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一緒に魔王を討伐しよう!  作者: 純白
一緒に魔王を討伐しよう!
6/23

5 かなの贈り物

*R18*に関わる内容は、別の場所で公開します。


四人は、ようやく新手の村の噴水前にたどり着いた。


「なんでさ~。かながいれば、どんどんレベル上げできるじゃん。」

まつみは地面に倒れ込み、息を切らしながら言う。


「私の魔法系スキル、クールタイムが三倍なの。」

かなは椅子に腰かけて答えた。


「三倍?! なんで?」


「今は一次転職の神職者だから。」


「はぁ~。強い人に引っ張ってもらって、一気に百レベルまで行けると思ったのに~。」

まつみは肩を落とす。


「落ち込むなよ。それに、仮にかなが俺たちを連れて狩りしてたら、本人はスキルを上げられないだろ。無理を言うもんじゃない。」

パシュスは冗談めかして言った。


「まこ、疲労値がもうすぐ上限だよ。このままだと歩けなくなる。宿で休まない?」

まこは背伸びをしながら提案する。


「さっき妖魔の首領を倒して、狼貨が二枚出たんだ。四人で分けよう。」

パシュスは、艶のある銀色の狼頭コインを二枚、手のひらに乗せた。


「装備も買わないとだし、ポーションも、スキルも必要でしょ! お金は無駄遣いできないよ。」

まつみは狼貨を弾いてから握りしめ、迷いの表情を浮かべる。


「はぁ……。」

三人は、同時にため息をついた。

...


「万能ポーション、もう二杯!」

まつみはイノシシの骨を吐き出し、空になった杯を掲げてメイドに声をかけた。


「かしこまりました、ご主人様。こちら、ご注文のアップル味スライムでございます。」

メイドは、淡い黄色のゼリーカップが並んだ皿を置いた。上には小さな紙傘が刺さっている。


「意外と見た目いいじゃん!」

まつみは鉄のスプーンを取り、ゼリーに突き刺した。


その瞬間、ゼリーがぴょんと跳ねて、テーブルの上に落ちた。

「わわわ! ゼリーが飛んだ!」


「大げさだな。」

パシュスは笑いながらフォークを手に取り、スライムに突き刺した。

しかしスライムは突然中空になり、フォークはドンと音を立ててテーブルに突き立つ。


「ちっ!」

パシュスはむきになり、フォークでテーブルをめった刺しにした。


「氷牢!」

まこがスライムをテーブルごと凍らせる。


「今だ!」

パシュスが叫んだ。


「やっと思い出した? 巨人の影の下で生きるってことを。」

顔を歪めたまつみは、哀れなスライムに邪悪な笑みを向ける。


大口を開け、凍ったスライムを丸ごと飲み込んだ。

スライムは必死にもがいたが、やがて噛み砕かれて二つに裂ける。

まつみは、氷のように滑らかで甘い味に衝撃を受けた。


「ちょーちょーちょーおいしい!」

まつみは口を大きく開け、残りのスライムも氷ごと噛み砕いた。


店内の客たちは、冷たい視線で彼女たちを見ている。


「いいよね? 美しいお嬢さん~、いいよね?」

まつみは突然かなの前に進み出て、片膝をついた。周囲がざわつく。


「な、なに?」

かなは顔を赤くし、緑のツインテールが余計に可愛らしさを引き立てる。


「質問はどうでもいい。知りたいのは答えだけ~。イエスかノー?」

まつみは紳士ぶって、かなの小さな手を取った。


「や、やめて、立って……。」

かなは慌てて、まつみの服を引っ張る。


「わ~、大胆なしょうた。かなと知り合ってまだ数時間で告白?」

まこが横で煽る。


「イエス! イエス! イエス!」

周囲の客たちが囃し立てる。


かなは俯き、頬が燃えるように熱くなった。


「美しくて、可愛くて、守ってあげたくなるお嬢さん~。もう一杯スライム奢ってくれない? 今度はブドウ味がいいな。」

まつみは芝居がかった仕草で言った。


――轟隆!!!!!!

大きな銅鐘を叩いたような衝撃音。


店は真っ二つに裂けた。


「PKだ! 殺人だ! 逃げろ!」

客たちは悲鳴を上げて散り散りに逃げ出す。


まつみは腰が抜け、動けずに固まった。


「ご主人様! ここはPVP不可ですが、建物は損壊します! それに、他のお客様が会計せずに逃げてしまいました!」

メイドは怒って叫ぶ。


「……ごめんなさい。弁償します。」

かなは拳を握り、席に座り直した。


「三十一狼貨です。」

メイドは頬を膨らませる。


「これで。お釣りはいらない。」

かなは金色の竜貨を差し出した。


「ちょ、待って! かな、それ竜貨だよ!」

パシュスはかなの手を押さえる。


「うん。」

かなは手の中の竜貨を見つめた。


「チップにしては多すぎるだろ……。」

パシュスは胸が痛む思いで竜貨を見る。


「よ、よろしいのですか、ご主人様?」

メイドは恐る恐る竜貨を受け取る。


「うん。代わりに情報をちょうだい。」

かなは言った。


「情報?」

三人が同時に首をかしげる。


「どのような情報をご所望ですか?」

メイドは微笑んだ。


「ここは初心者の村……。次の妖魔首領が出現する時間と場所を教えて。」

かなは静かに言う。


「二時間三十二分後、妖魔森林の東側、池の中央です。」

メイドはかなの耳元で囁いた。


「うん。十分。」

かなは満足そうに微笑んだ。


「ありがとうございました、ご主人様。」

メイドは深く一礼し、その場を去った。

...


四人は再び噴水池に集まっていた。


「見て見て!」

まこは黒いベレー帽を買い、紫のウェーブがかった髪に被せる。


「すごく可愛いよ、まこ。」

パシュスは笑って言った。


「おいまこ! 無駄遣いするなよ! 私たち一人五十羊貨しかないんだぞ。どうせなら実用的な装備を買えよ。」

まつみは鼻で笑う。


「大丈夫だよ~。前に髪飾りを買ったでしょ? そのおかげでお店のおばさんが値引きしてくれたの。」

まこは甘く笑い、ベレー帽をいじった。


「なに?! いくら安くなったんだ?!」

パシュスが食いつく。


「二羊貨~。」

まこはピースサインを作った。


ぷしゅ。

パシュスはその場で倒れた。


「たった二羊貨で何が割引だよ!!!」

まつみはまこに向かって叫ぶ。


「割引を侮らないことね。NPCとの好感度が上がるほど、割引率も上がる。それに、隠しクエストやアイテムが発生することもある。」

かなは淡々と言った。


「まこ……やっぱり天才だわ。」

まつみは真剣な顔で、まこの肩に手を置く。


「妖魔森林に戻ろう。」

かなが言った。


「え?! なんで?!」

三人が同時に声を上げる。


「私のスキルを上げるため。それから、妖魔首領が再湧きしたら黒雷で倒せばいいだけ。」


三人の目が一斉に輝いた。


「よし! 本大爺の主人公パワー、発動だ!!!」

まつみは村の出口の小道を指さし、呵呵と笑った。




更新は基本【毎日1話】。


さらに、

ブックマーク10増加ごとに1話追加、

感想10件ごとに1話追加します。


書き溜めは十分あります。

一緒にテンポよく、魔王討伐まで突っ走りましょう :)

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