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一緒に魔王を討伐しよう!  作者: 純白
第三十一章—決戦の玉座
148/195

147 「去れ、敗者」

まこはすぐにケルベロスを召喚し、玄氷の大剣を構えた。


「戦うときは心を澄ませ、直感で動け。考えすぎは自信を削って、主導権を相手に渡すだけだ」荒道一狼の教えが、耳の奥で蘇る……。


「炎……」まこがスキルを放とうとした瞬間、蕾の周りに銀花の旋風が巻き起こった。


「魔獣使いは召喚獣が戦いの核。ならば、その自信を折る」蕾が静かに言うと、傍らに銀白のカマキリが現れた。両腕には、鋼のように鋭い鋸刃。


白いカマキリは身を左右に揺らし、背の桃色の翅をぱちぱちと鳴らす。


「炎牙!」まこは思考を止め、即座に仕掛けた。


ケルベロスが灼熱の口を開き、白いカマキリへ飛びかかる。


白いカマキリは横へ跳ね、頭を小刻みに振りながら、鋸腕を軽く挟んでは火花を散らした。


ケルベロスが猛攻を続け、白いカマキリはひたすら回避する。まこは状況を見てケルベロスに雷速を付与し、ようやく追いついて何度も虫脚に噛みつかせた。だが、逃げに徹していた白いカマキリが突然反撃し、ケルベロスの背を裂いた。


蕾は舞台の縁に立ったまま、白いカマキリの戦いを静かに眺めるだけで、参戦する気配はない。


召喚獣同士が揉み合う最中――


「うおおっ!」まこが奮然と吼え、なりふり構わず蕾へ突進し、舞台から突き落とそうとした。


蕾は意図を即座に見抜き、六翼天使の翼をひらくと、その場からふっと消えた。


まこのうなじが、ぞくりと冷える。次の瞬間、蕾の巨神剣の切っ先が、喉元に正確に当てられていた。


「最終警告だ」蕾は厳しく告げ、ゆっくりと巨剣を引く。


「ご……ごめんなさい」まこは手のひらに汗をにじませ、慌ててうなずく。じりじり後退し、再び召喚獣の戦いへ意識を戻した。


白いカマキリは虫脚を三本も噛み千切られ、体が大きく左に傾いてバランスが崩れている。だが喜べなかった。ケルベロスは頭が一つしか残っておらず、残り二つはきれいに斬り落とされていたのだ。


白いカマキリは狼の頭を鋏で挟み、小さな口でくちゃくちゃと咀嚼している。白い顔の半分は赤に染まり、まるで不気味な道化の笑みを貼り付けたようだった。


補給を終えると、虫脚が再生し、体力も全快する。


まこはすぐに雪霊兎へ切り替えた。


白いカマキリはまた身を左右に揺らし、丸い目で雪霊兎をじっと見据えた。


まこは胸の内がざわつき、この狭い舞台で雪霊兎がどう戦えるのか分からずにいた。


白いカマキリが突然行動パターンを変え、自ら雪霊兎へ斬りかかった。


雪霊兎に近接戦闘能力はない。ただ回避するしかない。


まこは白いカマキリの体の揺れのリズムを集中して追い、軸足を入れ替える瞬間を見極めて叫ぶ。

「反動衝撃!!!」


雪霊兎は四肢をモーターのように回転させ、全速で体当たりした。


白いカマキリは慌てて横へ跳ぶが、ちょうど重心を入れ替える最中だったため、別の虫脚に引っかかり、地面へ倒れ込む。


ドンッ。


直撃。雪霊兎と白いカマキリは、同時に舞台から転落した。


「しまった、カマキリは軽いんだった!」まこは後悔しつつ、重傷の魔狼を呼び出し、蕾へ向き直る。

「あなたの召喚獣は倒した。それで?」


「そうか?」蕾が冷ややかに言う。


その時、白いカマキリが桃色の翅を広げ、飛んで舞台へ戻ってきた。


「まずい!」飛行能力を失念していたことに、まこは愕然とする。


ザシュッ。白いカマキリの一閃が、魔狼の最後の頭を断ち落とした。


「去れ、敗者」蕾は退屈そうに瞬きをする。


【システムメッセージ: 王権競技 参加済み 4/15】


「待って! まだ他の召喚獣がいる!」まこは慌ててリストを開く。


「王は何度も同じ過ちを犯さぬ。王たる者は己だけでなく、他者にも責任を負う存在だ。去れ」


その言葉はまこの急所を突いた。肩を落とし、振り返って去っていく。


「名を名乗れ」


「パシュス」


「プレイヤー パシュス。守魂衛。

殺戮数:44人。

キャラ自己紹介:俺の彼女はどこにいる?

生涯の35%をギルド業務に、23%をギルド活動に費やす。

所持称号:

【魂を揺るがす者】四次転職報酬。

【身を挺した守護者】第三者プレイヤーを守るため、PvPで過負荷。

あなたは平均型プレイヤー。

汝、何をもって王となる?」


「おれは……」パシュスは言葉に詰まる。本当は、かみこ、むぐち、かな、ニフェトが蕾のギミックを考える時間を稼ぐために出てきただけだなどと言えるはずがなかった。


彼女たちは同時に悟っていた。蕾は神に近い存在であり、プレイヤーが正面から勝てる相手ではない。連合軍は何か決定的な手がかりを見落としている。


「却下。人生の意味も持たぬ鼠が王を語るな。消えろ!」蕾が怒声を放つと、見えない衝撃に弾き飛ばされ、パシュスは十数メートル下の階段へ叩きつけられ重傷を負った。


【システムメッセージ: 王権競技 参加済み 5/15】


「十五回を使い切れば、この城の者を皆殺しにする。これほど人数がいて、私より優れた者はいないのか? エルフを率いて魔王を討ち、三つの首都を陥としたこの女王より、誰がエルフを統べるに相応しい?」蕾は激昂する。


「…………」かみこは目を細め、蕾の言葉を噛みしめる。

……


【システムメッセージ: 王権競技 参加済み 6/15】

【システムメッセージ: 王権競技 参加済み 7/15】


まつみと、銀龍の刻印の騎兵がそれぞれ蕾へ挑むが、いずれも選王への参加を拒否された。


聖火の輪はすでに四分の一を侵食し、地上のプレイヤーは密集し始める。


八人目の挑戦者が階段を上る。


「名を名乗れ」蕾が言う。


「むぐち やよい」むぐちは深く息を吸い、荒ぶる鼓動を鎮めた。


「プレイヤー 六口弥生。血魔。

殺戮数:361人。

キャラ自己紹介:意味のある一言。

生涯の48%をギルド業務に、25%を王都戦争に費やす。

所持称号:

【目隠しの正義女神】首都法による裁定を執行。

【百人の首都総務】24時間連続で首都に駐在。

【百花繚乱】500件のフレンド申請を受領。

【心砕き】100件のフレンド申請を拒否。

あなたは比類なき戦略家であり、多くのプレイヤーに崇拝されている。

挑戦を受理する」蕾はむぐち やよいのデータを読み終えると、即座に受諾した。


蕾が大剣を掲げた瞬間、むぐちは両手を伸ばして制する。

「待って。選王の内容を指定してもいい?」


「言え」蕾は大剣を収め、血の瞳でむぐち やよいを見据える。


「外交について議論したい」むぐちは一語一語を選び、蕾に確実に伝わるよう告げた。


「外交―自分以外の勢力と意思を交わすこと。小は隊伍、大は同盟。何を論じる?」蕾は腕を組んで問う。


「私の戦闘力は女皇陛下に及ばない。でも戦場で遭遇すれば、あなたを完膚なきまでに叩きのめせると断言する」むぐちは大胆に先手を取り、言葉で鋭い一撃を放った。


【システムメッセージ: 精霊白の女皇 蕾 あなたの発言に興味を示した】



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