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一緒に魔王を討伐しよう!  作者: 純白
第二十六章—さよなら、我が愛しきもの...
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115 これは……わたしのせい?

【*本話には一部、残酷・暴力的な描写が含まれます。苦手な方はご注意ください*】

頭が割れそうに痛い。視界は白く霞んでいる。


まこはゆっくり意識を取り戻し、寒さに震えた。頭は力なく胸に垂れ、眠たげな目で床を見つめる。目をこすろうとした瞬間、手首に冷たい感触が走り、両腕が手錠で拘束され吊り上げられていると気づいた。恐怖が血のように全身を駆け巡り、一気に意識が冴える。


慌てて顔を上げた瞬間、後頭部に鋭い痛みが走り、意識が飛びかける。それでも歯を食いしばって目を開くと、長机のそばの木の椅子に座ったアンドリューが静かにこちらを見つめていた。


黒いマントだけをまとい、指には煙草を挟んでいる。


反射的に自分の姿を見ると、魔導士のローブはあちこち裂け、壁に吊るされていた。

「うっ……!」


「目が覚めたかい?」アンドリューは甘く笑う。


涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにしながら、まこは震える声を絞り出す。

「あなた……わたしに……何を……」

恐怖のあまり、身体が小刻みに震え続ける。


その様子を楽しむようにアンドリューはゆっくり歩み寄る。

「当ててごらんよ……クスクス〜」


「来ないで!! やめて!!」まこは子猫のような悲鳴を上げ、激しくもがくが、手首を裂くような痛みが走っても手錠は外れない。


「怖がらなくていい、まこ。僕たちは運命共同体だろう?」アンドリューは顔を寄せ、囁いた。


「ログアウト!」まこは必死にインターフェースを呼び出す。


【システムメッセージ: ログアウトしますか?(Y/N)】


迷わずYを押そうとした瞬間、カチンと音が鳴り、手錠がきつく締まり操作が効かない。


「まこ、まだ甘いね。準備もせずに君を招くと思った?」アンドリューは画面を見ながら笑う。


「やめて……やめて……!!」


「運命逆転」アンドリューがスキルを発動する。淡い緑の光が二人の心臓を結び、彼は自分の身体を抱きしめる。

「これは君で……同時に僕でもあるんだ……」


次の瞬間、まこは自分が抱きしめられている感覚を覚え、二人の感覚が同期しているのだと、まこは直感した。

「いやああああ!! 放して!!」


アンドリューがさらに手を伸ばそうとした瞬間――


【システムメッセージ: 禁止された操作です】


「ちっ……まだ修正してないのか。リリーのときもそうだったな」


「リ……リリー……」まこは宙吊りのまま、歯の根も合わないほどガタガタと震え、声を漏らした。


「そうだ、リリーだ。君と同じ、天使みたいな存在だった。本気で愛していたんだよ。わかるかい? あんな純白の天使は、この世界に存在すべきじゃない。だから僕が守らなきゃいけない。誰にも触れさせないようにね」アンドリューは胸を押さえ、痛ましげに語った。


「魂の契約……?」


「解除なんてできない。あれは適当にでっちあげただけだ。リリーも最後は……君と同じだった。ログアウトしたら二度と戻らない。だから限られた時間の中で、僕たちはきちんと向き合う必要があるんだ」アンドリューは穏やかな表情で壁から短剣を取る。


自分の結末を悟り、まこは激しく首を振る。

「や……やめて…………」


アンドリューは満足げに微笑む。

「いい反応だよ、まこ」


「放して……お願い……わたし、あなたを傷つけてない……助けたのに……」まこは涙と嗚咽をこぼしながら懇願する。


「まこ……」アンドリューは蔑むように冷笑した。

「なぜ僕が君の助けを必要だと思う? 君は自分の善意を満たしたいだけだ。誰も救っていない。自分すら守れないのに、他人を気遣えるはずがないだろう?」


まこは呆然と自失する。やはり自分は……愚かだったのか。


刃先が目の前で止まる。


「まこ……自分を守れない人間を心配するのが、どれほど苦しいことか知っているか……」アンドリューは首を傾け、悲しげにまこを見る。


「ごめんなさい! わたし――」


「しーっ」アンドリューは刃をまこの唇に押し当てる。まこは唇を噛みしめ、声を殺したまま涙を激しく流した。

「謝っても意味はない。まこ、彼らの痛みを感じるんだ……怖がらなくていい。僕も一緒に背負ってあげる」


アンドリューはそっと涙を拭い、短剣を逆手に持ち替え、自分の肩へと向ける。


「え……――ああっ!」


刃が肩に突き刺さる。まこの身体には傷一つないはずなのに、皮膚を裂かれるような痛みが全身を走った。


アンドリューは眉をひそめ、短剣を引き抜き、自分の傷口を押さえながらゆっくりと力を込める。


「まこ……これから味わうのは、君の友達が抱えている一番深い痛みだ。君が破滅へ向かっていることに気づかず、それを見守るしかない心の責め苦だよ……」


「いやあああ!! やめて……お願い……いや――」まこは泣き喚き、なりふり構わず懇願した。

突然の激痛に、意識が真っ白に飛ぶ。口を大きく開いても声が出ない。


「いま……身をもって理解しただろう……」アンドリューは冷や汗を流しながら、まこの耳元で優しく囁く。

「怖がらなくていい……僕がここで、最後まで一緒にいてあげる」


突然刃を引き抜き、血走った目でまこを睨みつける。

「まこ!! どうして友達の忠告を聞かなかった?!」


ザシュッ!


「あ………」


「あんなに危険だったんだぞ!!」


グチャッ!グチャッ!


「…………… …      」


アンドリューは痛みに足を震わせ、短剣を取り落とす。荒い息を整えながら拾い上げ、再びまこの前に立つ。


「リリーのときと同じ感覚だよ、まこ。もうすぐ終わりだ。君のことは忘れない。純粋な勇気を、ちゃんと守るんだよ……」彼は涙を流しながら別れを告げ、ゆっくりと短剣を掲げる。


まこは腹に突きつけられた刃を呆然と見つめる。

これは……わたしのせい……?


――――――ドォォォォン!!!!!!!!!!


木の扉が吹き飛び、巨大な黒い影が崖際に立つ。


月光を背に負い、パシュスがそこに立っていた。血管の浮き出た両目、白剣と銀盾が凍るような殺意を放つ。


「あり得ない……ここは開拓者のメンバーしか……アンドリアか」アンドリューは即座に悟った。


フッ――瞬時に黒竜の重装鎧を纏い、黒剣をパシュスへ向けて笑う。

「英雄ごっこか?」


「アンドリュー……お前を殺す!!!」


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