139 【システムメッセージ: ミミ大天使長 着地】
ゴゴゴ……高地が揺れる。
【システムメッセージ: ギルドメンバー …… HP残り20%】
【システムメッセージ: ギルドメンバー …… HP残り20%】
【システムメッセージ: ギルドメンバー …… HP残り20%】
【システムメッセージ: ギルドメンバー …… HP残り20%】
二十体の天使守衛が銀龍の刻印の背後へ回り込み、装甲を損傷した者たちを急襲していた。
密集隊形で一羽の大鷹のように急降下し、左翼防線に一瞬で穴を開ける。
「▒░ ∬∴∮――縺薙l縺ッ螟!」赤甲のハイエルフが叫び、全軍が前進する。
白一色の隊列の中に、九名の赤甲エルフ――ハイエルフ貴族騎士団。裂溝で盾兵を指揮していた紅羽の兵長もその一人だ。
だが銀龍の刻印は獲物ではない。
巨大な黒影が天使守衛の上空を覆う。
「受けてみろ!」アンドリアが黒竜で急降下する。
ドォン!落葉が舞い上がる。
天使守衛と黒竜が激突。連続で槍を突き立てるが、硬い鱗を貫けない。黒竜は数体を掴み、地へ叩きつけ、顎で引き裂いた。
その間に整然たるハイエルフ軍が前進する。前列は巨盾兵、次に月矛兵、剛弩兵、最後尾に魔砲兵。
「█ 螟ア謨!」貴族騎士団長が黒竜を指す。
金色の矢雨がアンドリアへ殺到する。
跳躍すれば回避は可能。しかし背後の仲間が射抜かれる。
アンドリアは手綱を引き、黒竜に翼を広げさせ、味方を庇わせる。自身は龍背で盾を構え、雨のような金矢を受け止めた。
キンキンキン――ザクザク。
魔力金矢が鱗を貫き、黒竜は全身に巨大弩矢を突き立てられた金色の針鼠と化した。翼が震え、重傷。
「█後€・縲!」騎士団長が吼える。
ハイエルフ軍が正式に突撃を開始。巨盾を壁のように組み、全速で押し潰しにかかる。
遠距離火力で劣る以上、持久は不利。
「訓練の成果を見せろ!!!」アンドリアは龍背から立ち上がり、紅晶騎槍を掲げ、白狐の騎乗へ切り替える。
騎兵団が瞬時に集結。
「狂熱!」「二倍速!」騎兵全員が紅光を放つ。
「寒霜装甲!」「雷霆の力!」支援魔導士が強化を重ねる。
無数のバフを纏い、全員が前方のハイエルフ軍を睨む。
「プレイヤーの誇りのために! 突撃!」アンドリアが先陣を切り、騎兵団が続く。
銀龍の刻印本隊が逆突撃を敢行。
巨盾兵が踏み止まり、正面から迎え撃つ。
「░ェ・!」ハイエルフ軍の戦吼が森に響く。
「突撃!!!」アンドリアが咆哮し、騎兵団を率いて敵陣へ突っ込む。
ドォォン!!!
【システムメッセージ: ギルドメンバー …… HP残り20%】
【システムメッセージ: ギルドメンバー …… HP残り20%】
……
騎士団は盾壁を突破し、月矛兵を押し退け、ついに弓兵陣へ到達した。
即座に斬り込み、瞬く間に女エルフの死体が地を埋める。
「まずい……アンドリア様、戻ってください!」後方で歩兵を指揮するノクスが、騎士団が支援射程外へ出たことに気付く。
同時にアンドリアも違和感を覚えた。突破が順調すぎる。ハイエルフ軍が包囲を形成し始めている。
「誘い込まれた……包囲を抜ける! 歩兵と合流!」
騎士たちは次々に負傷落馬し、片手剣を抜いてアンドリアを守る。しかし重囲は崩せない。
その時、上空に長方形の炎が走る。巨大空母のような三孔の黒大剣が星火を噴き、空に浮かぶ。
「絶対君臨!」
黒刃が地へ向き、流星の如くハイエルフ貴族騎士団へ落下する。
「█伃謔ェ縺ョ!!」騎士団長が叫び、全員の足元に白い魔法陣が展開。
ドォン……!
……
「遊撃班と騎兵班は銀龍の刻印を支援! 他はここを死守!」むぐち は焦燥を隠せない。大天使長のギミックが未解明だ。
二人は湖上に浮かび、無傷のまま。
「ハイエルフに刃向かうなんて身の程知らず。座って反省なさい。さもなくば眩暈よ?」ミミの黒衣が湖面で優雅に揺れる。
「撃て!」むぐち が命じる。
ドン、ドン、ドン。
弾丸はミミのシールドに当たり、花弁となって散った。
「シールドまで?!」驚愕が走る。
Kanatheon全員が防御を見極める中――かみことかなは座っていた。
バン!
後頭部に激痛が走り、視界が暗転する。大半が昏倒。ただ二人だけが立ち続ける。
「なぜ……」パシュスが呻きながら問う。
「命令に従うのがトリガーなの!?」むぐち は戦闘に集中し過ぎ、ギミックを見落としていた。
「三度目はもっと重い罰よ。自分を思いきり平手打ちしなさい! あははは!」ミミが狂笑し、金粉を撒き散らす。
「言われた通り叩け!」パシュスが叫び、自ら頬を打つ。
「待って、違う!」かみこが制止する。
パンパンパンパンパンパンパン――遅かった。Kanatheon全員が自分を打つ。
ドォン!!
足元に灼ける銀光が閃く。
【システムメッセージ: ギルドメンバー …… HP残り20%】
【システムメッセージ: ギルドメンバー …… HP残り20%】
【システムメッセージ: ギルドメンバー …… HP残り20%】
【システムメッセージ: ギルドメンバー …… HP残り20%】
【システムメッセージ: ギルドメンバー …… HP残り20%】
【システムメッセージ: ギルドメンバー …… HP残り20%】
【システムメッセージ: ギルドメンバー …… HP残り20%】
【システムメッセージ: ギルドメンバー …… HP残り20%】
【システムメッセージ: ギルドメンバー …… HP残り20%】
【システムメッセージ: ギルドメンバー …… HP残り20%】
【システムメッセージ: ギルドメンバー …… HP残り20%】
全軍のHPが瀕死し、命は風前の灯。
ニフェトが味方を回復しようとした瞬間——
【システムメッセージ: スキル 広域聖音 発動失敗。原因:沈黙状態】
即座に自身の状態を確認した。沈黙三十秒、スキル使用不能。
「……………!」Kanatheon全軍は水を打ったように静まり返り、誰も声を出せず、猿のように意味不明な手振りで必死に意思疎通を図る。
「ははははは! バカは代償を払うのよ! 地面に伏せなさい!」ミミ大天使長が再び罵声を浴びせる。
「伏せるな!!」かみこは無表情のまま、しかし烈しく怒鳴り、声を天に響かせた。
全員が恐怖で身動きできずにいたが、それでも二人は極度の緊張のあまり、ミミの言葉どおり地面に伏せてしまう。
ドンッ!! その足元から再び銀光が噴き上がる。
【システムメッセージ: ギルドメンバー …… HP残り0%】
【システムメッセージ: ギルドメンバー …… HP残り0%】
「いいわ~いいわ! 三回も満たしてくれた子がいるなら、少しは本気で遊んであげましょうか。」ミミ大天使長とサヴァンス大天使長がゆっくりとプレイヤーへ向かって飛来する。
「いったい……?!」むぐち やよいはなお理解できずにいる。
「集団ゲーム『船長の命令』よ。司会者が文の前に“ミミが言いました”と付けた場合だけ従う。付けなければ無視していい。」かなは眉をひそめ、迫り来る大天使長を見据えて言った。
一同はようやく悟る。
ゴォォォォ!!!
大天使長の強烈な風圧が湖畔のプレイヤーを吹き飛ばし、着地用の空間をこじ開ける。
【システムメッセージ: サヴァンス大天使長 着地】
【システムメッセージ: ミミ大天使長 着地】




