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第三十三話 矛盾が阻む自己投影(矛盾の重要性)

私は常から「矛盾には敏感になれ、矛盾だらけの作品こそが駄作だ、」と言い続けている。

矛盾を許して良い事など一つもないからだ。


作者とて神ならぬ身であれば、どんなに気を付けても矛盾は出て来るし、パーフェクトを望むことは出来ない。けれど、矛盾というものは『アスファルトの道に転がる小石』のようなモノだから、快適な、読書というドライブには邪魔者でしかない。

主人公の行動や言説にこの矛盾があれば、その主人公は一貫した主張を持たぬ、どこに拠り所を置けばいいのか解からない、自己投影やら応援やらをしにくい人物に成り下がる。

ヒロインがそうであれば、そのヒロインを魅力的とはなかなか認めることが出来ないだろう。

ヘンに作用すれば、敵の黒幕か?という誤解すら受ける。(笑


また、作中の矛盾箇所に気付くということは、単純に、作品世界にのめり込んでいる途中で水を差されるという事でもある。その世界に浸ろうと思うのに、矛盾した設定が気になって入り込めない、という事だ。

それら矛盾が、人物の魅力に気付かされる以前、または序盤の序盤から存在するというのでは、読もうという気持ちを削がれる。


人物の言葉と行動の関係だとか、設定内で相反する要素だとか、そういう矛盾も「伏線として機能する」類の物なら問題はない。いや、伏線ではなさそうだと取られる事が問題なのだね。

後で伏線になるんです、というのは言い訳になってしまう。伏線ならば伏線としての書き方ってのがあるから。その作法を守っていなければ、その矛盾は伏線ではなく、ただの矛盾だ。


読者が「手にした本を棚に戻す」理由というものは、読者層で違う。

自身が狙う層の読者が、どういう事を許さないかはしっかりと研究しておきたいものだ。




17ページ目に、「基礎の追加」というページを割り込み投稿しておいた。

さて、そのページで私は『見知らぬ他人がどうなろうが知らん』という態度を取っている。けれど、続く33ページ目「ランキングを捨てて挑む野心」では『多くの人に技術の伝播を』と言っている。

一見、矛盾するね?(笑

けれど、私の中では矛盾していないのだ。


両方のページを続けて読んで違和感を感じないとしたら、私の書き方が稚拙であるか、貴方の読み方に杜撰さがあるかのどちらかだ。上澄みだけ掬うような読み方してると肝心なトコを見過ごすぞ。それか油断して私の言葉を鵜呑みにしたか。(笑

信頼して頂けることは有難いことだ。反感や疑惑が深いほどこの矛盾というものに敏感になる。

あと、矛盾やら言葉の誤用やらに鋭く反応される読者は、注意深く読む癖が付いているという事だから審美眼が厳しいということだ、そういう方に読んでもらえたことは自慢にしていい。(笑


矛盾に気が付くということは、危険予知の能力だよ。転ばぬ先の杖、あるいは想像が及ぶか否かということだ。誰かが何かをして、それが失敗に終わる。その時によく言われる言葉だ。

「それをやればこうなると、想像が及ばなかったのか?」と。それであるよ。(笑


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ボロクソにけなされようが、発表した限りは覚悟しとけ、と。

それが嫌なら最低限の技術くらいは身につけて自己防衛くらいしろ、と。

自分の撒いた種だ、反論できるくらいの理屈は用意しておけ、と。

盗作呼ばわりされたくなきゃ模倣なんぞするな、と。

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上の文は17ページ目の記述だけど、これで『見知らぬ誰かがどうなろうが知らん、』と結論している。


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私がこのエッセイで狙っているのは、賛同者を増やすという目論見だ。

秘匿されたノウハウ、基礎の基礎より一歩踏み込んだ内容の小説の書き方を世間に広めたい。

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上が33ページ目だ。えらい綺麗事を並べている、どっちが本音なんだと思わないか?

多くの人を助けたいのか、ただのポーズで本当はどうでもいいのか。

単純に二つを繋ぐ論理が抜けているから違和感があるだけなんだけどね。(笑


矛盾に気付いた人は、私という人物に疑念を抱いたはずなんだ。

これが、「言葉の不一致」あるいは「化けの皮がはがれた状態」ね。(笑




私は役割というものを尊重する。それがグダグダになってはルールなど無くなってしまうからね。

それは学校における、教師と保護者の関係にも言えることだ。

「危険予知」は親兄弟、親しい友人間で注意しあうもので、赤の他人である教師や専門のアドバイザーがそこまで責任を持つべきものじゃない。教師は広く門戸を開き、教えを乞う者に教える、それが役割であり、そこへ我が子を漕ぎ着けさせるのは親兄弟だ。


「勉強しなくてはマズい!」と思わせる責務を負うのは、なにより本人、次にその親や兄弟、知人であって、教師の方が先に立つわけではない、という事だ。


小説でいうなら、頭を打つ前にそれを注意してやるのはファンや知人である。

小説で私が問題視したのは、そうして危険を察知して教えを乞おうとしても受け皿がない事だ。危険を感じた者に対して、商売気を出して「金出せ」としか言わん輩ばかりだという事だ。

自分で調べる手間を省くとかで、商売は成り立つべきで、調べても出てこないようにするというのは、商法でも禁じ手じゃあないのか、と頭にキているのだ。


だからと言って、誰にでも親切に手取り足取りで教えてやる義理はないとも思っている。

教師役の者には、そこまでの責務はない。教えて欲しいと思った者「だけ」来ればいい。


ここまで書けば、二つのページの主張的矛盾は解消される。

で、読まれた諸兄、二つのページに潜む矛盾には気付かれただろうかな?(笑


この手の矛盾というものは、書いた本人すら気づかなかったりする。そのレベルとなるともう一般文学はかなり危ないと思った方がいいということだ。社会でやっていってる普通の人々は、見れば普通に気付くのだから。

「なんかおかしいな、」と首をひねるくらいであれば、まだ見込みはある。一般レベルという事だ。


よく作家が「若すぎる、」とか「経験を積め、」とか言う。それは、子供のうちにはそういう実生活的な矛盾を見抜く力がまだ弱いからだよ。(これは訓練なのでのんべんだらりと過ごしてきた大人には当然ながら身に付いていない)


一般ジャンルの作家に必要な能力は、この手の「大小の矛盾」をほじくり、提示して見せることだ。

この矛盾こそが、多く、センセーショナルを巻き起こした有名作品の「テーマ」である。

『なにかある』からこそ作家という職業は職業として成り立つのだ。誰にでも成れる程度の職ならば、そもそも職業として成り立たない。

ある種の特別な才能というものが関わってくるのは当然だ。この、矛盾を操る能力も、その一つだ。


一般の人は、提示されればモヤモヤと、何かあることくらいは気付く。その正体を掴めないにしても。

作家はその上をいき、モヤモヤを解消する理論と、センセーショナルに提示するプレゼンテーションの技術を備えている。

理論がないのは論外だ。技術がないため、プロの道が厳しいという作者は多く見受けられる。

私が常に「惜しい」と言っている作者は、技術を伴わないために「矛盾」を扱えるのに扱いきれない作者だけを指している。論外など端から除外だ。

矛盾について口やかましく言うのはこういう理屈だからだ。


ついでに言うなら、矛盾を含むテーマを満足に扱うには、テンプレ作品などとは違い、付け焼刃が通用しない。(笑

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