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一緒に魔王を討伐しよう!  作者: 純白
第二十八章—血塗られたハゲグ
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127 魔導士殺し

「Kanatheon! 残兵はここだ! 一人も逃がすな、叩け!」

むぐちは間に合い、Kanatheon主力を率いて防衛線へ戻る。


「うおおおお!!!」

Kanatheon部隊の士気が爆発し、岸に滞留する攻城連合へ突撃した。


相手は魔導士や弓手などの軽装職ばかりだ。開けたハググでは逃げ場がない。

「くそ……やるしかねえ!!!」


桟橋地区で両軍が激突する。


攻城側は数で勝るが、重装職の不足と練度の差が響き、一時はKanatheonに押し返される。やがて人数でようやく均衡を保った。


「すぐに城へ戻す部隊を出さないと! ここで足止めされたらまずい!」

ニフェトは対岸の動きを見続け、上陸部隊が城入口へ向かい始めたのを見て焦る。


かなは杖を地面に突き立てる。

「パシュス、レックスみたいに私を投げて!」


「は? 待て、お前――」


「今よ!」

かなは突風で自らを浮かせる。


「盾撃!」

パシュスが全力で体当たりする。かなの軽い身体が宙へ弾かれ、完璧な放物線を描いて要塞側へ飛ぶ。


「ひゃっほー……って、ちょっと! 弱くない?!」

勢いが急激に落ち、対岸まで半分の地点で下降。ボチャンと湖へ落ちた。


「ば、馬鹿!」

パシュスが青ざめた瞬間、黒い巨影がかなへ迫る。


「うそ……でしょ? 私の栄光が……」

龍亀を見てかなは混乱し、必死にもがく。


だが龍亀は優しく脚を押し上げ、岸まで運んだ。


防衛戦の真っ只中であることを一瞬忘れさせるような、気の抜けた光景だった。


「げほっ、げほっ……」

かなは大量の湖水を吐き出す。


「気をつけろ!!!」

リオが叫ぶ。


かなは反射的に前転する。夢葬者の短剣が、さっきまでいた地面へ突き刺さった。


「会長、他の連中は上陸待機中に奇襲を受け、苦戦中です!」

上陸部隊が夢葬者と合流する。


「進め……もう後戻りはできない。」

夢葬者は三人を睨み、北門へ向かう。


かなは軽やかに杖を旋回させ、淀みのない動作で魔法を編み上げる――極寒の衝撃波。前方の敵の両脚を一瞬で氷結させた。リオと司教が目を丸くする。

「見てる暇ある? 走れ、バカ!」

かなはリオの耳を引っ張り、司教を連れて城内へ退く。


「くそったれの賢者……会長、どうします?」

上陸部隊に補助職はいない。三人を見送るしかない。


「岸の連中に時間を稼がせろ。我々は突入して制圧する。ギルドの礎石を破壊すれば勝利だ……」


氷結が解けると、彼らは城壁の死角を利用し北門へ到達。ハググ内湖要塞の入口だ。


門をくぐった瞬間、上方から油と強酸が降り注ぐ。壁の隠し穴から自動追尾弩が射出された。混乱で散開し、さらに罠を踏む。門前で多数が負傷する。


「撃て!」

待ち伏せていた獣人弩兵が一斉射撃。


「俺に続け! 突破するぞ!」

近衛兵数名が盾を掲げて突進し、鉄甲の獣人と斬り結ぶ。


本来なら数で押せたはずだ。だがリオのえげつない罠が進軍を削り、獣人衛兵の防線を突破できない。


「ここで守備を引きつけろ。俺はKanatheonのギルドの礎石を壊す。」

夢葬者は二人の影鬼を伴い、破壊班を編成。透明化してKanatheonのギルドホールへ向かった。


「了解、会長! うおおおお!!!」

...


巨大な斧を構えた重装の獣人歩兵二名が大広間の大扉を守っていた。背後に回り込む黒煙の影に気づかず、同時に喉元を掻き切られ。


Kanatheonの豪奢な紅木のギルド受付ホールが視界に広がった。


ゴォッ……正面から強風が吹き抜ける。


ブチャ大天使長は大広間の中央で警戒している。


「左右へ散れ……俺が気を引く……」

夢葬者は低く囁き、動きを止めて姿を現す。ブチャが即座に反応した。


「侵入者を確認。」

三叉の巨槍を構える。


夢葬者は瞬時に移動し、透明化状態へ入る。ブチャは即座に標的を見失い、警戒態勢へ戻った。


「うまくいった。あとはギルドの礎石を探すだけだ――」

夢葬者は仲間と合流し、走りながら言いかけた――


チンッ――


ホール上部から強烈な光が奔り、三人のゼリー状の輪郭を暴き出す。


ブチャは即座に三叉槍を振るう。刺客たちは跳び退き、入口付近へ退避した。


「何だこれは?!」

破壊班が動揺する。


かな、リオ、そして司教の三人が、ホールの奥の影から姿を現した


「また刺客か……来なさいよ、四次職のザコ。」

かなは杖を回し、唾を飲み込んで虚勢を張る。


だが――“魔導士殺し”と呼ばれる夢葬者に勝てる自信はなかった。


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