二人のエピソード、恋愛関連のみのエピソードだけ作ってエンディングまで用意する。

事細かなモンはやっぱり不要で、箇条書きで「音楽室、ピアノひいてるヒロイン見つける、いい天気だね、逃げられる、」てな感じで構わない。

他のヒロインとも出会ってしまおう。そして、乗換駅を設定する。フラグだね。(笑


これだけでプロットは出来上がるが、これじゃいかにも恋愛脳で面白くない。(笑

丸々、恋愛パートはサブストーリーに降格させる。

本命となる壮大っぽいストーリーを考えるために、再び”世界地図”が必要になる、という話だ。


さて、恋愛以外で主人公に何をさせるか?

折角の学園だ。いや、都合が悪けりゃ舞台設定の”学園”を削って、恋愛パート上の学園ってトコに横線を引けば済む話だけどね。(笑

まぁ、面倒なので学園を利用するとしよう。

ミステリーを解決させるという方向で行こうか。別に学園内に迷宮がーでもいいけどね。(笑


学園ミステリーとなると、幽霊とかいいんじゃない?(笑

幽霊騒動を解決するわけよ。けど、周回前提だからね、幽霊騒動は1つではなく複数のパターンを用意して、解決ルートと未解決ルートに分ける。ここでもイベントそのものは考えない。ルート分岐を作る、と決めておくだけでいい。何も決めない。思いついたアイデアをちょろっとメモるくらい。


さて、そうなると女の子の攻略パートが沢山あると大変だね、ヒロインを3人くらいに削ってしまおう。

なぁに惜しくはない、どうせ今の段階じゃ「へのへのもへじ」だ。(笑

削ったヒロインのエピソードは、後で生き残りヒロインのと差し替えたりするから残す。


幽霊騒動には黒幕が居て、さらに大きな国を揺さぶる陰謀に繋がってると面白いよね。

幽霊が、実は謀殺された先代の王様だった、なんてどうだ?(笑

さて三度目、”世界地図”の登場だ。学園を出て、舞台が他の地へ移って各地でイベントが起きるといい。イベントの詳細はまだ要らない。枠組みだけを作っていく。

地図にA、B、C、と地名を振っていく。名前はまだ考えなくていい。どうせ後で削る場所が出る。


さて、ここらで正気に戻ろう。(笑

自分の力量と相談だ。

恋愛パートで3人分のルートを作らねばならん。

幽霊パートで2パターン、解決未解決で合計4つのルートが出来る。

「あ、こりゃ無理だ、キャパオーバー! メーデー、メーデー!」てな感じでパニくったら、黒幕以下の設定を丸々バッサリ切り捨てればいい。(笑

「やってやる、やってやるぞー!」と決死の覚悟を決めたなら、ほい、黒幕陰謀パートの作成開始だ。(笑


王様から事情を聞いて、どうやら怪しいのは王妃と将軍と大臣だ、と。

三人をバラバラに配置する。A、B、C、の地名にテキトーにおいてけ。(笑

いや、大臣と王妃はセットで王宮だろ、ということで、Aを王都に設定する。

吾輩は王都である。名前はまだない。


王都でイベント、もうイベント考えんの面倒くさい、てならダンジョン作って放り込め。(笑

ダンジョンシステムは使い回しが利くな、よし、余力あったら学園編でもダンジョン入れるか。

実は王妃も偽物でしたー! きゃー! 本物はダンジョンよー! 助けに行こう、主人公、と。

ここで好感度システム投入だ、ヘタ打ちゃヒロインが軽蔑の眼差し攻撃を背後から撃ち出してくるぞ!


王妃を救って、悪い大臣を追って地方都市Bへ。

そこで将軍と戦闘か!?

誤解だったり、確信犯だったり。まぁテキトー。


舞台は最後の土地Cへ。

ラストだからな、思い付きでこの地を聖地にしたらいいよ!(笑


ちゃらら~ん♪ 『悪い大臣はドラゴンに変身した』

ラストバトル。

大団円。


ほい、プロット完成。(笑



外枠が完成したら、恋愛パートのエピソードを少しだけ詳しめで書く。箇条書きで。

本格で書きだすとバッサリ切り落とすのが惜しくなるからね。どうせ他のパートと絡めて、設定変更やら舞台変更やら余儀なくされるから。

そんで、全体がおぼろげながら見えているんで、どの程度の手間を割けるかが目安で解かる。


幽霊騒動のパターンも設定する。箇条書きで。

陰謀編のパターンも同様に。


箇条書きだから、これを各パートで擦り合わせていく。

ゲームは特に分岐、分岐で、全体を見ると果てしない時があるからね、ルート管理をしっかりしないとバグってしまって、どうにもならなくなる。

カードにイベントを書いた場合、100枚とか平気で必要になる。


100のイベントだ、ページ数じゃないよ。(笑

初めて作った時、ゲームのイベントカードが500枚オーバーとかだったよ。

もちろん、完成なんてしなかった。自分の力量は見極めよう。(笑


多重構造での制作メリットは、レイヤー機能でどんどん付け足していけるってことだ。

次回はこれを小説に応用してみる。

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