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一緒に魔王を討伐しよう!  作者: 純白
第三十章—聖白の女皇
144/196

143 聖白の女皇

「出発! ヴィニフ宮殿へ進軍!」

アンドリアが声を張り上げる。


連合軍は軽やかな足取りで、白き聖城へと駆け出した。


数百メートル先、城壁に埋め込まれた七色の宝石が星のように瞬く。腹を空かせた者たちは、城内の財宝を今にも飲み込みそうな勢いだった。


ヴィニフ宮殿が全貌を現す。五芒星の建築で、五つの城門はそれぞれ城壁の角に設けられている。壁面にはラロ創世神話とハイエルフの歴史が刻まれ、まるで芸術品のような威容を誇っていた。


城門は開かれ、城壁にも守備兵の姿はない。


アンドリアは再び伏兵を警戒し、飛竜に乗って上空から一周する。敵影は見えない。ただ中央広場に、サヴァンス大天使長が静かに立っているだけだった。


連合軍は入城を決断する。


一歩踏み入れた瞬間、鼻腔をくすぐる淡い花の香り。


正面には、純白の大理石の道がまっすぐ中央へ伸びていた。


両脇の芝生には低木がびっしりと植えられ、その葉は雪片のように純白で、道を白く覆っている。


空中には銀花が浮かび、月光に照らされて淡い蒼を帯びる。ヴィニフ宮殿はまるで御伽噺の世界のように幻想的だった。


「タリン、ヴィニフ宮殿を説明してくれ」

むぐちは目の前の光景に見惚れながら問う。


「ヴィニフ宮殿は、ラロ創世神が自ら建てたと伝えられています。精霊族を創造した後、その出来栄えに満足し、初代エルフをこの宮殿に住まわせ守護しました。彼らは幽語の森から豊富な資源を得て急速に発展し、短期間で高度な文明を築きました。その頃、獣人はようやく台頭し、人類や虫族はまだ原始的な部族社会でしたが、ハイエルフはすでに魔法と武器を自在に扱っていました。城内の五角は五人の大天使長がそれぞれ統治し、各区域で兵士の生産と武具の鍛造が可能です。二百余年後、魔王がムー大陸へ侵攻し、ラロは四種族連合を率いてこれを撃退しました。戦いで圧倒的な力を示したハイエルフは、他種族を見下し、資源を支配する資格は自分たちにあると主張します。その後、虫族と人類が勢力を拡大し、エルフとの対立は激化、やがて種族戦争へと発展しました。ハイエルフはヴィニフ宮殿を拠点に人類と虫族を打ち破り、勢力は最盛期を迎えます。その後の経緯は、ルークから聞いているはずです」

タリンは淡々と語った。


「次はどこだ? 精霊評議会か?」

むぐちが問う。


「その通りです。中央の五角広場が精霊評議会の開催地。評議の際は、エルフ長老が階級順に中央階段へ座り討議します」

タリンが答える。


連合軍は白亜の家並みを抜ける。至る所に繊細な彫刻が施され、曲がり角ごとに小さな噴水があり、翡翠色の水が絶えず湧き出していた。


何人かが恐る恐る口をつける。冷たい泉水は甘く澄み、疲労値が5%回復した。


「ほらほら~井戸一つで満足してる場合?」

アンドリアが豪快に笑い、騎槍で群がる者たちを散らす。


やがて中央五角広場へ到達する。そこには六十名のハイエルフ銀槍兵――最下級兵種が待ち構えていた。


連合軍は躊躇なく突撃し、瞬く間に殲滅する。白い石畳が赤く染まった。


広場中央には白い階段が伸び、その頂には巨大な聖白花。サヴァンスは花の傍らに浮かび、自らの民が屠られる様を見下ろしていた。


「ハイエルフに兵は残ってないんじゃなかったの?! 六十もいるとか無視できないでしょ!」

かなが周囲を警戒する。


突如、片隅の木の舎から二十体の銀槍兵が飛び出すが、瞬時に斬り伏せられた。


「タリン、どういうこと?!」

ニフェトが問い詰める。


「兵力生産です。大天使長が存在する限り、兵は無限に生み出されます」

タリンが答える。


「湖では逃げられたけど、今度は何を見せてくれるの?」

かながサヴァンスを挑発する。


プレイヤーたちは中央階段を取り囲み、巨大な白花とサヴァンス大天使長を見上げた。


「ブチャとライヤは裏切り、ミミは戦死。今や我ひとり、祖先の家を守るのみ。命は小さくとも、我が種の名は辱めさせぬ。震えるがいい、凡俗ども……」

サヴァンスは鎧を脱ぎ、聖白花の傍らに置くと、逆手に持った長剣を己の胸へ突き立てた。


「またか?! 変身だ、警戒しろ!」

むぐちが叫び、連合軍は一斉に戦闘態勢へ入る。


ブチッ――サヴァンスは自らの心臓を引き抜き、不気味な笑みを浮かべた。

「ハイエルフを崇めよ……否、ムー大陸で最も高貴なる生命を拝せ」


心臓を聖白花の上に掲げると、力を失った身体は糸の切れた凧のように地へ落ちる。


【システムメッセージ: サヴァンス大天使長 死亡】


高台の大白花が聖光を放ち、心臓を吸い込むと、灯のように輝き出す。


ゆっくりと花弁が開き、裂け目から眩い白光が溢れ出した。


連合軍は顔を背け、目を覆いながら光が収まるのを待つ。


再び目を開けると、咲き誇る白花の中央に、白き花の精が立っていた。


光そのもののように白い肌。揺るぎない美しい眼差し。そして赤き瞳。


【システムメッセージ: 第五大天使長——精霊白の女皇 ライ 覚醒】


「第五大天使長……」

プレイヤーたちは声を失う。不安がじわじわと広がる。


地上から見上げるその姿は、まさに天より降りた女皇。階段が示すのは、皇族と下民の絶対的な隔たり。


雪のような白髪、全身を覆う銀の聖光。凡俗の目には、優雅な体躯の輪郭しか捉えられない。ただ赤い瞳だけが、はっきりと視界を貫く。


その瞳は果てなき宇宙のごとく深く、視線が合った瞬間、自身の矮小さを思い知らされ、戦意が霧散する。


普段は傲然と構え、誰もが一目置くアンドリアでさえ、言葉を失い、ただ見上げていた。


女皇は孤高の玉座に立ち、地上の者どもを見下ろす。


胸に手を当て、サヴァンスの灼熱の鼓動を確かめる。


連合軍は一斉に武器を構え、優美な広場は瞬時に緊張に包まれた。


「タリン……精霊白の女皇、蕾をどう倒せばいい?」

ニフェトは声を抑えて問う。


「分かりません。私は女皇を見たことがない。当時、エルフ内戦で蕾は追放され、精霊評議会によって聖白花へ封印されました。その後ダークエルフは追われ、蕾の行方は知れず。ニフェト様、あとは自ら探るしかありません」

タリンは深く畏れ、目を上げることすらできない。


「滅ぼされた一族の仇が目の前にいるのに、復讐しないの?」

かなが苛立ちを滲ませながら問い、同時に蕾の一挙手一投足を警戒した。


「……とはいえ、蕾は女皇だ。村を滅ぼされた仇はすでに討った。蕾はハイエルフにとって村長のような存在。恩を仇で返すわけにはいかない。それに皇族はダークエルフを迫害。我らの敵は精霊評議会だ。さらに、蕾はヴィニフ宮殿内の血脈結界を操れる。あの魔力は、君たちの想像を超えている」

タリンは苦い顔で言った。


「血脈結界は壊せるのか?」

むぐちが追及する。


「不可能だ。あれはラロ神がエルフ創造の際に用いた魔法陣。獣人の族長の足元にあるものと同系統だ」

タリンは首を振る。


「厄介すぎるギミックだろ!」

かなが思わず叫ぶ。


【システムメッセージ: 精霊白の女皇 ライ 凝視しています】



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