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第二十一話 「まず視点変更を抜け。話はそれからだ。」

『デスゲスライム』と『情景描写好き』の二作で、視点変更というものを厳密に取り扱ってみた。

ジャンル、人称に関わらず、小説というのはルールが同じである。


●人物に惹かれるのは最初の登場シーンである。

●視点変更がスムーズで、頻繁には行われない。

●凡庸な人物ほど描写が難しく、キャラが立たない。

●モブ以外の無駄な人物は登場しない。

●無駄なエピソードは出てこない。


《登場シーン》

一般書籍を、研究する姿勢でじっくり読み返してみると、主要人物ってのは初登場のシーンでおおよその人物像が示されていて、人間性に興味を引かれるような書き方をされている。

デスゲスライムでルシフェルがウケたってのも、恐らくは初登場で人物像がはっきりしていたからだと思うんだ。敵役だし、その意図で書いたけど、本来主要登場人物は全員がそういう心構えで書かなくちゃいけなかった、ということだね。


興味を引かれる人物の登場、ということは、イベントとして物語に起伏を与える役割にもなるということだ。ストーリーは進まなくても、ひょっこりと新しいキャラが投入されて、それが興味を引かれる人物なら、それだけで一つの新規イベントになる。


簡単なものなら、新しいヒロインの投入という事になるんだろう。

けれどそれだけじゃ、ストーリーが膠着状態にある場面などで風穴を開けられない。敵でも味方のおっさんキャラでもそれをやれなきゃ駄目だということだ。


《視点変更》

一般小説は、三人称でもほぼ主役の視点のみで進んでいく。

どうしても主役以外の視点に移る場合は、明確に「主役が不在」である。つまり、主役が居ない場面で、主役が居たら不都合なシーンのみで、他者に視点が移っているというかね。

(ここについては、自分じゃ解かってんだが説明が難しい。)


要するに、『主役視点じゃアカンの?』という疑問を差し挟めないシーンでしか視点変更は起きないってことだわ。んで、ここまで書いてると、「俺別に一般の賞とか狙ってるわけじゃねーもん。」なんて捻くれた考えを浮かべる奴も居ると思うんだが、基本のルールは一般もラノベもねーし。甘えんな。(怒


《普通の人》

凡庸な人物、ヒロインで言うなら「常識人」「地味」「おとなしい」などなど・・・凡人主人公とかでゲームなんかでよく使われる人物像だね。

これ、ゲームだから成り立つ手法で、小説では「基本的に出しちゃいけない人物」だったんだよ。


要するに「モブ」て意味だから。


”登場シーン”で書いたように、人物は全員、その人格がはっきりしていなきゃいけないわけだから、普通の人という人物設定自体がそもそも漠然としていて、キャラ設定されてない状態ってことなんだ。

だから、「普通の女の子」と言いつつ、ちゃんと個性が設定されていないといけなくて、その個性は明示されていないといけないってことだ。

普通のイメージに近い人物ほど、個性的にはしにくいから、だから設定が難しくなる。


《無駄の排除》

役柄的に無駄な人物は一人も出てこない。

無駄なエピソードもほぼ出てこない。

そうでないと、読者はその人物やエピソードが「どう関連してくるのか?」という疑問を必ず持ってしまうから、裏切ってしまうことになる。「関係ないなら最初から出すな!」となる。


明確なテーマが存在し、そこから逸脱したエピソードは皆無といっていい、と。

色んなテーマが錯綜するのは、メインテーマに絡まったもので、全部は繋がっていないといけない、と。

難しいわ。orz


《感情移入》

最後に感情移入についてだが。

これを、どうも誤解しておったんだよね。


スーパーデキル君なキャラ設定でも構わないんだ、共感ってのは、「怒るべき時に怒り、泣く時に泣く」という意味だから。感性がズレていないことが、感情移入のキーワードだったんだよ。


ヒールに感情移入って場合でも、その悪党が悪行を起こすに、内面の心の動きが理解に苦しむものでないなら、いいんだ。その心を無視して実行に移すなり、理屈として心の動きが読める範囲ならいい。


起こした行動の、その理由付けが読者に納得いかないものだと、共感は得られない。

嫌な奴を書く場合は、つまり、それの逆をいけばいい。


《説得力》

これも勘違い君が多い。


説明が必要な設定と、説明が不要な設定とかあって、不要な分ってのは、以前引き合いに出した「吾輩は猫である」の、先生ん家の外観描写なわけだ。

必要な設定ってのは、例えば「スターウォーズ」のデススターの直径は必要で、フォースの原理は不要ってことだよ。

そんで、時代によって、読者の層によって必要な設定、不要な設定は変化してくるんだよ。

で、大多数の人が「なんで?」と疑問に思うような設定は、説明しておくに越したことはないんだよ。

フォースの原理も説明がある、ただし、パージがコクーンでと煙に巻かれる。けれど、デススターの直径はきっちり理屈に合ったサイズが用意されている。計算するヤツが居ても納得するサイズになっているし、推定で何万ドルの建設費用がかかるかまで計算されたりする。

それが、SF的な尺度だから。(笑

曖昧にしていい部分としたら興醒めな部分で、SFはわりとはっきり分かれている。


ファンタジーも、厳密なファンだとSFと同じ尺度で測られているから、生態系とか社会形態とかがデススター枠になる。リアルで社会学だとかの学問に発展してる分野をおざなりにしたら、そりゃアカンやろ、と。

魔法だのフォースだのは、まだオカルトの分野なんだよ。だから、説明不要になる。

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