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一緒に魔王を討伐しよう!  作者: 純白
第二十章―ハゲグ上陸戦
82/195

81 「煉獄光線!」

「隙が出た!!! 集中攻撃!!!」

かなが叫ぶ。


「黒雷!」

「火球!」

「雷導の槍!」

「二重射撃!」

「鷹の目!」

「圧刃!」

「重怒撃!」


轟音。


赤牙が数歩後退し、肩に矢が突き刺さる。黒血が滴る。

ついに通った。


「うおおお!」

士気が爆発する。


近接と遠距離が一斉に畳みかける。

左から三振り、右から魔法の雨、正面から銀矢。

赤牙は巨大な的となった。


パシュスが吠え、首元の隙間へ突き刺す。


その瞬間、魔法陣の光が消える。


キン。


【システムメッセージ: アイテム 狐霊の魔剣 耐久度0%になりました。修理してください】


刃が砕け散る。


「……っ!」

罵声は検閲で消された。


赤牙は再び沈黙し、鈍く歩き出す。


かなは即座に魔法陣を睨む。

「今度は円と正方形! パシュスと私で分かれる!」


二手に分かれて高台へ駆け上がる。


「待って!」

蟹座が叫ぶ。


赤牙の周囲に緑光が立ち上る。HPが回復し始める。

魔法陣の光が消えた。


「戻れ! 誰かが陣に立っていないと回復する!」

全員が魔法陣へ飛び込む。回復が止まる。


「三角と正方形……遠距離、急いで……」

かなは息を切らしながら指示を出す。


陣内には重装だけが残り、赤牙を引きつける。


遠距離職は呪符の点灯に合わせ、それぞれ対応する幾何図形の高台へ立つ。


カン。


「グゥオオ……!」

赤牙が呻く。軍旗は燃えない。HPが一気に五分の一削れ、全身が軋む。

片膝をつく、状態が衰弱へ変化。ギミックを逆用したのだ。


「叩き潰せ!」

パシュスは我を忘れて斬りかかる。


黒鎧は砕け、上半身は血に染まる。狂暴化をやり過ごし、高台と陣を往復する。

数度の循環でHPは残りわずか。勝利が目前に迫る。

呪符の回転は遅くなり、狂暴時間も短縮する。


「次は三つ全部だ! 急げ!」

かなが即座に叫ぶ。


カン。


赤牙が再び膝をつく。


「終わらせろ!!!」


遠距離は高台から一斉掃射――轟音。


三基の高台が同時に崩れ落ちた。


【システムメッセージ: ギルドメンバー …… HPが20%になりました】

【システムメッセージ: ギルドメンバー …… HPが20%になりました】

【システムメッセージ: ギルドメンバー …… HPが20%になりました】

【システムメッセージ: ギルドメンバー …… HPが20%になりました】


高台にいた遠距離の一部が地面へ叩きつけられ、骨が折れる音が響く。


三条の雷導が収束し、魔法陣中央へ集まる。


白い極太の雷霆が、赤牙の頭上へ直撃した。


轟ッ――!


暴風が巻き起こり、周囲の鉄皮の兵舎根が吹き飛ぶ。赤牙はさらに巨大化し、魔法陣の中央に立つ。

血釘の巨斧も紅く発光し、刃先から血が滴る。


「アアアアアア!!!」

地鳴りのような咆哮。


呼吸が止まりかけた瞬間――


【システムメッセージ: ギルドメンバー …… HPが20%になりました】

【システムメッセージ: ギルドメンバー …… HPが20%になりました】

【システムメッセージ: ギルドメンバー …… HPが20%になりました】

【システムメッセージ: ギルドメンバー …… HPが20%になりました】

【システムメッセージ: ギルドメンバー …… HPが20%になりました】

【システムメッセージ: ギルドメンバー 黒髪ロング HPが0%になりました】

【システムメッセージ: ギルドメンバー こゆき HPが0%になりました】


密集していたKanatheonの陣形は、赤牙のデタラメな一振りで、まるで紙細工のように真っ二つに裂け飛んだ。


「下がれ! この距離は危険だ!」

パシュスが叫ぶ。


「ダメ! 陣から離れたら回復する!」

かなは杖を握るが、反撃の余裕はない。


「ヒール!」

神職者は反射的に詠唱する。


後退する者が増え、魔法陣内に残るのはわずかな重装のみ。


赤牙の巨斧が再び振り下ろされる。


【システムメッセージ: ギルドメンバー …… HPが20%になりました】

【システムメッセージ: ギルドメンバー …… HPが20%になりました】

【システムメッセージ: ギルドメンバー …… HPが20%になりました】

【システムメッセージ: ギルドメンバー …… HPが20%になりました】

【システムメッセージ: ギルドメンバー …… HPが20%になりました】

【システムメッセージ: ギルドメンバー …… HPが20%になりました】

【システムメッセージ: ギルドメンバー …… HPが20%になりました】

【システムメッセージ: ギルドメンバー 金ピカ HPが0%になりました】


重装隊は壊滅。


傷だらけの身体で這いずり、陣外へ逃れる。


魔法陣の縁に立つのは、パシュスと二人の騎士のみ。


「かな! どうする!?」

次の一撃で終わる。


「そ、その……」

かなも判断を失う。


赤牙は待たない。

巨斧が振り下ろされる。


「魂護の衝撃!」


轟音。


魔法陣の石畳が陥没し、粉砕される。

パシュスが地に伏す。

その前に立っていたのは――アンドリュー。

黒竜の盾が巨斧を受け止め、拮抗する。


「炎牙!」


後方からケルベロスが飛びかかるが、赤牙の一振りで瞬殺。


ワスティン大聖堂から、まことむぐち やよいが全力で駆け戻る。


「わたし……もう……無理……」

息も絶え絶えに倒れ込む。


「はぁ……結局、俺様の出番か」

アンドリューが嘲る。


その背中は絶対的だった。


「終わらせる! 残り2%切ってる!」

かなが叫ぶ。


Kanatheonが最後の一撃へ踏み込もうとした、その瞬間――


「煉獄光線!」


魔法陣外の鉄皮の兵舎から、桃色の極太光線が発射される。赤牙へ直撃。


「なっ……!?」


自分たちの攻撃ではない。

深淵の手の残存メンバーが、屋内に潜伏していたのだ。

赤牙のHPが尽きる寸前を狙い、最大火力の連携を叩き込んだ。

極太レーザーは、暴走する猛牛。

このまま赤牙へ直撃する。


城主の座が、Kanatheonの目前から深淵の手へ奪われる。


パシュスは決断する。身を投げ出し、砲線を遮る。


「パシュス!!!!!」

まこが叫ぶ。


跳躍。だが、わずかに遅い。

幻光砲は彼の髪をかすめ、そのまま赤牙へ――


「位相シフト」


轟ッ――――――――――!!!!!!!!!!


【システムメッセージ: 獣人の族長 赤牙アカキバ が討伐されました】







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