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一緒に魔王を討伐しよう!  作者: 純白
第二十二章—偽りの人
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95 虹光の幻影

ゴゴゴ……かみこの背後の地面が隆起し、巨大な虹色の幻影の鏡が出現する。


荒道一狼は全身を金色の光に包み、十字架で家屋を叩き割りながら突進してくる。

「クソガキ、主役を奪う気か!」


「クソガキ、主役を奪う気か!」かみこはその口調をそのまま真似し、瞳を細めて荒道一狼の数値と出力を解析する。


「これは……まつみのため……まつみまつみ。うああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」かみこの身体から銀色の光柱が天へ突き抜け、半壊したプラムスを真昼のように照らす。


虹光の幻影の鏡の表面に波紋が走る。


荒道一狼は先手必勝とばかりに跳躍し、かみこの頭上へ十字架を振り下ろす。


ドォン!!!!!!!!荒道一狼の逆十字は空中で木片に弾かれ、手が痺れる。


次の瞬間——


そこに立っていたのは、二人の荒道一狼だった。


一人は金色の光をまとい、もう一人は虹光をまとっている。


「鏡……分身だと?!」荒道一狼は目を見開き、言葉を失う。


「うあああああああああああああ!!!!!!!!」かみこは命令も出さず、ただ金色の光の荒道一狼を指差して叫ぶ。


虹光の荒道一狼が即座に十字架を回転させ、本体へ叩き込む。


ドンッ——


二人の荒道一狼が巨大な十字架を振り回し、激しく打ち合う。本体は自分の鏡像を見つめ、突然涙を溢れさせた。

「俺様……こんなにも完璧だったのか! ははははははは!!!」


鏡像の表情は無機質で、本体の狂気とは対照的だ。


ガン! ガン! ガン! 本体の出力が明らかに上回る。


甲高い破砕音が響き、鏡像の武器が砕け散り、銀の粒となって地面に零れる。


荒道一狼は下から振り上げ、鏡像の顎を打ち抜いて地面に叩き伏せた。


「位相シフト!」かみこが光盾を召喚し、荒道一狼の前に展開する。


だが荒道一狼は読んでいた。空中で右手を伸ばす。

「火霊の触手!」


巨大な炎の爪が光盾を鷲掴みにする。


眩い閃光と蒸気が噴き上がり、金属の焦げた臭いが漂う。表面に亀裂が走る。


パキン——光盾は粉砕された。


荒道一狼はそのまま降下し、拳で鏡像の胸を貫く。鏡像は砕け散り、無数の鏡片となって地に散った。


「いやぁ……実に爽快だ。」荒道一狼はかみこを見つめ、ふと哀れむような目を向ける。

「魔導士にしては、ずいぶん長い過負荷だな。相当溜め込んでたんだろう?」


かみこは細身の銀杖を握り、まつみの前に立ちはだかる。頭の中ではなお必死に、まつみを逃がせる可能性を計算し続けていた。


プラムスはいつの間にか静まり返り、城内の血戦は止み、燃え盛っていた炎も消え、空は再び濃い藍色へと戻っている。


そのとき、前方の闇に沈んだ通りに点々と赤い光が灯った。十数本の逆十字が四方からゆっくりと高塔へ近づいてくる――H十字軍はすでにプラムスを粛清し、城内で降伏しなかったプレイヤーとNPCを皆殺しにしていた。


「そろそろ幕引きだ。」

荒道一狼が悪魔のように二人へ迫る。


背後の巨大な黒影が、かみこへ炎の腕を伸ばした。


かみこは思考を止める。勝算はゼロだと理解している。振り返り、まつみを見る。


言葉は交わさない。だが、まつみは満ち足りた、勝者のような笑みを浮かべていた。


かみこはその場で固まる――自分が、笑っている。


「これが……楽しむということ」

頬がくすぐったくなり、淡い黄色の瞳から銀色の涙がこぼれ落ちた。


かみこは振り向き、H十字軍へ微笑みかける。構えを取り、残った鏡の盾が軽快に彼女の周囲を舞い、凛とした姿を描いた。


「今夜は俺様にとって、このゲームで一番尽くせた夜だ。感謝する。」

荒道一狼が真顔でうなずく。


「ふん。忘れないで。あたしが直々に殺すから。」まつみが笑って言う。


「うん。ああ、約束だ」荒道一狼も笑った。


荒道一狼が三人を指差すと、周囲のH十字軍が一斉に押し寄せる。


カン――。


アンドリアに金色の光柱が降り注ぎ、足元に魔法陣が浮かび上がった。


「まさか?!」周囲がざわめく。


ドンッ!!!!


強烈な銀光が炸裂し、H十字軍は思わず足を止めて光を遮った。


光が退くと、アンドリアの傍らに銀色の大旗がはためいている――銀龍の刻印の部隊がついに転送されてきたのだ。


救援はわずか十人。それでもH十字軍には及ばない。だが、その瞳は血走り、怒りに充ちていた。


彼らの家、プラムスは一夜でH十字軍に焼かれ、瓦礫と化したのだから。


銀龍の刻印は武器を掲げて咆哮し、雄叫びとともに突撃する。凄まじい気迫が場を震わせた。


「慈悲の涙」

「浄化の光」

「憐憫」


二人の主教が即座にアンドリアとまつみを治療し、まつみの失われた腕は再生した。


アンドリアは過負荷による昏睡から目を覚ます。

「……う」


即座に戦況を把握する。味方は依然として必敗の劣勢。さらに正面に立つ荒道一狼の存在が背筋を冷やした。


「アンドリア様、ノクスから預かりました。」

主教が慌ててバックパックから橙色に光るカードを取り出す。


「これは!!!!!!」

アンドリアは目を見開き、喜色を浮かべてカードを受け取る。激痛に耐えながらプラムスの高塔へ駆け込んだ。


塔の窓や破壊された箇所から、柔らかな緑光が溢れ出す。


ふう……ふう……ふう……。


塔の内部から吹き出した風が、皆の頬を撫でた。


壁面に純白の魔法陣が浮かび、次の瞬間――ドンッと爆ぜる。


アンドリアがゆっくりと姿を現す。その背後に、二枚翼を持つ巨大なハイエルフが従っていた。


銀の長髪、雪のように白い肌、胸元の開いた深緑の長衣、翼の魔杖を携えた――ライヤ大天使長。


「今夜は本当に興奮する。ムー大陸は最高に刺激的だ!」

荒道一狼が感嘆の声を上げる。


「殲滅モード―ON」

アンドリアは無言のまま、インターフェースを操作する。


「奧義‧七炫の図」



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