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一緒に魔王を討伐しよう!  作者: 純白
第二十四章—天国の根
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103 狭路の攻防戦

顔を歪め、震える手で槍を掴み、これ以上深く刺さらぬよう必死に耐える。


時間が一瞬、凍りついた。


「まつみ!!!」パシュスは怒号を上げ、水銀剣を骸骨へ突き出す。


もう一体が骨槍を振り上げ、かみこへ襲いかかる。骨が軋む音が通路に響いた。


まつみが刺し貫かれた瞬間、複数の鏡の盾が両壁へ吸いつき、角度を調整していた。


「白の矢」眩い閃光が通路を裂く。


ドンッ! 骸骨は数メートル吹き飛ばされた。


まつみは壁に叩きつけられ、ゆっくりと崩れ落ちる。石壁に血の筋が残る。


骸骨が再び迫ったとき、通路いっぱいに鏡の盾が展開され、十数人のかみこが冷たい視線を向けていた。


「黒雷」


ガン――ドォン!!! 閃光が消えると、骸骨は床に骨の残骸となっていた。


「ヒール! 持ちこたえられるか? ニフェトを呼ぶか?」パシュスは初めて聖職者スキルを使う。転職クエストの内容が、かろうじて頭に残っていた。


「う……痛い……でも、あと十分耐えられれば…………」まつみは腰を折り、傷口を押さえる。


そのとき、かみこは背後の異音に気づいた。振り向くと――白い骨が地面から這い上がり、再び組み上がって骸骨となり、骨槍を握って立ち上がる。


「HP多すぎじゃない!?」まつみが叫ぶ。


「魔法耐性があるようです」かみこは無表情のまま、演算を続ける。


「ラロ次元剣!」パシュスは黄金に輝く水銀剣を地へ叩き込んだ。


バキッ!


巨大な金の剣が地中から突き上がり、骸骨を光の粒へ粉砕する。


「聖属性が正解だな」パシュスは得意げに笑った。


同時に、ニフェトたちは右の通路へと入った。道は徐々に広がっていく――。


まこは召喚のスタッフ に乳白色の魔霊石を装着する。内部から淡い紅光が揺らめき、物理バフの効果を放っていた。


むぐちが前衛に立ち、拳刃カタールを構えたまま慎重に進む。


「この石畳、気をつけて」むぐちは前方中央でわずかに浮き上がった石板に気づいた。


むぐちとニフェトは慎重に避ける。かなは自信満々にまたいで通過した。


まこは怖くて顔を上げられず、うつむいたままかなの後を追う。

「どの石畳? まこ見えない……」


カチリ――


「…………」全員がゆっくり振り返り、泣きそうな目でまこを見る。


「その足元の……」かなは死んだ魚のような目で、まこの布靴に踏み潰された石板を指差した。


「きゃっ! ご、ごめんなさい!」まこは飛び退き、両足を引っ込める。


前後から同時に鎖が引きずられる音が響き、二枚の鉄格子が地面からせり上がり、通路を封鎖した。


「はぁ!? このバカ!」かなはツインテールを思いきり引っ張って八つ当たりする。


「来るよ……」むぐちは拳刃カタールを構え、姿勢を低くした。


ニフェトは手際よく補助を展開し、瞬時に味方の強化を最大まで引き上げる。


「雪霊兎!」まこは腰ほどの大きさの白い巨兎を召喚した。


雪のように輝く毛並み、ぴくぴく動く桃色の鼻、異様に発達した後脚。その体躯は通路の半分を占めるほどだ。


四人は背を合わせ、円陣を組む。


ドン!!! 壁が爆ぜ、大穴から腐肉をまとった屍鹿が飛び出した。


雪霊兎は最速で突進し、兎耳と鹿角が激突する。不快な骨の砕ける音が響いた。


戦闘は一瞬で始まる。屍鹿は雪霊兎と角を押し合う。ニフェトは即座に聖光の障壁を展開し、かなの魔法射線を確保する。だが障壁が消えた瞬間、屍鹿は猛然とかなへ突進した。


悪鬼触手ブラッド・テンタクル」むぐちは拳刃を突き出す。刃先から血柱が噴き上がり、高速で屍鹿の後ろ足へ撃ち込まれた。


血柱は命中と同時に淡桃色の太い血管へ変化し、むぐちの掌と繋がる。両手で血管を掴み、屍鹿の動きを強引に止めた。


「ライフドレイン!」血管の色が桃から紫紅へ変わる。


平らだった血管が屍鹿側から膨れ始め、脈打ちながら血がむぐちへ流れ込んだ。


屍鹿は反転して突撃しようとするが、途中で失血に耐えきれず倒れ込み、気絶する。


かなが歩み寄り、屍鹿へ火を放つ。しばらく燃え続け、やがて光の粒となって消えた。


むぐちは血管を断ち切る。切断面から大量の血が噴き出した。


「……そのスキル、気持ち悪い。やっぱ魔法使いのほうがマシ」かなは眉をひそめる。


「血魔だからね……何を期待してるの……」むぐちは呆れ気味に返した。


やがて前後の鉄格子がゆっくりと上昇する。


「ちゃんと前見て歩きなさいよ」かなは責めるようにまこを見る。まこは慌てて何度も頷いた。


彼女たちは曲がりくねった地下通路を抜け、やがて長方形の大広間へと辿り着いた。


正面には底の見えない巨大な血の池――その向こう側に、巨大な骸骨が立っている。上空から奇妙な聖光が差し込み、その首には黒地に金の聖印が入った神官用のストールがかけられていた。


「……向こう側へ渡る必要がありそうね」ニフェトは血の池を見つめ、眉をひそめる。



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