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13 ソックス! ソックス! ソックス!

*R18*に関わる内容は、別の場所で公開します。

装備を整えた四人は主城を離れ、西へと向かった。

やがて葦原に入り、畑の中で道は二手に分かれていた。


「うん。左だね」まつみはマップを見て言う。


「どう見ても右だろ。左は草が生い茂ってるし、右のほうが街道っぽい」パシュスは分かれ道を前に、迷いながら言った。


「白糸の洞窟に行くなら、山沿いか森の奥のはずだよ」


「レベル上げの人気スポットなら、プレイヤーがたくさん通るはずだ。あんな寂れた道、誰も通ってない」パシュスは眉をひそめる。


「西側は人が少ないね。東は人だらけだけど」ニフェトは考え込むように言った。


「最初の攻城戦が近いからだろ。上級プレイヤーが各地から戻ってきて、新人はクエストの関係で東に集中してる」パシュスが続ける。


そのとき、肩に竹を担ぎ、籠に作物を入れた老いた木こりが通りかかった。


「おじさん~、白糸の洞窟って、どう行けばいいか知ってますか?」まこが近づいて尋ねる。


「白糸の窟か……どう行ったものかのう」木こりは首をかしげた。


「このNPC、設定ゆるすぎじゃない?」まつみは笑う。


「毒蛍の沼に続く、蜘蛛の洞穴のことかい?」木こりはにこりと笑って言った。


「それそれ!」パシュスは声を弾ませる。


「左の道をまっすぐ行って、畑を抜けると小さな山が見える。その麓に洞の入口があるぞ」汗を拭いながら教えてくれた。


「ほら、聞いた? 左だってさ」まつみは勝ち誇ったようにパシュスを見る。


「ちっ……行くぞ」パシュスは短く言った。


「おじさん~、ありがとう!」まこは竜貨を一枚、木こりに差し出す。


「まこ!! 好感度買いすぎだろ!」パシュスが叫ぶ。


「だって、すごく大変そうだったし……お金も余ってるし、いいよね」まこは苦笑する。


「女の子って、ゲームに入り込みすぎじゃない?」まつみは肩をすくめる。


「……ゴホン」ニフェトは、さりげなく存在感を示した。


「こ、こんな高価なものを……勇者様!」木こりは竜貨を見て目を見開く。


「うん。子どもに何か買ってあげて」まこは穏やかに微笑んだ。


「勇者様、蜘蛛の洞には六十三レベルのボス──白糸の女王がおる。配下の蜘蛛たちは『足縛り』『麻酔』『中毒』の状態異常を使う。十分な道具を持って行くんじゃぞ」

感激した木こりは、さらに詳しい情報を教えてくれた。


四人は同時に声を上げた。

……


左の小道へ入ると、畑を抜けた先に、果たして奇妙な形をした岩山が現れた。

その麓には巨大な黒い穴が口を開け、翠緑の田園の中で異様な存在感を放っている。


洞口の周囲には白い蜘蛛の巣が絡みつき、人の形をした白い繭が二つ、逆さに吊るされていた。

まるで、これ以上近づくなと他の生き物に警告しているかのようだった。


冷たい風が、陰鬱な洞穴の奥から吹き出してくる。


「まこ、暗いところ苦手なんだよね……」まこは怯えた声を漏らす。


「ははっ! 行こうぜ、冒険だ!」まつみは胸を張り、黒い洞穴へ踏み込んだ。


……


洞内へ進むにつれ、通路は徐々に狭まり、やがて一人が横向きでしか通れないほどになった。

先頭はパシュス、二番目がまつみ、三番目がまこ、最後尾をニフェトが進む。


四人は両手を広げて体勢を保ち、岩壁に張り付いた蜘蛛の糸に触れないよう慎重に進んだ。

細い通路は果てしない闇へと続き、洞に入ったことで、わずかな外光すら遮られていく。


「明かりが必要だ。今は暗すぎる」後方からニフェトが言った。


「今、岩に挟まって身動きが取れない。バッグを探す余裕がない」パシュスは狭い隙間を必死に抜けようとしていた。


「じゃあ、私が探す」まつみは小柄な体を活かし、暗闇の中でパシュスのバッグを探る。


「おいバカ! 変なところ触るな!」

パシュスの尻を、まつみが思い切り掴んでいた。


「はぁ!? あんたの尻がでかすぎるんでしょ!」まつみは即座に言い返す。


そのとき、背後で淡い青い光が灯った。


ニフェトは神杖を掲げ、詠唱を続けている。

「急いで……魔力を消耗してる……」


「ないね……」まつみはパシュスのバッグをひっくり返すが、照明用の道具は見つからなかった。


「わぁ……出てきた!」まこが闇の彼方を指さす。


八つの赤い球が宙に浮かび、彼らを見つめるように静止していたが、やがてゆっくりと小さくなり、遠ざかっていく。


「行こう。あれについていけば、出口に出られるかもしれない」パシュスは剣を抜いた。


四人は一歩一歩慎重に、赤い球を追って進んでいく。


パシュスが前方の狭所を抜けると、胸を圧迫していた圧力がふっと消えた。


ついに、細い通路を抜け出したのだ。


「おおっ!」

パシュスが叫ぶと、立体的な反響が四方から返ってきた。


「……円形の空洞みたいだね」ニフェトが言う。


「まだ暗いよ……一度城に戻って松明を買おう?」まこは震えた声で提案する。


「だから言っただろ……戻るのは遠すぎるって」パシュスは肩を落とす。


「危ない!」ニフェトが叫ぶ。


前方に、無数の赤い球が一斉に浮かび上がった。

ニフェトは急いで詠唱し、かろうじて周囲を照らし出す。


地面、天井、そして壁一面に、毛むくじゃらの巨大な蜘蛛が這い回っていた。

八本の脚で岩肌を掴むたび、ぞわりと背筋を撫でるようなジジッという音が響く。


「まずい! 引き返せ!」パシュスが叫んだ瞬間、複数の赤い球が高速で迫ってきた。


即座に盾を構え、ドンッという音とともに蜘蛛の突進を弾き返す。

だが、すれ違いざまに体毛がパシュスの頬をかすめた。


「うあっ!」

ニフェトの脚がしびれ、一匹の大蜘蛛が背後の細道から忍び寄り、噛みついていた。


まつみは振り向きざまに二連射し、蜘蛛を瞬時に仕留める。

「大丈夫!?」


「攻撃力は低い……けど、『中毒』が付いてる」

ニフェトは大きく腫れたふくらはぎを押さえ、苦しそうに言う。

「浄化術」


「弱いけど……数が多すぎる!」

パシュスは次々と蜘蛛を弾き飛ばしながら、前方へ剣を振るった。


「まこ、早く攻撃して! 私には敵が見えない、今はあなただけが頼りだ!」

まつみが叫ぶ。


「魔力も限界……。光源を失ったら、帰り道も分からなくなる」

ニフェトも焦りを滲ませる。


「うぅ……氷牢!」

まこは杖を振り回し、半ば無意識に魔法を放った。


「バカ! 単体スキルじゃ意味ないでしょ! 数が多すぎるんだって!」

まつみが怒鳴る。


「……いや、悪くない判断だ」

ニフェトは冷静に言った。


「このペースで押し切るぞ!!!」

パシュスが奮い立つように叫んだ。

……


更新は基本【毎日1話】。


さらに、

ブックマーク10増加ごとに1話追加、

感想10件ごとに1話追加します。


書き溜めは十分あります。

一緒にテンポよく、魔王討伐まで突っ走りましょう :)

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