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ランキングを捨てて挑む野心

前回の最後をちょっと削除しておいたよ。

書きたい事が出来たんだ。

ふと、一人で戦うよりも周囲を巻きこんだほうが効率いいじゃーん、と気付いたんだね。(笑


私は前回ラストに、自身を「基本がヤギ」「時々キツネ」と書いた。多くの人は混合型で、小狡いキツネの面も持っている。

純粋な聖人君子なんぞ、居たら気持ち悪いよ。人間関係の基本はWinWinが望ましい。けれど、キツネ面の大きい人の中には、とにかく利己的なヤツがいるという話なんだ。


加藤氏は、あるイジメ事件のケースを例題に、イジメがバレて非難されるイジメッ子の後ろには、彼らを焚き付ける真の黒幕がいると書かれた。これが始末に負えない性悪キツネで、非難されるイジメっ子はヤギの面を持ったキツネだというんだね。

性悪キツネに利用された、ちょっとマヌケなキツネ、という関係だ。


人間は誰しも、得がしたいと思ってしまうものだし、相手に奉仕して相手だけが得をするような関係は、加藤氏以下多くの学者も、それは不健全だと指摘している。自分が努力して得た功績を分けて相手を引き立ててやったのに、自分に見返りはなく相手だけが輝く、というような結果があれば、そりゃ相手を恨んでしまうものだ。

そこで健気ぶって「あの人が輝けたのだから私は満足」なんて思いを無理やり抱くのは不健全だという事だ。

だが、往々にしてそういう結末を迎える人間関係は多い。

そして、その根本の原因を、加藤氏は「キツネに尽くしても見返りはない」と一刀両断にする。

そもそもキツネは最初から、利用する目的でしか他人に近寄らないからだ、というんだね。キツネをキツネと見分けられなかったのだから、功績を横取りされたのは君自身の責任だ、と。


キツネをキツネと見分ける術を身に付けていないと、甘い言葉で釣られて相手に尽くしてしまうのだ。そうして、自分にはまるで見返りがなくて不満を募らせるのだが、その心は醜いと、これも言葉で非難されてしまう。

苦しいばかりの関係で、悩まねばならなくなる。自己を卑下し続けなければならなくなる。

「わたしがこの人を改心させるわ、」と思い立つのも、そのように仕向けられたのだ。そして、貴女は相手に尽くし、改心させようと努力して、苦しめられる。ソイツでなければいけない理由などなく、付き合う相手などゴマンと居るのに、なぜかソイツに付き合わねばならないと使命感を燃やしてしまう。

言葉と態度でキツネは貴女に、「見捨てることは出来ない」という想いを抱かせるのだ。

その言葉と態度は嘘八百だから、もちろんキツネは改心などしない。貴女を食い物に楽をするだけだ。

愛想を尽かして見捨てようと思う心すら、酷く冷酷なものだと印象付けてくる。貴女は自分を責める。

古今東西、そういう人間は沢山居て、それに苦しめられたという逸話も山盛りにある。

そして、寓話は常にそういう人間に注意しなさいと語っている。


ところで話は変わるが、小説業界は低迷している。

読者の質が落ちて、くだらない作品ばかりが持て囃されると嘆く声が日増しに大きくなっている。

けれど、その原因を突き詰めて考える関係者はいない。


読み手のレベルが下がった理由など簡単なことだ。書く技術のノウハウを秘匿して、金を出す者にしか教えないなんて事をしたせいで、趣味で書くようなアマチュアのレベルが軒並み低下したからだ。

読者の多くが、書き手の裾野であるアマチュア作品に接するわけで、そのレベルがどん底まで落ちたら、それに合わせて読者のレベルだって落ちるに決まっているだろう。

手軽に入手できるテキストが、そんなレベルばかりなんだから。


今、読者は選択肢が多すぎる状態だ。小説を読まずとも、タダで、幾らでも暇潰しは出来る。金出して買ってもらおうと思うのに、質の向上を図るなんて当然の話だ。ノウハウの秘匿はそういう努力なしに儲けようとした結果に起きたことだ。技術を自分たちの中だけで囲い込もうとしたからだ。

だから、業界は今になってそのツケを支払わされているんだ。


趣味でもなんでも書こうという作者の数は膨大で、続々と生まれ続けている。

なのに、彼等に基本のイロハを教える者は居ないのだ。「金払え」という奴しか居ない。

広まっているのは基礎の基礎だけだ。「文頭一文字下げろ、」とか「てにをはの使い方を、」とか。

軒並み、アマチュアではある程度のレベルまでしか教えられない。

業界が秘匿しているせいで、プロの中ですら教わっていないという作家が居るだろう。

その結果に何が起きたか?


読めない読者が膨大な数になった。


多くの人が自由に広めてよいと決めたモノは、何でも、いくらでも世間に広まるものなんだ。

だから、書く技術のノウハウにしても、広くその知識を解放すれば、プロに近い文章がアマチュアの世界に溢れかえることになる。今、文壇が嘆くようなしょうもない作品など見向きもされなくなるだろう。

全体のレベルの底上げをする、ということだ。

ここでアホウは短絡に、「そんな事になったら、商売あがったりだ!」とか思うんだ、アホウが。

秘匿した結果に起きた現状は、読者の小説離れ、「小説なんて小難しくて読めない」と、読者に捨てられてしまったんじゃないか。簡単なら簡単で「くだらない、面白くない、」と離れてしまった。


書き方を教えるということは、同時に、読み方も教えるということだ。

小説は技巧を愉しむ娯楽だというのに、その技巧を凝らしたら、理解がされないという皮肉な状態に陥っている。それじゃ小説ジャンルは廃れるばかりだ。


教育界や財界で、使えない若者が増えたとか言ってるが、前回の「物差し」の話を連動させてみろ。

社会人なら当たり前に持っている、「相手の言葉だけでなく、表情やちょっとした仕草も判断材料に入れて推測する」という訓練がまるで出来ていない奴らが多いというだけの事だ。

その訓練の一環に、かつては小説が組み込まれてしかるべきだった。

だが今は、台詞だけで読者は判断し、書き手も台詞だけで判断出来るものしか書けなくなりつつある。

ウケないからだ。


これを悪循環と言わずになんというのか。


かつてのルール、「台詞だけでは登場人物の本性を推し量れないようなギミック」を持つ小説を読むことは、確実にリアルで有利に働く。人を見る訓練になるからだ。だから、アガサやイソップは読み続けられてきた。

その事を教えるのは、日本の利益になる。海外じゃ普通に読み継がれている、日本だけが取り残されていく。


私がこのエッセイで狙っているのは、賛同者を増やすという目論見だ。

秘匿されたノウハウ、基礎の基礎より一歩踏み込んだ内容の小説の書き方を世間に広めたい。私自身が手探りで、隠されたモノを探っている状態だから遅々として進んでいないもどかしさもある。

だが、世間にバラしてやったら、気分爽快だろう。(笑


せっかくの、先人の遺産である名作文学を「読めない」なんて言ってる可哀そうな人がいるんだよ。

読めないのはその人のせいじゃない、読み方を教える者が居ないせいだ。その人は不運だっただけだ。

誰かが読み解き方さえ教えれば、もっと世界が広がるんだ。そして、その人の内面世界に素晴らしいものがあったなら、その世界をいずれは見せて貰えるかも知れない。

欲の皮つっぱらかしたアホウなキツネの浅知恵のせいで、そういう可能性が全部ソイツの懐へ金になって入っていく。憎しみしか感じない。


小説を書いていたなら、誰だって「巧くなりたい」と思うに違いない。そのノウハウを探した経験があるはずだ。隠されてきたから、皆が、あるレベルに到達すると行き詰まるんだ。

その先を、手探りだが探している。

自分だけの得を考えず、出来れば続いてほしいと願う。


私の提示したノウハウを理解したなら、それを利用して欲しいと願う。知人にもそのノウハウを教えてくれたらいいなと思う。私の文章は毒があるから、もっと柔らかく書いて、毒に弱い人も読めるようにしてくれたらいい。同じようなエッセイを書いていたら、ここで読んで「はっ」と気付いたところもあるだろう。それを書いてくれたらいい。パクリだ何だと言うつもりはないから安心してくれていい。(笑


ただ、私も人間だ。書かれたその作品が大人気になったら、そりゃ恨みくらいは抱くだろう。(笑

けどまぁ、まるで自分独りで思いついたというような書き方さえされてなけりゃ、納得するよ。「ある人が言ってたんだけど、」とでも注釈付けて、貴女の解釈で貴女の読者にも教えてあげてほしい。WinWinで行こう。(笑


とまぁ、これが「ちっせぇ目的」じゃない、私の野望の全貌だ。

ランキングとか気にしたら、目的が果たせない類の野心だよ。(笑


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