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一緒に魔王を討伐しよう!  作者: 純白
第十三章―黒十字の仮面
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50 黒十字の仮面

その身体から金色の閃光が爆発し、黒い修道服の経文が赤へと染まる。

十字架からは血が噴き出す――処刑人の過負荷だ。


アサヤは十字架を地面へ叩き込み、聖域の衝撃波で全員を吹き飛ばした。


まこは衝撃で青銅の扉へ叩きつけられ、唇を噛み締めて声を殺す。

だが、アサヤは彼女を見逃さなかった。


十字架を振り上げ、振り下ろす。

「アーメン!!!!!!!!!!!!!!」


「まこ!!!!!!」

遠くへ投げ飛ばされたむぐち やよいが、喉が裂けるほど叫ぶ。


ゴオオオ――――


【システムメッセージ: フレンド 真子 HPが20%になりました】

【システムメッセージ: フレンド 真子 HPが0%になりました】


アサヤは土煙の山の中から立ち上がり、その場にいた全員が凍りついた。


「大丈夫! 護心石がある!」

ニフェトが叫ぶ。


一瞬で、全員の胸に燃え上がる怒り。


「まこは最後まで話し合おうとしてた……絶対に許さない」

パシュスは立ち上がり、アサヤを睨み据えた。


「アー……メン!!!」

アサヤが跳躍し、パシュスへ叩きつける。


パシュスは両腕で血の十字架を受け止め、二人の間に凄まじい風圧が弾けた。


むぐち やよいが即座に駆け込む。

異様なほど冷静で、振るう刃の一本一本が確実に命を奪う軌道だった。


もはや教会へ入る目的など忘れ、全員がまこの仇を討つため、狂ったようにアサヤへ群がる。


だが、過負荷状態の処刑人は桁違いの攻撃力を持ち、さらに神職者の受動加護も重なり、たった一人で小隊と互角に渡り合っていた。


「装備がいい赤ネームのパーティだな……相当金持ちだぞ」

「参戦する?」

「……行くか」


観戦していた青ネームたちが視線を交わし、武器に手を掛けた、その瞬間――


「業火!」「白の矢!」


二色の雷撃がアサヤを吹き飛ばし、彼はことのはの傍らへ転がった。


「まこ! もう戻ってきたのか?!」

パシュスが叫ぶ。


「すぐ隣が教会だもん」

ニフェトが言う。


「違う。護心石はまだある」

まこはきっぱりと言い、五人の前に立って、たった一人でアサヤに向き直った。


「そうだ……処刑人はプレイヤーを殺せない! 最初から、私たちは殺されない!」

むぐち やよいがはっと気づく。


「違う。過負荷は精神とスタミナに左右される。神職者の主能力は精神……長時間耐えられる」

ニフェトが冷静に補足した。


「でも、まこ……HPゼロなのに、傷がない」

パシュスは彼女の身体を確認しながら言う。


「私も変だと思う。HPは減るし、ゼロにもなった。でも傷は残らない。ただ……警告みたいな痛みだけがある」

まこは白い腕を見つめた。


「話は後だ! あの変態を先に倒せ! 青ネームがいつ割り込むかわからない!」

トリが焦って叫ぶ。


重傷のアサヤは片腕でことのはを抱き上げ、血の十字架を引きずるように振りながら、歪んだ笑みで歩み寄る。

「卑しい者ども……ここで――」


「天の罰…」


言葉を終える前に、白銀の巨剣が天から落ち、アサヤとことのはの身体を同時に貫いた。


アサヤは愕然と俯き、そこで初めて気づく。

いつの間にか、ことのはは黒いマントを身にまとっていた。


「……もう十分だよ。一緒に、このゲームを終わらせよう」

ことのははアサヤの首に腕を回し、微笑む。


「こ……ことのは……?」

アサヤの手から力が抜け、十字架が地面に落ちた。


「みんな……ゲーム、楽しんでね」

ことのはは最後に小隊を見つめ、かすかに手を振る。


二人の身体はゆっくりと光塵へと変わり、風に溶けて消えた。


周囲の青ネームたちは、何事もなかったかのように散っていく。

大聖堂の前に残ったのは、彼らだけだった。


「は、早く……中へ」

あまりに急な展開に誰も対応できず、むぐち やよいは仲間を引き寄せ、大聖堂へと押し込んだ。

...



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