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大義名分を得た雷は無慈悲に人を撃ち抜く

 京雷をケチって7MPしか使わなかった自分が憎い。馬車に到達するまでに思ったより時間がかかった、護衛たちが耐えてくれて助かった。俺のこういう貧乏性は早く治さないとな・・・


「なんだぁ?お前死にに来たのか?」


 ・・・・なんて返そう、盗賊と会話する気なんてさらさらなかったんだが、とりあえず護衛の味方だという旨を伝えよう。助けに来たのに第三勢力なんて思われたら最悪だ。


「襲われている人を助けに来た正義の渡来人です」


「ははっおい!今の聞いたか?頭イカれてるぞこいつ、気色悪りぃ正義マ・・・・・っが」


 俺は盗賊が喋ってるのを遮るように片刃の凶手を喉に向かって投げる。

そこまで言わなくてもいいだろう。偽善だろうがなんだろうが俺の中では正義だったんだ、第一、人を襲ってるやつにとやかく言われる筋合いはない。


「武器全部投げちまったな・・・・まあいいか、それより・・・俺はあんたらの味方という認識で大丈夫だ。出来れば現在の状況を手短に教えて欲しいんだが・・・」


「・・・・・」


 やばいな、明らかに戸惑っている様子だ。

まあ突然不審な奴が出てきたと思ったら盗賊の喉に剣を投げつけて急に味方です。は誰でも戸惑うか、だが状況的にも護衛に馬車を護ってもらわないと流石に戦いづらい、誰か状況処理の早い人は居ないのか。


「・・・加勢感謝する。赤いマフラーを被った人間が元凶だ!」


「・・・・OK !」


 3人の中で一際頼り甲斐のありそうな男が的確に状況を説明してくれる。なるほど、数の有利で負けそうになっているのかと思ったがあいつがこの状況の元凶って訳ね。


「赤色は俺が相手する。その他のやつは頼む」


「了解した!!」


 優秀な護衛だな・・・・・臨機応変さがレベチだ。


「俺はあの人間を殺る、お前らは護衛の方を殺れあの人間には挑むなよ・・・人員の無駄だ」


「ああ?! 雇われ者が俺に指示出してんじゃねぇ!!あのガキに付けられた喉の借りを俺は返さして貰うぜ!」


「あれ? いつの間にか喉刺した奴の傷が直ってやがる」


「多分・・回復の薬でも持っていたのだろう。戦っている時には魔法などは使われなかった」


 なるほど、まあどう見ても回復魔法を使う風貌じゃあないしな。


「オラっ!! 今度は俺がこの剣で喉にきっ・・・・ズぅっ!!」


 盗賊は俺の片刃の凶手を振り回しながら向かってくる。盗賊の上から下へと振り下ろされる大振りな攻撃を地面に逸らすように受け流しながら、俺はそのままの流れで京雷の威力が乗った蹴りをする。盗賊は俺が最初に投げ、短刀が刺さったままの木まで吹き飛ばされながら白目を剥き倒れる。・・・っお、ちょうど京雷の効果が消えた。もう10分経ったのか。


「いやぁ〜助かるよデリバリーくん、赤フードに素手じゃあ少し苦戦すると思っていた所だ」


「あのバカの様になりたくなかったら護衛の方に行け」


「お・・おう」


「わ、わかった」


 盗賊たちは俺の横を素通りしながら護衛の方に向かう、盗賊5人を相手にすると流石に隙ができるからな、その隙を赤フードは見逃さないだろう。その為俺も盗賊を攻撃などはせず護衛達に任せる。大将ができる奴だったし多分問題はない。そんな事を考えていると、赤フードが俺に声をかけてくる。


「最初の投擲から分かっていた事だがお前・・・・強いな」


「ピンポーン正解だ。強いぜ・・俺は」


 そんな会話をした後赤フードは、素早い動きで俺に剣を振るってくる。

俺は初撃を後ろに避ける事で交わし、流れで放たれる矢継ぎ早の連撃をいなし、距離を離す。雰囲気で分かってはいたがこいつ、強い!


「お前なぁ高騰しすぎだ、盗賊は主人公に倒される噛ませってのが普通の相場だぞ」


「安心しろ・・・その相場はまだ高騰する」

 

 まだまだ本気は出してないってことね、望むところだよ・・・・













「隊長、あの人に任して大丈夫だったのでしょうか」


「ああ? 俺の目が正しければ大丈夫だ」


 隊長と呼ばれる男とその部下2人は4人の盗賊を倒し、一息をついていた。


「あの投擲でわかる、異常だ。普通の人間の膂力では短剣を投げただけであんな轟音は鳴らん、つまり普通の俺たちが出る幕じゃないってことだよ、加勢に行こうとするなよ、確実に足手纏いになる」


「流石にあの中に入る程自分は自惚れてないっすよ」


「同感だ」


 護衛達の視線の先には人間とは思えないほどの動きで攻撃と受け流しを繰り返す異常者達がいた。その光景は助けに行こう等という行為がどれだけの罪になるかを瞬時に分からせる。護衛達は祈るしかないのである、加勢に来た男に自らの運命を委ねて。










「お前が強いのはマジでよく分かったからそろそろ本気出せよ」


「それはお互い様だ」


 お互いが本気を出すタイミングを図る、出すタイミングを間違えれば俺は死ぬ。


「いい加減手札の探り合いも飽きてきた」


「ああ、そうだな」




「「クライマックスといこうか」」





 そういうと相手は今まで滅茶苦茶だった剣の構えを変え、俺は即席短剣を引き抜き、二刀流の構えをしながら帯電と京雷を同時に発動させる。

上代が助けに来たのは、正義感が1割で人と戦う為の大義名分が得られるが9割です。

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