短刀使いは拳で語る
中継役のクソ神が変な場所に俺を送りつけられたわけだが、まずは怒りを抑えて現状確認をしよう。俺は召喚者である王国を目指している。そして現状俺は崖下にいて、目の前には最低でも高さ40mは下らない崖、後ろは湖があり水には困らなさそうだ。王国っていうあたり結構大きめな街であるとは察せる、であるならば。
「やっぱ登るしかねぇよなこの崖」
この崖を登ることが出来ればここら一帯が見渡せるはずだ。その一帯の中に王国があることに希を託そう。
「とりあえず今はステータスを見るか」
なんて言えばでるかな、こういう時の定番っていやぁやっぱり。
「ステータスオープン・・・・っおっ出た」
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NAME:カミシロ ユウイチ
LV:1
STR: 40
STM: 50
VIT: 30
AGI: 40
MP: 20
役職
・短刀使い
装備
・制服
(上着、タンクトップ、ネクタイ、ズボン、ベルト、靴下、靴、髪留め)
持ち物
・なし
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このステータス値はどうなんだろう? 元の俺を基準にされてるなら結構良い数値だと思うが。てゆうか異世界特典時のステータスポイントの振り分けを筋力・速度重視にしたのにスタミナが一番高けぇのかよ。俺の得意分野がこんなところで分かるとは・・・・そういえば俺は持久力がクラスで1番よかったな。
「・・・持ち物なし?」
ステータス画面にばかりに視線がいってたが何気にこれやばくね、短刀一本もないのかよ。まあよく考えたら転移先は本来王国なんだから武器を持たせる意味がないか・・・・武器は拳でしばらく乗り切るしかないな、そのための筋力だ。まず最も優先すべきは生きる事。生きるために必ず必要なのは・・・・
「この水だな」
崖の後ろにある湖、直径5メートルあるぐらいの大きさ・・・これが俺の生命線だ。匂いや見た感じは普通に飲めそうだが・・・・覚悟を決めるか、どのみち飲めなきゃ死んじまうし。
「男は度胸!!」
飲んでみたが体に悪そうな感じはしない、時間が立って症状が現れるかもしれないが今のところは普通の水だ。幸運なことに水はちゃんと飲めそうだ。となると後の問題は水の持ち運びか、水筒・・・いや皮袋か。兎とかの動物を狩ってその皮で水袋を作るのが良さそうだな。この崖登るための体力は大丈夫だが流石に水がないと3日で死んじまうからな、持ち運びはできる様にしておきたい、水もあるし、見晴らしの良い崖もあるし俺の転移先がここだったのは本当に運が良かった・・・とりあえずこの辺でも探索するか、動物を見つけるにしろ動かないとどうにも何無いからな。
「ギュアッ!!」
「うん?」
この辺を歩いて10分ぐらいか?迷わないように真っ直ぐ森の中を進んできたが、急に草むらの前からモンスターが出てきた。
「肌が濁緑色だしゴブリンか」
出てきたのは手には棍棒を持った濁緑色のゴブリンだった。ゴブリンは俺に向かって直線的な動きで飛び掛かってくる。そのスピードは意外と遅く、向かってくるゴブリンの方向に合わせて俺は拳を置きタイミング良く顔面を殴る。
「ギャアッッ」
「流石に一撃じゃ死なないか」
あまり強いモンスターじゃ無さそうだしこの際色々試したかったことをしてみよう、まずは
「オープン」
ステータス画面は出そうという意思と適当な発音があれば出てくるようだ。森の中で色々試していたが出す位置は思っている方向から出てくる様で体感60cmまでなら離して出せる。俺は天界での経験を糧にしてとある実験をする。それはステータス画面が敵にも当たり判定があるのか、傷が付いたらほぼ終わりのこの中で盾の代わりになる可能性があるものはとても大事だ。
「ギュッ!」
「よっしゃっ!!」
その結果は大成功、俺の出した画面に敵は顔面をぶつけほっぺが潰れている。急にぶつかったのが予想外だったのかゴブリンは少しふらつき俺はその隙を逃さず攻撃を何回か繰り出す。
「オラっオラっ・・・っふう、いい加減死んだかな?」
敵はぴくりとも動かなくなり、死んだかどうかの審議を下していると、防御用に使ったステータス画面のステータスポイントが5増えている。これで死んだのが確定した。俺はステ振りのことを考えながらゴブリンの方へ目を移すと先程まで持っていたはずの棍棒が消えていた。
「あれ消えてる・・・さっきまで持ってたんだけどな」
どうして消えたのだろうと考えていると一つの考えが脳裏を過ぎる。
「もしかしてだけど武器ってドロップするのが確率だったりする?・・・・・」
「最悪だ!!・・・この世界思ったよりゲームっぽいなと思ってはいたが、武器ドロップまでゲーム仕様かよ!!屍体はそのまま残ってる癖に・・・」
俺が武器で戦える様になるのはもう少し時間がかかりそうです。
上代は転移先が偶然ラッキーな場所に来たと思っていましたが実はそんなことはなく、転移先は固定であそこに行く様になっています。本来なら上代を転送するのに王国の召喚陣を参考にする予定でしたが、王国側が6人を召喚した後上代を送るまでの間に王国側が召喚陣を消してしまった(昔、召喚陣を媒体に悪魔を召喚したバカがいた為その対策として)ため、転送先がなくなり強制的に転生専用の水があるこの場所に転送されてしまったと言う訳です。そのため別にラッキーなどではなく、どちらかといえば王国に行けなかったので不運寄りです。




