表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/66

第十二話 一人称と三人称オマケでside

更新が滞ってますな、VRMMOの作品が毎日更新実験の最中なんで手が抜けんのだわ。(笑

まぁ、純粋に「毎日更新の結果」というデータではなくなっているけどもね。


恐らく、ウケた理由で大きいのは中盤から出てきたルシフェルの魅力と、終盤の展開だと思ってる。

ストーリー重視型の作者であるわたしは、序盤に魅力がないストーリー展開が多いんだよね。

魅せ方がなってないせいが大きいけど。(笑


人物が魅力的である、という強みのある作者は序盤から魅力あるキャラを投入して読者を釣れる。

キャラ目当てだから、よほど酷いポカをしてキャラの魅力を損ねない限り、ストーリーはオマケ目線で見られて、読者離れもおきないだろう。

今の読者はストレスが嫌いだけど、キャラ小説の強みで鬱展開を乗り切ってもらえる、ということだ。


魅力的なキャラ、キャラの魅せ方ってのは、本当のところ、たった一行で為されてしまったりする。


ウケというのを気にして作品を書いてみて、本当に色々なことを発見した。

デスゲスライムの失敗は、まず、一人称で書いてしまったことが第一だ。これで非常に、勢いというか、スケールというか、迫力が、削がれてしまった。

三人称で書いていたなら、自身が読み返した時にもっとワクワク出来たと思う、うん。


一人称で書くならば、何を置いても主人公の魅力を最初の数行で書けなきゃ一人称にする意味がない、というくらいのもんで、そこを失敗してたんじゃ三人称の利点を捨てた意味まで無くなるって事だね。(笑


つまり、一人称で書くのは主人公やメインの人物を魅力的に書くことを第一義にしないと駄目だという事だよ。一人称の始まり方はいきなり情景描写が出来ないし、やる意味がない。

一人称の最大の利点は内面描写にあるんだから、一番最初の数行でキャラを魅せるという使い道が本来の王道だろう。


三人称は、いきなり舞台を見せて、そこに流れる空気に興味を抱かせるということを第一義にしないと、わざわざ三人称使う意味がない、という事になるね。

もちろん、三人称には神視点と一元視点があり、後者の場合は人物にいきなり焦点を合わせて疑似的に一人称っぽくすることも可能だけど。


一人称のsideとかで視点人物を変えれば、三人称のお手軽な代用品にはなるだろう。

しかし、どうせなら、一人称だからこそ出来る魅せ方ってのをやってみようと思っていたんで、わざわざデスゲスライムの主人公は分身の術で多方面に出張できる設定にした。


純粋一人称だと、主人公の内面以外は書けない。ここがキモだ。(笑


視点人物である主人公を目撃者の位置取りにして、それぞれの登場人物たちの会話劇を眺めさせることで、「わざと」人々の内面は描写しない構成にしてある。三人称にある、誰の内面にも入らない手法というものに似せているわけでありますよ。(笑

初期のハードボイルド技法に多かったらしいけども。


本来、内面描写をしないで人物の思考をある程度で読者に提示するには、心理描写以外の手段で心の声を表現しないといけないわけですが。

空が曇ってて情けない顔したA君が俯いてじっとしてる、とか書くわけですな。やり方としては。

それをもっと解かりやすく、作者としても書きやすくしたのが、純粋一人称での他者描写って事だね。


これで何を狙ったかと言うと、ルシフェルの内面を書かないことで「敵の凄味」を割り増ししようとね。

何を考えてるか解からない、という事は不気味さの演出に欠かせないわけですな。主人公が「こうじゃないかな?」という憶測でしか、情報が提示されないからね。

だから、純粋一人称はホラーと非常に相性がいい。(笑

これがsideとかで他者の内面まで描写されると、恐怖感や緊張感が削がれてしまいかねないという事ね。


sideを使えば、なるほど簡単に書きたいことは書けるだろう。

けれど、それじゃ使える技法は少ないままだよ。(笑


初心者の間は、使える技そのものが少ない。だから、混ざらないから突き抜けやすいというだけだ。

サラダしか作れない人が、とても見栄えのいいサラダを作れて人気が出た、ということだ。

煮物も和え物も天婦羅も作れるとなると、レパートリーが広がった分だけ、チョイスというか全体のコーディネートまで気を遣わねばならなくなった、という事が、中級者以上の作者に現れてくる盲点だよ。


それぞれの料理法の詳細を知ることで、それらの組み合わせのベストが解かるようになる。

そうしたら、サラダしか作れなかった頃よりも、格段に表現の幅が広がる分、色んなものが書けるようになるはずだ。


種類の違う素材を使う、という技法に慣れる前に、素材の違いを明確に把握しないといけない。

人称においてなら、何が出来て、何が出来ないのか。


小説は計算で成り立つものだとつくずく思うようになったよ、人気を気にして書くことによって。


初心者で一発当ててプロデビューしたとしよう。その後はどうするのか、考えるべきだ。

小説書きは独学だ、それでいてきっちりと正解は存在している。教えてくれる人など居ないと思わなくちゃいけない。





side使いに一言忠告。

まったく読んだことがない小説本を開きたまえ。

そして、その主人公に感情移入するまで、あるいは主人公に好意を抱くまでにどのくらいの分量が必要かを測りながら読んでみたまえ。

そうしたら、sideを使う弊害が解かるだろう。


三人称の弱点は、一度に何人もの人物を扱うために一人一人への読者の注意が逸れてしまいやすい、ということだ。

sideを使うということは、その弱点をわざわざ一人称小説に入れ込んでしまうという意味だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ