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一緒に魔王を討伐しよう!  作者: 純白
一緒に魔王を討伐しよう!
33/83

32 別れの時

「まつみって、本当に格好つけるのが好きだよな。あの時だって、かなにレベリング手伝ってもらってたじゃないか」

道中、パシュスは笑いながら言った。


「一応、私もちゃんと釣り役はやってたし、楽してたわけじゃないよ。危険な目にも遭ってるんだから!」

妖魔の森での日々を思い出し、今でも少し背筋が寒くなる。


四人は銀行の向かいにある市庁舎へ向かい、ベイル男爵を探して転職クエストを開始した。


「勇者よ。レベル120に到達したことを祝おう。二次転職が可能だ。各一次職には二つの二次職があり、それぞれの二次職からは二つの三次職が派生する。職業ごとに特色があり、スキル補正の属性も異なる。


進む道は慎重に選びなさい。


転職の際、転職官は個人的な質問をすることがある。その答えによって職業が決定されるため、プレイヤーが自由に選択できるわけではない。では、各自自分の导师を探すといい──場所は以下の通りだ……」

ベイル男爵はそう告げた。


「よし~、それぞれ転職だ! 終わったら庭園に集合な」

パシュスが言う。


「まこ、魔法アカデミーの場所が分からないよ」

まこはクエストマップを見つめ、困ったように言った。


「魔法アカデミーは聖白花教会の隣よ。一緒に行こう」

ニフェトが答える。


「早く出発しよう! 私は北の城外にある狩人村のキャンプだ」

まつみは待ちきれない様子だ。


「じゃあ、私はむぐちと……」

パシュスはそこで言葉に詰まった。


そうだった。むぐち やよいはすでにパーティーを抜けており、四人はまだ慣れていない。


「よし、一時間後に庭園集合で。ゲーム内の秘匿ワードは伝書鳩システムで、一対一しか送れないし、距離で受信が遅れる。面倒だから、時間厳守で頼むぞ」

パシュスが念を押す。


「うん!」

四人はそれぞれ転職へと向かった。


ニフェトはゴシック様式の大聖堂に足を踏み入れた。

色鮮やかなステンドグラスには、真神ラロが天地を開き、魔王を討って世界を救う物語が描かれている。


「ニフェト。神職者は生涯を唯一の真神──ラロに捧げる。御名のもとに弱き者を救い、世の罪を裁く。我らは地上におけるその代理として、人々を救済へ導く存在だ。その覚悟はあるか?」

枢機卿が問いかける。


「盲目的に殺戮の命令に従うことも含まれますか? それが、教廷に対する私の唯一の不満です」

ニフェトは問い返した。


「神職者は生涯を捧げ……その覚悟はあるか?」

枢機卿は繰り返す。


「あります」

ニフェトは半ば諦めたように答えた。


「ニフェト。我は枢機卿団を代表し、ここに宣言する。汝は正式に教廷の一員──神官となった」

聖卓から銀白の祭服を取り上げ、ニフェトに手渡した。


満足げにそれを受け取り、青と金で織られた精緻な文様をそっと撫でる。


まこは魔法アカデミーの内部に入った。


三方の壁はびっしりと古書で埋め尽くされ、机の上には精巧な銀器と、青や紫に揺れる液体が並ぶ。多くの者が黙々と書を読み、雰囲気はまるで大学の図書館のようだ。


「まこ。魔導士は知識と知恵によってムー大陸を前進させる。旧世界の限界を試し、新たな領域を切り開く。我らは太古の神秘──魔法を継承し、その知を生活に活かして現状を変える。その自信はあるか?」

協会長が問いかけた。


「えっと……召喚師の選択肢はありますか? 本を読むのはあまり得意じゃなくて」

まこは照れくさそうに答えた。


「あります。こちらへ」

協会長はまこを地下へ案内し、正方形の密室へ連れて行った。三方の壁には、それぞれ鉄の扉がある。


「召喚獣は慎重に選びなさい。しばらくの間、その存在と共に成長することになります。他の魔物を召喚できるようになるまで、です」

協会長はそう告げた。


「わあ~、ペットみたい!」

まこは目を輝かせ、最初の扉に駆け寄る。小さなドラゴンや亀のような、可愛い精霊を期待していた。


手を触れた瞬間、鉄の扉は透明に変わった。


最初の扉の中には、白いオウムがいた。飛ぶたびに、光の粉を尾のように残す。

「霊鳥──スキルの効果範囲を拡張し、回復を行う」


二つ目の扉の中には、緑色の一角獣。

「角獣──身を守り、敵に突進して行動の時間を稼ぐ」


三つ目の扉の中には、黒紅色の魔狼。

「火牙──魔法威力を強化し、敵を喰らう」


オウムを選べば、魔法の扱いは格段に楽になる。

一角獣なら、仲間を直接守れる。

魔狼は、純粋に攻撃力を高めるだけ。


「うーん……どれがいいんだろう」

まこは悩んだ。


「魔法威力……力……敵を喰らう……」

その三つの言葉が、不意に強く心を引いた。


静かに魔狼を見つめる。

だが、その姿は好きになれなかった。


低く唸る声に、恐怖と嫌悪を覚える。

視線を避けたくなるほどだったが、無理やり目を逸らさず向き合った。


「まこ、決まったかい?」

協会長が尋ねる。


「……うん。魔狼にする」

冷静に言い切った。


「これは初級召喚杖だ。先端の穴に召喚霊石を嵌めれば、魔物を呼び出せる」

召喚の杖と霊石を手渡した。

……


まつみは狩人村のキャンプに到着した。周囲には数軒の草葺き小屋があるだけで、正面には広い射的場が広がっている。


「転職か?」

革鎧に身を包み、長弓を背負った獵人が声をかけた。


「うん! 私は——」

元気よく名乗ろうとする。


「名前なんてどうでもいい! 青い敵を倒せ」

乱暴に遮られ、射的場へ転送された。遥か彼方には、青い布を被せた藁人形が立っている。


怒りが込み上げ、弓を引き絞る。


「おい! こんな距離、当たるわけないでしょ!?」

苛立ちをぶつけた。


「名前なんてどうでもいい! 青い敵を倒せ」

獵人は同じ言葉を繰り返す。


ちっ……。

呼吸を整えようとした、その時。近くの草束の脇に、倒れて青布を被った藁人形があるのに気づいた。

「倒れてても……青は青だよね。えへへ」


狙いを定めようとした瞬間、右隣にいた獵人が突如ナイフを振り下ろす。

彼の革鎧は、青い布の服へと変わっていた。


驚いて身をかわし、小刀を抜いて胸元へ突き立てる。


刃が布に刺さった瞬間、身体が急に動かなくなり、その場で硬直した。


「いいね~、アサシンだ」

獵人は、模様の刻まれた銀の短剣を足元に放り投げ、何事もなかったかのように小屋へ戻っていった。


動けるようになり、呆然と短剣を拾い上げる。

ステータスを確認すると、アサシンに転職していた。


「私の出番は?」

呆気に取られたまま、短剣を手に王都へと戻っていった。






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