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一緒に魔王を討伐しよう!  作者: 純白
第三十五章—鏡幻の迷宮
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179 幻影の舞踏

「この数……!?」ニフェトは、自分たちがすでに分身に包囲されていることに気づき、息を呑む。


「私の鏡体総量の139%。」かみこは即座に双方の差を計算した。


まつみは唾を飲み込み、無数の美しい柑柑たちの間を視線がさまよう。戦意が一瞬で萎えていく。


柑柑たちは一斉に詠唱を開始した。白い魔法陣が全方位から三人を包み込み、回避の余地はない。


「白の矢!」


視界が真っ白に染まる――――――


ドンッ!!


全身を強烈な拳で殴られたような衝撃が走り、星が散る視界の中で、どうにか踏みとどまる。


「重みがない……。」かみこは頭を振って意識を取り戻し、視線を再び焦点に合わせた。


「気をつけて!」ニフェトが叫ぶ。


数百の紫の小球がゆっくり三人へ漂ってくる――――二十体以上の柑柑が同時に幻音を振り、魅了弾を撃ち放った。


かみこの鏡の盾はピンボールのように上下へ跳ね回り、紫の光球を次々と弾き返す。


彼女は一人で三十枚以上の鏡の盾を操り、魅了弾を正確に反射していった。


「あり得ない! 何よその演算速度!?」柑柑は愕然とする。


かみこが完璧に防ぎきるのを見て、慌てて攻撃の回転数を上げた。


かみこは紫の光球を一方向へ集中して反射する。速度差によって、それらは一つの巨大な光球へと収束した。


「全内反射。」かみこが指を鳴らすと、小さな鏡の盾が集まり弧状の大鏡となり、バンッとラケットのように紫光球を打ち返す。


紫光球は紫の砲撃となり、壁にいた五体の柑柑へと一直線に突き進んだ。


「鏡像反射!」本来直撃するはずだった柑柑たちは突如変形し、合体して三角プリズムとなり、かみこの紫砲を別の柑柑の群れの前へ屈折させた。


「鏡像反射!」

「鏡像反射!」

「鏡像反射!」

「鏡像反射!」

「鏡像反射!」

「鏡像反射!」


すべての柑柑が鏡盾へと変じ、紫砲を連続反射する。反射されるたびにわずかに加速し、ついには高速で回転する光環となって壁沿いを飛び回り始めた。


かみこの額に青筋が浮かぶ。紫砲の速度は、すでに彼女の計算限界を超えていた。


「位相シフト。」ニフェトの背後に、突如一枚の鏡盾が現れる。


「まずい!」三人が同時に振り向いたが、もう遅かった。


シュウ……紫砲は異様なほど静かだった。


紫の光線がニフェトの身体を貫き、まつみとかみこの間を抜けて飛び去る。


「ニフェト!!!」まつみは崩れ落ちる彼女の身体を抱きとめた。


「天の罰。」


その言葉を聞いた瞬間、かみこはまつみを引き離す。黄金の巨大な剣が天から突き刺さり、まつみのいた位置を真っ二つにしかけた。


「なに……!?」まつみは顔色を変える。


「鏡像反射を経たことで、効果時間まで延びた……」かみこは険しい表情でニフェトを見つめた。


ニフェトはゆっくり顔を上げる。淡い青の瞳に、桃色の光環が浮かび上がる……

【状態異常 精神汚染 28:17:00】


まつみはその状態表示を呆然と見つめ、頭の中が真っ白になった。


「伝説杖‧幻音の通常攻撃は低確率で魅惑付与。鏡像師との相性は最高なのよ~。ディベルに教わった技、本当に使えるわ。」柑柑は唇を舐めて笑う。


「ニフェト!」まつみは必死に彼女の意志を呼び戻そうとする。


「まつみ、無駄よ。ニフェトは司教の浄化を受けるか、柑柑を倒さない限り精神汚染は解除できない。」かみこは眉をひそめた。


「博学の聖賢。」ニフェトは神杖を掲げ、柑柑たちに祝福を与える。全員の魔法ダメージが上昇した。


壁の窪みからすべての柑柑が飛び降り、まつみとかみこを重々しく包囲する。


二人は背中を合わせ、軽々しく動けずに身構えた。


「本当なら、あなたたちを殺す前に決め台詞でも言うべきなんでしょうけど、思いつかないのよね。だから――さっさと終わらせましょう。」柑柑は舌なめずりして嗤う。


五体の柑柑が一斉に飛びかかり、幻音を振り上げて二人へ打ち込む。


「氷牢。」「白の矢。」「黒雷!」


円形ホールは一瞬でレーザー射撃場と化し、押し寄せる魔法の雨が中央のまつみとかみこへ降り注ぐ。


数は圧倒的に劣勢。だが、二人の戦い慣れた眼差しに恐れはない。鋭く敵を見据え、言葉を交わさずとも同時に動いた。


まつみは攻撃に全神経を集中し、柑柑の鏡体を一つずつ撃破していく。かみこは防御に専念し、不意に敵の魔法を反射する。


二人はまるで異なる身体に宿る一つの魂のように、敵の群れの中で舞い続けた。


対して人数で優位に立ち、さらにニフェトの支援まで得ている柑柑は、どうしても彼女たちを一気に崩せない。戦況は拮抗したままだ。


魔法には魔法、体術には体術。二人の連携は、柑柑が単独で操る鏡体よりもはるかに息が合っていた。


まつみは左右へすり抜け、蛇のように柑柑たちの人垣を縫うように進む。突如ぴたりと止まり、振り向いて引き寄せた。


「影縛術!」


数体の柑柑が束ねられ、かみこの黒雷で粉砕される。


「ハッ!」円形空間の柑柑たちが一斉に笑う。闇の中で数十の魔眼が瞬いた。


二体の鏡体がこっそりまつみの背後へ回り込み、光を放って自爆の構えを取る。


まつみは落ち着き払って迎え撃とうとしたが、ふとニフェトが操られていることを思い出す。今は自分を蘇生できる者がいない――。


「ちょ、ちょっと待って!!!」恐怖のあまり腰を抜かし、両手を突き出して柑柑を制止しようとする。


「私と合体しましょう~」左右の美女が同時に飛びかかる。


「位相シフト。」


黒いマントを翻したかみこが、巨大な銀盾を掲げてまつみの前に現れ、そのまま自爆分身へ体当たりした。


「同質消去!」


まず一部の銀盾で一体目を相殺し、残った鏡盾で柑柑の自爆を真正面から受け止める。


ドォン!! 円形空間は銀色の鏡片で埋め尽くされ、まるで銀河の星団の中にいるかのような幻想的な光景が広がった。


「かみこ!!!」まつみは我に返り、煙と爆風の渦へ飛び込んで彼女を探す。


足元の柔らかいものにつまずく。それは血まみれのかみこだった。


防具は激しく損傷し、破れた箇所から雪のような肌が露出している。


慌てて抱き起こした瞬間、右腕がないことに気づいた。爆発で吹き飛ばされていた。


「ゴホッ……問題ない。」かみこは乾いた咳をし、何事もないように立ち上がる。



皆様、素敵な週末をお過ごしくださいね。 (ღ˘⌣˘ღ)

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