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一緒に魔王を討伐しよう!  作者: 純白
第十一章-ダークエルフ
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38 エルフ、発見!

五人はグズ城東の黒い森に身を潜めていた――。


「まこ! 本当なの?!」

まつみは興奮し、地面から跳ね起きる。


「うん……。」

まこは歯切れ悪く答えた。


「くそぉぉ!!!」

まつみは拳を握り、天を仰いで叫ぶ。


「どうしたの?」

ニフェトが聞く。


「それ、レム攻略のルートじゃん!!! 逃した!!!」

まつみは地面を思い切り叩いた。


パシュスは、まつみを軽く蹴る。

「で、今からワスティン大聖堂に行く?」


「よく考えるとね。君たちはレベル150、私とまこは160。先にレベル上げをしたほうがいい。」

むぐち やよいは地図を指した。

「人が多いということは、それだけ危険だということよ。」


「でも、二人とも赤ネームだろ。」

パシュスは不安そうに言う。


「一緒にPK解放して、狩りで上げるのは?」

ニフェトが提案した。


四人はニフェトを見つめ、その言葉を真剣に言葉を噛み締めた。


「PK解放でレベル上げをすると、隠密の意味がなくなる。」

むぐち やよいは言う。

「敵は、モンスター討伐速度で私たちの戦力を測れる。」


「なら、高レベルマップで一気に上げるのは?」

ニフェトが続けた。

「攻城戦のデータだと、400人規模の均衡レベルは170。私たちはもう大半に追いついてる。」


「それはアリだ。」

むぐち やよいがうなずく。

「今の脅威はプレイヤー。人が少ないほど安全。」


「ここね。レベル190、森の中で主要ルートから外れてる。」

ニフェトはグズ城北東郊外の地図を指した。

そこには――「闇精霊の村」と記されていた。

……


森の小径を進むにつれ、木々の葉は次第に鮮やかな緑へと変わり、かすかに鳥や虫の声が聞こえ始める。

森全体が生命力に満ちていた。


やがて木立が疎らになり、陽光が差し込む。

視界が一気に開け、草地の向こうに黒木の家屋が集まった集落が現れた。


木屋の壁には白い浮き彫りが刻まれている。

何かの紋様、あるいはトーテムのようだった。


村の中央からは、焚き火の煙が立ち上っている。


「地図だと、この村の名前は?」

パシュスが尋ねる。


「闇精霊の村。」

ニフェトは地図を見て答えた。


「闇精霊って、普通のエルフと何が違うんだ?」

パシュスが興味深そうに聞く。


四人の視線が、むぐち やよいに集まる。


「知らない。」

むぐち やよいは不機嫌そうに言った。

「百科事典扱いしないで。」


「まずはNPCに聞き込みだね。」

ニフェトが提案する。

……


五人が村に近づくと、焦げた臭いが鼻を突いた。


まつみが小屋の窓に近づき、身を乗り出して中を覗く。

室内は荒れ果てていた。

本は床に散乱し、木の机は砕かれ、割れた食器がそこかしこに転がる。

壁には黒ずんだ液体の痕が残り、激しい争いがあったことを物語っていた。


「……なんだか、嫌な感じ。」

まこは恐怖をにじませながらも、召喚杖を強く握りしめ、前へ進む。


他の者たちも武器を抜き、警戒を強めた。


「盗賊の仕業かな。」

まつみは、人影のない村を見渡す。


「焚き火の場所を調べよう。」

むぐち やよいは、空へ立ち昇る黒煙を見上げた。

……


焚き火に近づくにつれ、家々の惨状はさらにひどくなる。


彼らは家屋の間を抜け、村の中央へと辿り着いた。

四角い広場――かつての村の中心だった場所だ。


「まこ、待って!」

パシュスが突然前に出て、進路を塞ぐ。


「これは……」

ニフェトは目の前の光景に言葉を失い、瞳に恐怖を宿す。


「ひどすぎる。」

むぐち やよいは眉をひそめた。


広場の脇には、無残な姿の黒い肌の遺体が積み上げられていた。

中央にあるのは焚き火ではなく、火葬台だった。


炎の中には、焼け焦げた四肢が見える。

不自然に歪んだ形から、生前に耐えがたい苦痛を受けたことが分かる。


黒い血が石畳の隙間を満たし、炎を反射していた。


遺体の銀色の長髪と尖った耳――

犠牲者がエルフであることは明らかだった。


まこは怯え、パシュスの背に隠れて視線を逸らす。


五人は足音を殺し、家屋に身を寄せながら火葬台を観察する。


その時、魔狼が伏せたまま前方を睨み、低く唸った。


五人のエルフが、火葬台の遺体を見下ろしていた。


彼女たちは虐殺された黒肌のエルフと同じ、銀の長髪と尖耳を持つ。

違いは、白い肌と、顔に描かれた黒い紋様だけだった。


白きエルフたちはそれぞれ武器を手にしている。

どうやら村の守衛らしい。


「近づく?」

ニフェトが小声で問う。


「唯一の手がかりだ。」

パシュスが答える。


「慎重に。」

むぐち やよいは二振りの刀を構えた。


五人は姿を現し、エルフたちと接触することを選んだ。


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