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一緒に魔王を討伐しよう!  作者: 純白
第三十五章—鏡幻の迷宮
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176 鏡幻の迷宮

【密信 ニフェト:待ち伏せされた。主力は正門を死守中。地下牢に入ったのは私とかみこだけ。───5分前】


「まつみ……あなたも地下牢へ向かって。」むぐちはメッセージを読み終え、ため息をついて言った。


「一人で対応できるの?」まつみは心配そうに尋ねる。


「外の正門はレックスが守ってる。問題ないわ。」


二人は薄暗い小部屋の中にいた。室内は腰の高さほどの綿で埋め尽くされている。


まつみが扉の隙間を押し開けて飛び出すと、小屋の中の綿が一気に大通りへと溢れ出した。


「始末できたのか?」レックスは扉を閉めながら、地面に散らばる綿を見て驚いたように尋ねる。


「はぁ~まだよ。私は外に出て援護する。むぐちをちゃんと守ってね。」まつみは眉をひそめて言った。王選のとき、レックスが怯んだ場面をまだ覚えている。


「ただのPVPだ。俺はまだ一度も負けてない。」レックスは原罪を担ぎ、笑った。


まつみは黒煙へと姿を変え、炎に赤く染まる黒真珠の街道へ突入し、夢の唇のギルドホールへ向かって疾走した。

……


「酒杯……ここだ!」

ニフェトとかみこは夢の唇ギルドホールに到着した。情報どおり、隅に掛けられた空の油杯が描かれた油絵を見つける。


事前に集めた情報に従い、二人は掛け絵にHP回復ポーションを一本ぶちまけた。


水分を吸った画布の右下に、暗証番号入力パネルが浮かび上がる。


二人は0010と入力した。


ゴゴ……足元の石床が突然沈み込み、地下へと続く螺旋階段が現れた。


「準備して……行くよ……」ニフェトは枢機卿の探知スキルを発動する。肩の上に浮かぶ小さな銀の炎は、いまや照明代わりだ。


慎重に階段を下り、長い通路へとたどり着く───地下牢迷宮の入口だ。前方には三本の薄暗い松明だけがあり、両側の石壁をかろうじて照らしている。その先には、最初の分岐路。


ニフェトは焦りを滲ませ、大股で迷宮へ踏み込もうとした。かみこがすぐ肩を掴んで引き止める。

「罠と伏兵に気をつけて。」


「むぐちの話じゃ、兵力はギルドホールの外に集中させてるはずよ。ギルドの礎石付近で戦闘を起こさないために。地下牢に伏兵なんてないはずじゃない?」ニフェトは問い返す。


「……勘よ、ただの。」かみこは眉を寄せて言った。地下牢に入ってから、ずっと胸騒ぎがしている。


かみこが直感で動いていると知り、ニフェトは思わず呆れてしまった。

……


最初の分岐路。左側の空間は墨のような闇に沈み、右の細道はすぐに折れ曲がって、さらに奥深くへと誘っている。


「こっちよ~」左側から柑柑の妖艶な笑い声が響いた。


ニフェトは即座に魔力盾を展開する。


「溶岩術!」巨大な火球が、なんと右側から二人へ襲いかかった。


「鏡像反射。」かみこは間一髪で鏡の盾を召喚し、火球を天井へ弾き返す。通路を破壊されれば進めなくなるからだ。


ドゴォン……砕けた石がサラサラと降り注ぐ。


「行く。」かみこはゆっくりと左側の空間へ踏み入れた。


「どうして左? ゆっくり探索してる時間なんてないよ!」ニフェトは聖杖を握りしめて問う。


「この迷宮は領土設定の関係で、地上の建物の面積より広くはできない。最速なら三十分で踏破できる。だからこそ、彼女は焦って私たちを攻撃してきた。」かみこはそう言いながら、警戒の目で前方を睨み続けた。


彼女たちは一本のまっすぐな通路へと進んだ。この構造は明らかに、二人を待ち受ける罠だ。


かみこは床の石畳と壁面を注意深く観察する。

「そのブロック——」


「黒雷。」突如、背後から誰かが奇襲を仕掛けてきた。


「位相シフト。」かみこはほぼ同時にスキルを発動し、黒雷を反射する。


「位……位相シフト!」闇の奥から柑柑の焦った詠唱が響いた。


ドォン――黒雷は再び跳ね返る。二度の反射で異常なほど灼熱を帯び、通過した壁を焼き裂いていく。


ニフェトは神杖を掲げて黒雷を受け止めようとした。だが、かみこが突然その手を押さえ、冷たい目で迫り来る黒雷を見つめる。


ゴォォン――


黒雷は二人のすぐ脇を通り抜け、壁を直撃した……柑柑が狙いを外したのだ。


「……え? マジで?」ニフェトは思わず嘲るように笑った。


「水波律動!」前方から轟音が迫る。すぐに水の生臭さが鼻を突き、細かな水飛沫が頬に当たる――腰まである激流の水波が、トンネルを埋め尽くして押し寄せてきた。


「聖域!」ニフェトは防護結界を展開し、洪水を受け止める。


凄まじい衝撃で結界ごと数メートル押し戻され、神杖が削れかけた。


「雷導術!」閃光が走る。柑柑は遠距離から電撃を放ち、水流を媒介にして空間越しに二人を攻撃してきた。


「氷牢!」「重力歪曲!」


かみこは危機一髪で周囲の流水を凍らせて氷の盾を作り出し、さらに魔法で宙に浮く。二人はまるで川面に流れる花弁のように、水流に運ばれていった。


ドンッ!


壁に叩きつけられ、氷盾は砕け散る。すぐに再び激流に巻き込まれ、荒れ狂う水の中で鋭い瓦礫が次々と身体をかすめていく。


「ゲホッ……ゴホッ!」泳げないニフェトは何度も水を吸い込み、必死に壁へ手を伸ばす。指先を血に染めても身体を止められない。だが混乱の中、かみこがその手を掴み、自分の側へ引き寄せた。


二人はもつれ合うようにして、そのまま四角い空間へと流れ込む。溜まっていた水も四隅へと引いていった。


ニフェトは泥水を何度も吐き出し、かみこは立ち上がって指で金髪を整える。


「なんて卑劣なギミック……ここは……待って!」ニフェトは神杖を支えに立ち上がる。だがこの部屋には入口がない。前後左右、すべてが分厚い煉瓦壁だ。

「さっきどこから入ってきたの?!」


かみこの肩には小さな白い鳥が止まっている。メッセージを確認した後も何も言わず、周囲の気配を警戒していた。


柑柑が煉瓦壁の上方にある窪みに現れる。その場所は一人分しか入れない、まさに彼女専用の配置だった。

「フフフ……ネズミを捕まえたわ。」



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