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一人称捕捉 中世と近世

まずは一人称の捕捉。


一人称だと主人公の見たこと考えたことしか書けないということはもう言った。

その為に、なにか世界観に連なる設定説明をするたびにいちいちイベントを組まねばならない。

誰か人づてに聞くなり、調べるなりでしか、主人公に語らせることは出来ないからだ。


よく聞くQ&Aね。


Q ドラゴンが飛ぶ理屈は? 

A サイコキネキスです。


Q ドラゴン飼育は出来ちゃうの?

A 奴等は小食で燃費がいいです。(霞を食ってます、も可)


Q 冒険者ギルドは世界中にあるの?

A 国によって管理者が違う別組織です。


Q 搭乗型ロボットなんて不可能でしょう?

A 未知の超合金にサイコキネキスの合わせ技です。


Q そもそも魔法ってなに?

A ハンドパワーです。


書けばこんなに簡単に済む説明だけどね。要するに、異世界という想像の世界にリアルを持ち込むから違和感を覚えるし、理屈を求めたくなるわけだが、リアル現実だって不可思議な現象、解明不能な事柄なんぞゴマンとあるんだぞ、ということで、魔法=超能力に置き換えるだけの話なんだ。

その現象がアリかナシかについてだけなら、現実にも超常現象あるだろが、で済むんだよ。

けど曲りなりにも小説なんだから、まさかに「ハンドパワーです。」では済ませられないよ、台無しだ。それなり、カッコイイ理屈とかあった方が読んでて気分良いじゃないか。


有無を言わさず、魔法=超能力だからもう一切説明しない、というスタンスを取るか。

カッコイイ屁理屈を捏ねて、魔法は空気中のマナがどうのこうの、というスタンスを取るか。

ただし、一度でも説明を加えてしまうと、その後に登場するあらゆる魔法関連の事柄に対する違和感にはすべて説明を、ということになるから。


そして、(異世界転移の)一人称だとそういう設定説明は人づてになる。せっかくカッコイイ屁理屈を捏ねてみたのに、いちいちイベントを立ち上げて主人公にクリアさせない事には読者に披露できない。

そこは大事なので。


ところでロボットが登場する異世界では、交通機関はどうなってる?

軍備なんかはどうなってる?

ロボットに使われる多種多様なメカニックが流用されなかった理屈は、例えば馬車やら剣に鎧やらが登場する度に、どうしてこんなレトロなのかを説明しなきゃいけなくなる。

それか、最初にロボット登場でそれのみが特殊だという理屈付けをしておく必要がある。


蒸気機関に銃器が登場したら、近世だ。それ以前は中世。この境目ってのはガラリと世相が変わるんで、近世の物が中世に登場したなら説明が必要になる。

一人称だと・・・以下略。


異世界にこっちの世界の主人公が移動して、ていう話は確かに色々と便利になる。

こっちの物を比喩に使ってもいいし、説明が楽になる。

けれど、上記で挙げたような事柄が落とし穴として存在してしまうという事を忘れないでね。


そして、やってみれば解かるんだが、異世界の人々にとってはごく当たり前の事柄を、当たり前と思えない主人公に丁寧に説明して教えるというシチュエーションを作り出すのは、非常に難しい。やってみれば解かるよ。(笑

捕捉の捕捉


魔法=ハンドパワーとして、一切説明しない方が楽なんだけどね。


例えば火の玉を投げつけるよりも直接、敵の体内温度を80度にしてこんがりローストしてやりゃいい、という事になるけれど、なんでそうしないのか? そういう説明までやらなきゃならない。

仮に、敵も魔法防御で直接体内にくるのはシャットダウンしてんだよ、とかをしても、今度はシャットダウン出来るなら火の玉も防げるだろ、となる。

また異世界からきた主人公は魔力ないのに、どうして防げる、ローストされたら終わりだろ、ともなる。

そういうのが、矛盾した設定ってことだよ。


次から次へと連想ゲームで矛盾は湧き出してくる。説明をすればするほど、その説明内にまた矛盾が生まれてくる。

だから、昔のファンタジーはいちいち魔法の理屈なんざ説明しなかったんだよ。


現実で超能力は解明されてない、ファンタジーの魔法も同様で向こうじゃ研究途中だよ、で済む話だ。

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