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一緒に魔王を討伐しよう!  作者: 純白
第十八章―ギルド  vs  ギルド
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67 銀龍の刻印 vs Kanatheon

「まつみ。私の仕事は?」

かみこはまつみのそばに座り、後ろについているだけで、練習の割り振りから外されていた。


「私たちは特殊枠だよ。俺は透明化で先行して探って、情報を持ち帰る。お前はずっと鏡の盾を張って守ってくれればいい。」


「合理的な判断。戦場では攻めの計算が難しい。防御に集中するほうが良い。」


「緊張しないの? もうすぐギルド戦だよ。」


「緊張は、条件が不明、または恐怖がある時の反応。私の記憶では、緊張した経験がない。理解できないものだけが怖い。」


「違うよ。俺は緊張してるけど、怖くはない。」

まつみは反論した。


「矛盾している。緊張は必ず恐怖を含む。」


「俺が緊張してるのは、やっと実力を証明できるからだ!」


「興奮と緊張を混同している。機会には興奮するが、危機には恐怖がある。例えばギルド戦で負ける、城戦で王都を落とせない、など。だから緊張する。」

かみこは冷たく言った。


「それも違う! 女の子とデートする時だって、会えるのが楽しみで、鏡を見るたび髪とか服をチェックして、待つ一分が一時間みたいに長くて、完璧じゃない瞬間に来られそうで焦る。あれも緊張だろ! 怖くない!」

まつみは口が滑る、自分ならかみこを説得できると思っていた。


「確認したい。あなたは女の子とデートしたことがある?」

かみこは女性の、素朴でまっすぐな声色で尋ねた。


まつみは固まり———しょんぼりとうつ伏せになった。

「ない…………」


「では助言。さっきの例は、相手に拒絶されるのが怖いだけ。」

かみこの一言が、まつみの心臓を撃ち抜いた。


「違う! これは愛だ! 愛、だ! 愛は緊張させるし、愛は興奮させるし、愛は……まあ何でもいい! とにかく不思議な感じなんだ。俺はギルドにも仲間にも愛がある!」

まつみはひらめいたように、かみこの弱点を突きにいく。


「愛。私が最も理解しにくい語。非合理と反論理の行動をすべて含む。例えば、傷つけるものを愛する。欠点のあるものを愛する。理解できない。」

かみこは眉を寄せた。


「かみこ……お前も男とデートしたことないだろ!」

まつみは下世話に笑い、少女の心事を突いた。


「いいえ。社畜とデートしている。」


「なにぃ?!」

まつみは胃の中で爆弾が炸裂したような衝撃を受け、魂が一瞬で灰になった。


「彼とは、ほぼ毎日一緒に歩いている。」

かみこは付け足す。


「ゲームの話だよな?! な?!」

まつみはかみこの腕を掴んで詰め寄った。


「うん。あなたが興奮したのは、オスとしての闘争本能の競争本能が刺激されたから?」


「ふぅ〜、びっくりした!」

まつみは冷や汗を拭い、そしてちらりとかみこを盗み見て、何でもないふりで訊いた。

「じゃあ……お前、独り身なの?」


「うん。」


「じゃあ……寂しくないの? 社畜以外、友達いないみたいだけど。」

まつみが訊いた。


「寂しさとは、一人でいる時に生じる負の感情を指す。今まで自分に負の感情が生じたと認識したことはない。私を悩ませるのは、理解できない事象だけ。」


「ふん、たぶん友情の楽しさを知らないんだな! これからは俺と一緒に冒険しようぜ!」

まつみは自信満々に笑った。


「意味不明な発言。」

かみこはまつみを見つめた。


淡い黄色の瞳には、不思議な引力があり、まつみの魂を引き寄せる。

まつみはその表情を───果てしない不安の中で救いを見出した感動───だと解釈した。


艶やかに反射する金髪がそよ風に揺れ、ほのかな少女の香りを放つ。

桜色で潤んだ唇に、思わず口づけたくなる。

まつみは恍惚とし、かみこに見入っていた。


「あなたが私の表情を真剣に分析しているのが煩わしい。質問があるなら答える。」

かみこは眉をひそめた。


「緊張してる?」

まつみは嬉しそうに訊いた。


「いいえ。あなたの行動が理解できないだけ。視線は非常に猥雑だが、笑顔は友好的。その二つを合理的に説明できない。」


「かみこ、俺とゲーム内デートしない?」

まつみは前髪を軽く払って、愛想よく訊いた。


「一緒に冒険し、レベルを上げるという意味なら反対しない。」


「違う~。もっと親密な関係。ゲームには夫婦とかあるだろ!」

まつみはかみこの手を握り、真剣に言った。


「念のため言っておく。私たちはどちらも女キャラ。社会的に一般的なデートとは異なる。さらにゲーム内デートでは対面、手をつなぐ、キス、性的関係は成立しない。そのようなデートに意味はある?」


「愛があればいいんだ。関係が安定したら現実で会えばいい。」

まつみは跪き、かみこの手に軽く口づけた。


「申し訳ない。デートには興味がない。」

かみこは手を振りほどいた。


【システムメッセージ: フレンド まつみ HPが20%になりました】


「まつみ!?!?」

ニフェトたちは驚いて駆け寄り、かみこの足元で倒れているまつみを見た。

「何があった!?」


「たぶん過負荷。効果は内出血。」

かなは怪訝そうにかみこを見る。


「少し休憩して、目を覚ましたらプラムスへ向かう。」

むぐち やよいは眉をひそめた。


かみこは倒れたまつみを見下ろし、冷たく言った。

「意味不明……」

……


翌日、Kanatheonの一行は大勢でプラムス西門をくぐり、中央尖塔庭園に立つ、精巧な黒い飛竜の銅像の前に集まった。


ニフェトが竜の爪に手を触れると、即座にメッセージが表示される。


【銀龍の刻印 vs Kanatheon:_____部屋のパスワードを入力してください】


「3349。」


一同は黒白の時空トンネルへ引きずり込まれた。


気づくと、巨大な楕円形の古代闘技場に立っていた。


周囲は完全な黒の虚空。

質感を持つのは中央の平地と、幾層にも重なる観客席だけだった。


まつみは地面のざらついた黄砂に手を伸ばした。感触は現実世界と変わらない。


統一された銀色装備――電球のように眩しく白く反射する銀龍の刻印の面々が対岸に並び、先頭には二人――アンドリアとノクスが立っている。


両陣営は同時に歩み寄り、闘技場の中央で横一列に並んだ。


「待たせたわね。」

アンドリアは自信満々に微笑む。


「そっちも、なかなか真面目に練習したみたいだな。」

むぐちは皮肉を返しつつ、隙を逃さず相手の編成を見極める。


「すぐに分かるわ~」


両隊の間に、白い光点が浮かび上がった。


【規則:最後の一人が生存している陣営の勝利。

ダンジョン内の全参加者のHPが0になっても消滅せず、戦闘不能状態で固定される。試合終了まで死亡はしない。

五本勝負・三本先取。両ギルドの会長は受諾するか】

白光からの幻音が響く。


「同意する。」

ニフェトとアンドリアが同時に答えた。


【準備時間に入る。フィールドには視界を制限する霧が発生する。

準備が整い次第、全参加者は挙手で合図し、その後30秒のカウントダウンに入る。準備開始。】


「アンドリア、まさか自分で出るつもりはないよな?」

むぐちが問う。


「安心して。私が出たら一撃で終わるわ。団体練習の意味がなくなるもの。」

アンドリアは嘲るように言った。


「結構。では、お手並み拝見といこうか。」

むぐちは冷笑を残して離れる。


両陣営は闘技場の両端に集まり、最終準備に入った。


「回復組も火力組も、それぞれの役割を果たせ。隣にいる仲間を信じ、指揮の判断を信じろ。三十人で一つの意思だ。いいな?」

むぐちが問いかける。


「了解!」

Kanatheonの面々が腕を振り上げて咆哮し、士気は最高潮に達した。


ゴォオオ――

霧の向こうから竜の咆哮が轟き、続いて銀龍の刻印の歓声が上がる。Kanatheonの緊張が一気に高まった。


「怖がるな! 五本勝負だ、負けても次がある!」

トリが腕を上げて叫び、空気を奮い立たせる。


「…………」

全員が青ざめ、パシュスが無言でトリの顔面を殴った。


「ははは! それでこそPVPの心構えだ。舞台を楽しめ、戦場で華麗に舞え!」

かなが高らかに笑う。


「おおっ!!!」

Kanatheonは再び声を合わせた。


全員が挙手し、開始を待つ。

……



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