第十三話 俺TUEEEは三種
『何でこんなこと突然書く?!(挿絵?あり)』エッセイランキンに載ってた作品を読んで閃いたことなんで、まずは作者さんに御礼申し上げ。
まず、人気を考えて書いてみようと思い立って始めた連載「デスゲスライム」ですけども。
やっぱなろうの人気の主柱は『俺TUEEE』だろう!というわけで、テーマのぶっとい柱に置いてみた。
けど、自分が書いた作品群の中ではダントツに人気あるけど、ランキング的にはウケたとは言い難い。
他の作品と比べても、なんでだろう?と違和感を感じる点もあり。
はっきり言えること。
わたしは自作でテンプレは使用しない。だからと言って、テンプレじゃないから人気に繋がらないという風な見方をしてはいけない。テンプレの本来の効用である部分はちゃんと抽出しているからだ。
「VRMMOという解かりやすいゲーム内世界観」
「閉じ込められる、というギミック」
「俺TUEEEの要素」
肝心要の要素「キャラクターの魅力を最序盤で出す」をやってないから、いきなりコケてるんだけどね。
さらに悪いことに、「俺TUEEE」までがどこかズレているから、いまいちになってしまっている。
最近、閲覧を封印している2ch本スレだけど、そこの意見を分析してみても、どうも違う、ズレている、このズレはまたわたしの思うTUEEEともズレている……というわけで、混乱してしまった。
そこへ、上記エッセイを読んで閃いたわけっすよ!(笑
具体的にはエッセイ記事のバイオハザードについてのことでね。
「なろうの主流中高生の好む俺TUEEE」と、「本スレ住民の好む俺TUEEE」と、「わたしの思う俺TUEEE」とは、違うものだった、ということなんだ。
つまり、俺TUEEEには種類があるってこと。
●本スレが好むTUEEE
コードベロニカやコールオブデューティですだよ!! 制約付き、緊張感を制する「精神性TUEEE」のことだったのだよ。限られた選択肢や、常にリミットが提示される状況。いわば機転の勝利。
武器弾薬が”無限”というだけで彼等はシラケる・・・。
●わたしが好むTUEEE
デビメイ、バイオ4以降のアクション系だね。とにかく派手にスピーディに、の「職人芸TUEEE」のことだよ。どれだけ数をこなしてるかが自慢。もはや作業。(笑
どっちもプレイヤーの腕前に依存する、実際にゲームを”やり込んだ”経験のある者だけが知る感覚だ。
●なろうウケのTUEEE
時々本スレにも現れて住民によしよしされてる、「イージーモードTUEEE」。ゲームを”やり込む”暇なんかない中高生がこれに当たる。(と、見えてしまうのが落とし穴だ! 実は違う!)
読者の多くは、とことんゲームやり込む人種じゃない。ゲームやった事ない人も多い。
アクションやFPS(ファースト・パーソン・シューティング)は初心の頃は、とにかく心が折れまくるゲームだから、掛けた時間が強さになるという側面が強い。
忙しい学生さんやら多趣味で一点集中の出来ない人には不向き。
わたしもゲームにハマってた時は他は一切やらんかったから、そこそこの腕前を手に入れられた。(どのくらいやれば強くなれるか?親指の皮が剥がれるまでだ!)
これが、ウソ臭さにつながる。
主人公は自分と似通った境遇でないと、なかなか応援が出来ない。凡人主人公を据える理屈というのは有名だけど、ゲームが舞台の場合には「努力する時間が充てられない」という読者事情を鑑みないといけない。
「暇つぶしで読むんだから理屈は要らない、」「さっくりと気分よくTUEEEが出来ればいい、」というのが本スレに来てよしよしされてる読者の言い分だ。
上記二種のTUEEEとは相容れない点が、「努力」にあったりする。(笑
彼等は、「努力する時間がないことを、よくよく理解している。」
で、結論としては、彼らの言い分に騙されていたわけだが、つまり、TUEEEと同時にSUGEEも表現されないといけなかったんだ。だから、スキルの詳細だの、ロボットの製造工程だのがウケている。
一行で終わる戦闘描写のベースには、説明解説パートで書かれたスキルの性能だのロボの機能や素材の凄さだのが、カバー情報として信憑性にプラスされている。
上記二つのTUEEEは、あくまでプレイヤー自身の性能に左右される。
うっかりこん、と、描写をすっぽ抜いてしまっていたんだ。なんせ我々は、「同じ機体を操作した時に現れる腕前の違い」こそを重要視していたから。
戦闘シーンばかりに心血注いで描写していたが、重要なのは裏側、バックボーンの方だったんだね。
多くの読者が期待しているのは、つまり、『シャア専用ザク』の通常比3倍とかなんだよ!!
(アレは本来、シャアに合わせて3倍にしました、だったんだけどなぁ・・・3倍だからシャアがスゴイんじゃないんだが・・・)
いや、やっぱり『特別製』という意味での性能説明なのか。ううむ。
強さの裏打ちとしての説明解説がしっかり書かれていること、がなろう読者にはもっとも重要らしい。
つまり、基本的にウケてんのは王道中の王道、『生まれついての才能TUEEE』だよ。努力に左右されず、読者にも夢を与えて、その特別さを具現化させるオンリーワンなスキルだの武具だのに象徴される。
・・・なかなか面倒くさいね。初期縛りとかやっちゃうヒトとしては面倒な限りだ。
(なんせ、武器がショボいことで強さを見せつける、を否定されてるわけだからな)
ゲームで実際強い連中は、そのぶん、小説書いたり読んだりする時間なんてゼロだから、上記二種のTUEEEは日の目を見ないのかも知れない・・・




