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第二十三話 さらば愛しき人よ

ハードボイルドの代表的作品として名高い。フィリップ・マーロウを読み始めた。

村上春樹翻訳版を入手したからね。


まず、村上春樹は天才だ、と思わされた。なんせ、「~だ。」の連続なんだが、それがあんまり違和感を感じないんだよ。慣れもあるだろうけど、100ページも読めばすっかり慣らされてしまう。

まずこれが非凡だと感じた。(ぜったい、ワザとだよ、これ。)


そんで、作品自体なんだけど、三人称に近い一人称、びっしりと情景描写が描かれている。

『アパートメントのドアに叩きつけられていた朝刊二紙を――』という表現があったが、本当に叩きつけられていたわけじゃないだろう、比喩表現で、ムカついている主人公の感情がそう言わせているわけで。

そういった表現を使った情景描写が山盛りに出てくる。


自分の作風を比較で考えると、わたしのはまるきりそのまんまで書こうとすることが多い。

こういう書き方もあるんだな、と新鮮な気持ちを味わった。


皆さん、自身の作品で『匂い』を表現しているかい?(笑

『むせかえるようなサルビアの香りがますます胸を悪くさせる――』だとか。

そして、酒とタバコはハードボイルドの定番だが、そこにも『匂い』がこれでもかと描写される。

臭いといえば、わたしはせいぜい料理場面くらいでしか使わなかったな、と反省させられた。

あとは殺人現場の血の匂いは定番か。


ちょっと中身から引用しようか。

人物の描写も、シロウトとはまるで違っていて反省しきりだったから。


『年齢は二十八歳くらいに見えた。額は狭く、エレガントというにはいささか縦長に過ぎた。鼻は小振りで、詮索好きな風がある。上唇はわずかに長すぎたし、口全体はわずかとは言えないくらい横に広がっていた。瞳は灰色がかったブルーで、そこに金色がまだらのように入っていた。微笑みはなかなか素敵だ。たっぷり眠ったあとのような印象がうかがえた。感じの良い顔立ちだった。好意を抱かずにはいられない。可愛い女だ。しかしデートに連れ出すたびに、手にブラスナックルをはめなくてはならないほどの可愛さではない。』(「さよなら、愛しい人」レイモンド・チャンドラー著、村上春樹訳、早川書房)


引用方法としてはこれでオケと思うんだけど、一応運営にも報告して間違いあるなら指示願おうと思う。


んで、比喩表現は単に耳触りのいい言葉をつらつらと重ね掛けしておけばいいというもんじゃないんだ、って事を教えてくれる文章だよね。

解かるだろうか?

私立探偵のマーロウは皮肉屋で少しばかり神経質だ。登場するヒロインの容姿を説明するだけの部分である上記の一節を取っても、その性質が垣間見られる。語り手であるマーロウの性格までが描写されているんだよ。


やっぱ、プロは違うなぁ、と。

市販の、特に話題となった作品やら同じプロの大家がお勧めしてるような作品は本当に勉強になるね。

ハードボイルド書きたい。いや、こういうズッシリと重たい話が描きたい。


自分の書きたい話を書け、とそういや本スレで誰かがコメント残していたなぁ、なんて思い出した。

デスゲスライムはそのうち三人称で書き直したい。ゼウスエクスも改定していこうと思ってる。

勉強し直してみてよかった、

今なら、もう少しはマシなモノが書けるような気がするんだよ。(笑


プロを目指す皆さん、わたしも頑張るよ。お互い、上を向きましょう。







この形式で引用がオケなら、三人称例題には外部商業から引っ張ってこようと思います。運営に問い合わせ。


問い合わせの回答が来たよ。

今回程度なら問題ない、ということですが、もし引用元から苦情が来たら削除願う、ということで。

その為、多量の引用は不可という結論で、この方式での解説はちょっと厳しいね。今回限りにしておきますよ。(笑

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