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一緒に魔王を討伐しよう!  作者: 純白
第二十八章—血塗られたハゲグ
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128 礎石死守戦

「離れずに俺について来て、散開するな……」かなは眉をひそめ、リオと司教に言った。


三人は対隠蔽の光の中で警戒する。ブチャはその上空で羽ばたきながら滞空していた。


場は静まり返る……敵はまるで最初から存在しなかったかのように消えていた。


「閣下! 城内の衛兵が持ちこたえられません! 敵がまもなく防衛線を突破します!」獣人の大斧兵が大扉を駆け抜け、切迫した声で叫ぶ。


リオと司教は敵の足音に神経を集中させていたため、NPCの突然の怒声に肩を震わせた。


「聞こえないわ、こっちへ来て言いなさい」かなははっきりと言い、NPCに手招きする。


「閣下! 城内の衛兵が持ちこたえられません! 敵がまもなく防衛線を突破します!」獣人は二歩前に出て、光環の外で止まった。


「光環の中へ入って、私の前で言いなさい」


獣人は困った顔で円形の光環と、その上に浮かぶブチャ大天使長を見上げる。


「氷晶雨!」


カキン、カキン、カキン。数十本の氷柱が空から獣人NPCへ突き刺さる。しかし姿はふっと消え、数メートル先に現れてかなへといやらしく笑った。


「やるじゃないか……それとも俺の演技が下手だったか?」獣人の体から黒煙が立ち上り、夢葬者へと姿を変える。


「NPCが大広間まで助けを求めに来るはずがないでしょ。それに、私を呼ぶなら『かな様』よ」かなは久々にPVPの魂を燃やし、紅い殺意を宿した瞳で嘲る。


「秒殺しなきゃ……あいつは隠れて回復する。でも、私の魔法じゃあの速度に追いつけない……」熱を帯びた頬とは裏腹に、内心は冷静そのものだった。


「さて……どんな手を見せてくれるのかな……くくく……」夢葬者は再び姿を消す。


「星火連焼!」かなは周囲に炎の輪を発生させ、敵の接近を防いだ。


「いい? 私の指示通りに動いて……」


三人は周囲の暗がりを警戒しながら、小声で作戦を確認し合う。


そのときブチャが何かに引き寄せられ、隅へと飛んでいった。


同時に、透明なゼリー状の人影が光環の内側に現れる。


「炎爆!」かなは即座に自分の足元へ火を点じた。


「ちっ!」人影は黒い縄で両手を縛ろうとするが、事前に仕込んだ火魔法に弾かれて後退する。


影鬼の一撃は賢者より速いと読んでいた。だからこそ、自分の足元に攻撃を置いて牽制したのだ。


前方の空気に、淡い紫の光が走る。それはすっと彼女の背後へ回り込んだ。


「まずい!」かなは敵の狙いを悟るが、体が間に合わない。


ザシュッ!


【システムメッセージ: ギルドメンバー 司教A HP残り20%】


幽幻の紫光が司教の脇を滑り、優雅に空気へ溶ける。


「くっ……見えていても間に合わない……」司教は痛みを堪えつつ治療する。


「バケモノかよ!」リオは拳銃を乱射する。


「一人がブチャの注意を引き、一人が私を牽制し、そして一人が司教を狙う……なかなか考えてる……」かなは指を噛みながら思案する。


「目の前だ!!!」リオの前を紫光が走り、残像を引く。


ブチャは即座に三叉槍を振り下ろした。


ドォン――木の床が砕け散る。紫光は小さな精霊のように空中を泳いだ。


「雷導術!」かなは咆哮し、自らの位置へ銀閃の雷を落とす。


「ぐあっ!」影鬼の一体が直撃を受け、姿を現した。


「氷牢!」かなは即座に影鬼の両足を封じた。


ゴォッ――大広間に突風が巻き起こる。ドン!!!


ブチャの三叉巨槍が一直線に貫き、敵を床へと縫い止めた。


ヒュッ、チン! 十数本の毒針が背後からブチャへ放たれる。


「ちっ……」ブチャは背中の激しい痒みに顔をしかめ、三叉巨槍を手放して体を振る。


「持ちこたえろ!!」なおも隠れたままの影鬼が瀕死の仲間へ叫ぶ。


「星火連焼!」かなは唇を舐め、不敵に笑いながら負傷した影鬼の足元へ炎を灯した。


「うあああ!!! 熱い!!!」床に縫い止められた哀れな影鬼の髪が松明のように燃え上がり、絶叫する。


ボウッ――炎の中から火の人影が飛び出す。夢葬者が灼熱に耐えながら仲間を救おうとしていた。だが三叉巨槍は床深くまで刺さっており、引き抜く力が足りない。自身の両足にも火が燃え移る。


「ぐっ……ああっ!!」


パパパパッ、リオがその隙に発砲する。


夢葬者はやむなく仲間を見捨て、横へ跳ぶ。全身から白煙を上げ、黒衣には無数の穴が空いていた。三人を睨みつけながら、その姿はゆっくりと空気へ溶ける。


シュン――重傷の影鬼はついにHPを失い、光塵となって消えた。


「これで三対二だ、いけるはず——」リオが言いかけた瞬間。


一直線の紫光が左から彼を突き刺すように走る。


「神よ、あなたは俺の最後の盾だ!」司教が即座にスキルを発動。


紫光はリオの目前で急に軌道を変え、三人から離れた。


「急所スキャン!」


ザシュッ。


【システムメッセージ: ギルドメンバー 司教A HP残り20%】


緑の短剣が別角度から司教の背に突き立つ。影鬼は一撃を入れると即座に後退し、姿を消した。


司教はよろめきながら体を支え、再び自らを治療する。


同時にブチャは夢葬者と交戦していた。夢葬者は軽やかに攻撃をかわし、ブチャの腕へ跳び乗ると高速で肩まで駆け上がり、そのまま三人へ飛翔する。


かなは魔法で弾き飛ばそうとするが、紫光の速度は異常に速い。詠唱が間に合わぬまま目前に迫る。


シュッ――――


【システムメッセージ: ギルドメンバー 司教A HP残り0%】



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