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一緒に魔王を討伐しよう!  作者: 純白
第二十八章—血塗られたハゲグ
124/195

123 バババババババババ!

「突撃だ!!!」

狂ったような鬨の声とともに、遠方で高らかな角笛が鳴り響く――


数十枚の軍旗が、薄い鉄壁の裂け目からハググ外縁の砂漠地帯へとなだれ込んだ。


部隊は二手に分かれる。

二百が外湖市街へ、二百が内湖要塞へ一直線に進軍。


「迎撃準備!」

市街外縁を守る同盟勢が街路に布陣する。


近衛兵や騎兵などのタンク職が街道に横陣を敷き第一防壁を形成、その背後にバーサーカーやローニンなど近接火力が散開して続く。


重装列の後方には神職者が一人ずつ配置され、衛生兵のように弾雨の中で回復に備える。


魔導士と狩人は街道脇の家屋へ潜み、窓辺に伏せて射程内へ敵が入るのを待った。


最前列で風を切る軍旗――黒薔薇の紋章がすでに目前まで迫る。


「Kanatheon!」

むぐちは振り向いて叫ぶ。背後の数十人が同時に腕を掲げ、熱く応じた。

「もっと刺激的な展開が待ってる! 速攻で片づけ、一気に殲滅するぞ!」


「うおおおおおおおおおっ!!」

Kanatheonが一斉に奮い立ち、城内の空気が一気に熱を帯びる。


「準備〜隠蔽!」かなが叫ぶ。


ぽん、と音を立てるようにKanatheon六十五名が同時に消えた。


……


最高警戒態勢、全員戦闘配置についたハググ内湖要塞――


「音声チェック! 音声チェック! 聞こえたら応答!」

リオは泥穴へ滑り込み、自慢の作の内部に納まって叫ぶ。


隣の泥が文字を浮かび上がらせた。

「聞こえている。」


「本当にいけるんだろうな? 俺様を巻き添えにするなよ!」

リオはためらいがちに言う。


「祈れ。」

泥文字が短く返す。


「ちっ、頼りない相棒だな!」

リオは装置の最終点検に入った。


カチャ、カチャカチャ――


軽快な装填音が響く。


……


内湖に残った七名のKanatheonメンバーが城壁へ駆け上がる――かずきを除いて。


かずきは一人、ギルド高塔の屋上に立ち、静かに呼吸を整え、大気を巡る自然の力を感じ取る。


再び目を開けば、敵軍はすでに対岸の桟橋へ到達。数の暴力で半円を描き、内湖要塞を包囲していた。


獣人砲兵が即座に照準を合わせる。敵が渡船に乗れば粉砕する構えだ。


かずきは静かに見下ろし、胸中で祈る。

「大地の母、ガイア……どうか、この声を……」


……


「北方より敵接近!」

獣人砲兵長が叫ぶ。


要塞内に警鐘が鳴り響き、防衛ギミックが自動起動。


城壁に十六の砲門が開き、黒鉄の大砲がせり出した。


「装填急げ!」

獣人砲兵が慌ただしく動く。


ヒュン――パァン!


火薬を詰めていた獣人砲兵が正確に撃ち抜かれ、力なく崩れ落ちる。火薬が地面に散った。


ファーストブラッド。


「……?」

後方で弾薬を運んでいた砲兵が怪訝に顔を上げ、砲門から外湖を覗く。


パァン!

声を上げる間もなく倒れた。


攻城連合の複数の狙撃手が湖岸に伏せ、砲門を凝視している。砲兵の顔が現れた瞬間、迷いなく引き金を引いた。


「しゃがんで装填しろ!」

Kanatheonの司教が即座に命じ、獣人兵を砲門から遠ざけた。


パン! パンパン!

湖畔から連続した銃声が響き始める。弾丸がヒュンヒュンと守備側の耳元をかすめ、石壁を叩きつけるように撃ち込み、顔を出せと挑発した。


「司教と鏡像師は一号艇、近衛兵は二号艇!」

黒衣に銀髪の男アサシンが桟橋で指揮を執る。青蛇のギルマスだ。


「なぜ司教が先陣を?」

同盟者が驚く。


「内湖要塞には火砲がある。多重の聖庇所で弾を受け止めなければ川も渡れない。まず二十名で火力を測る。」

青蛇のギルマスが即答した。


北側の桟橋から鉄板製の渡船が二隻、動き出す。


「撃て!」

砲兵が潜望鏡で捕捉し、即座に反撃。


ドォン! ドォン!!


閃光が走り、一号艇へ砲撃が叩き込まれる。


「聖庇所!」

六名の司教が同時に両手を掲げ、六枚の蒼い魔力盾を展開。


ぼすっ――

魔力盾が柔らかい布のように砲弾を受け止め、衝撃で渡船の速度がわずかに落ちる。


「うおおおおおおおっ!!」

彼らは同時に魔力の10%を燃やし、盾をさらに厚くした。


どぼん――

砲弾が湖へ沈む。


「急げ、装填だ!」

獣人砲兵長が鞭を振り上げ怒鳴る。


一人の砲兵が不用意に立ち上がり、頭が城壁からわずかに突き出た瞬間――パパパパッ!

狙撃手の照準に捉えられ、その姿は赤い霧となって消えた。


「砲撃が止んだ……今だ、総攻撃!」

青蛇のギルマスが即断する。


「全員、乗り込め!」

北側桟橋には二百名が詰めかけ、渡船の再出現を待つ。


北岸の砲兵は狙撃で十分に制圧できる。北側一点突破で渡河は可能――そのはずだった。


ドン。

地面が震える。


ゴォン――湖面が波立つ。


「何だ?」

渡船が揺さぶられ、司教たちが不安げに顔を見合わせる。


ゴゴゴゴゴゴゴゴ――

北側城壁の足元から、巨大な土柱がせり上がった。


「何のギミックだ!? 地形が……変わった!?」

青蛇のギルマスが目を見開く。


……


「泥の坊主! 準備完了だ!」

リオが叫ぶ。


かずきはゆっくりと腰を落とし、大腿が震え、足裏が砂へと砕けて屋上の石床と同化する。


土柱頂部の泥が剥がれ落ち、円形の砲台が姿を現した。


左右に防弾装甲、さらに対魔銀塗装。

正面には六本の回転式長銃身――地獄火神式機関銃。


「Game on。」

リオが不敵に笑い、レーサーのようにゴーグルを下ろして操縦桿を握る。


「まずい……聖庇所を!」

渡船上の司教たちが分厚い魔力盾を張り直し、迫る対岸を見つめる。

「まだ半分……やばい!!」


リオは照準を一号艇へ合わせ、銃身が高速回転を始める。紫電がほとばしり、攻撃速度250%上昇。

「ノルマンディーの死神!!!」


砲台が唸る――


ヴゥゥゥゥゥン……ドバババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババ!


連射音は重厚な汽笛のように戦場のすべてをかき消す。


薬莢が滝のように地面へ降り注ぐ。


毎分3000発という狂気の速度で渡船を掃射。

灼熱の弾丸が密な金線となり、司教団へ突き刺さる。


ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド。


最初の魔力盾は半秒も持たず蜂の巣となり、ぼん、と砕け散った。


ぼん、ぼん! 一秒後、さらに二枚の魔力盾が粉砕された。


「耐えろ!!!」

残る三名の司教が全魔力を燃やし尽くし、蒼い聖光を爆発させる。魔力盾は瞬時に数メートルの厚みへ膨れ上がった。


「位相シフト!」

鏡像師が鏡の盾で弾丸を反射しようとする。


だがリオの砲台はあまりにも速い。

転送データ上限を一瞬で使い切り、一秒も持たず鏡の盾を撃ち抜いた。


流れ弾が渡船の両脇に水柱を立て、氷のような湖水が攻城側のプレイヤーへ容赦なく降りかかる。


リオは狂気じみた笑い声を上げ、指を引き金に食い込ませて掃射を続けた。

「うわああああああああああはははははははははははははは!!!」

今回の更新の後に、お約束していた二話分を追記する予定です。

あともう少しだけ、待っていてくださいね。

皆さま、いつも本当にありがとうございます!

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