151 魔の都・霊殺しの源郷
攻城戦の最終日。Kanatheonはヴィニフ宮殿へ、銀龍の刻印はグズの城へと帰還した。両ギルド共に、二本目となる城主の金鍵を手にするための準備は万端だった。
プレイヤーたちは五角広場で歌い踊り、思いきり大騒ぎしていた。
きらめく花火が、崩れたヴィニフ宮殿の遺跡の上で咲き散る。
【第三回王都戦争はまもなく終了。直後よりPVPを24時間禁止する。各プレイヤーは注意せよ。5~4~3~2~1~】
空中に、黒白の太い横縞のボディスーツを着た、金の巻き髪の女性が浮かび上がる――大GMだ。
【システムメッセージ: 第三回 王都戦争 完結】
【ヴィニフ宮殿 特別戦報──
攻城側の参戦ギルドは二つ、総人数は132名、戦死46名。
最終的にギルドKanatheonがヴィニフ宮殿の支配権を獲得。おめでとう、おめでとう。
ムー大陸 各首都の戦報:
プラムス中央要塞──防衛成功、銀龍の刻印ギルドが支配。
ハググ──防衛成功、Kanatheonギルドが支配。
ヴィニフ宮殿──防衛失敗、0日19時間前にKanatheonギルドが支配。
グズ湿台──防衛失敗、02日23時間前に銀龍の刻印ギルドが支配。
ヴィニフ宮殿戦役に参加した全プレイヤーは、追加経験値ボーナスと竜貨500を獲得。
さらにギルドKanatheonは二つ目の首都を支配したため、第二のギルドの礎石の権限を永久解放。つまり、同時に二つのギルドホールを持てる。たとえ首都を一つ失っても、この設定は影響を受けない。
今後の冒険でも引き続き素晴らしい活躍を期待する。それでは、また】
大GMは皆に手を振り、光の影となって消えた。
【システムメッセージ: ギルドの礎石×1 獲得】
王座の高台に、色彩の魔法陣が浮かび上がる。
ニフェトは待ちきれず、二つ目のギルドの礎石を魔法陣の黒い欠け穴へ押し込んだ。
銀の羽根をまとった巨大な鍵が、魔法陣から浮上する――ヴィニフの鍵。
ニフェトが銀鍵を片手で掴むと、魔法陣から一陣のあたたかい風が吹き、宮殿全体がリフレッシュされて、かつての光に満ちた聖なる姿へ戻っていった。
人々は再び歓声を上げ、拍手があちこちで鳴り響く。
……
プラムス ギルドホール――――
そこに集まったKanatheonと銀龍の刻印の幹部たちは、ついに最終の儀式へと取り掛かった。
むぐちは金属のハググの鍵、ニフェトは柔らかなヴィニフの鍵、アンドリアは金製のプラムスの鍵、ノクスは木製のグズの鍵を握っている。
四人は慎重に、城主の金鍵を組み合わせていく。
部屋は死んだように静まり返り、皆が奇跡を待っていた。
四色の鍵が近づいた瞬間、互いに強い磁力を放ち、バンッと音を立てて貼り付いた。
薄暗い小部屋が、太陽みたいな眩い光で弾ける――。
白い巻物が聖光に照らされながら、空中からゆっくりと、中央の小さな木机へ降りてきた。
金の紐で縛られ、赤い蝋の一滴で封がされている。
いまだ誰一人、開いたことがない。
皆が息を呑む。四人のギルド首領は顔を見合わせた――誰が、この巻物を開く資格を持つ?
アンドリアは肩をすくめ、手を伸ばして丁寧に金紐をほどき、ゆっくりと巻物を机の上で広げた。
「これは……ふん!」アンドリアはすぐに、自信たっぷりの笑みを浮かべた。
「来た。」むぐちは巻物を見つめた。
それはムー大陸の全景図。ゲーム内で唯一、システムが提供する地図だった。
上にはすべての王都と周囲の村の名前が描かれており、隠されたイベント地点までも一目で分かる。
ムー大陸は東・南・西の三方を海に囲まれ、北端には険しい嘆きの山脈がそびえ立ち、世界の境界を成していた。
そして極北の地――幽語の森を越え、嘆きの山脈を越えた先に、ひとつの大きな黒い点があった。
全員の視線が、その黒点に止まる。
【システムメッセージ: 魔の都・霊殺しの源郷 の地図を獲得】
「魔王の城……最後の王都か……」ニフェトは黒点を指でなぞりながら考え込んだ。
「なるほどな。ハイエルフが最初に腐敗した種族だった理由が分かった……魔王はずっと北にいたんだ。」ノクスはエルフ堕落の原因を推測する。
「待て……王都戦争終了の戦報には魔王の城が含まれていない。つまり王都戦争のルールは、あそこには適用されない可能性が高い。なら、いつでも攻められる。」むぐちは言った。
「細かいことはいい! さっさと落としてムー大陸の覇者になろうじゃないか!」アンドリアは黒点を指さし、大声で叫んだ。
「落ち着け。最低でも数週間は必要だ。ハググの再建とヴィニフ宮殿の発展がある。それにプラムスとハググの間に、新興のプレイヤー勢力が闇銀行を売りにして大量のプレイヤー資金を集めている。魔王討伐へ向かう前に、この問題を解決しないといけない。」むぐちはアンドリアに釘を刺した。
皆は第二王都を落とした喜びを忘れ、地図の黒点を見つめて表情を曇らせた。
ついに――魔王が手の届く距離まで近づいたのだ。
……




