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『鑑定眼と成長加速で、最弱から異世界最強冒険者へ』  作者: ハヤテ
第2章 初めての依頼と、迫る影
5/33

5話

4 森への出発

 翌朝。

 まだ朝靄が残る街の門を抜け、蓮たちは北の森へ向かった。

 道中、ミリアは薬草や毒草の特徴を説明しながら歩く。

「この辺に生えてるのは《ヒーリングリーフ》っていう薬草です。乾燥させると回復薬の材料になります」

「鑑定眼でも出るな……品質B、効力は標準」

「えっ、品質までわかるんですか!? すごい!」


 興奮気味のミリアに、蓮は少し照れた。

 この世界では鑑定持ちは希少で、しかも戦闘と生活の両方で活用できるのは珍しいらしい。


5 薬草採取と小競り合い

 森に入って一時間ほど、採取は順調に進んだ。

 だが、茂みの奥からガサリと音がする。

「出るぞ——!」

 ガイルの声と同時に、小型の狼型モンスター《フォレストウルフ》が飛び出してきた。


 鑑定眼を起動。


【フォレストウルフ】

 HP:25/25 攻撃:8 防御:4 素早さ:9

 特徴:牙に軽い麻痺毒あり。群れで行動する傾向。

「牙に毒! 噛まれるな!」

 蓮の警告を受け、ガイルは間合いを詰めて首筋を狙う。

 蓮も拾った石を投げて注意を引き、ガイルの一撃で仕留めた。

「……やっぱ、鑑定があると戦いやすいな」

 ガイルは狼の耳を切り取り、報酬用の袋に入れる。


6 異変の兆し

 その後も採取を続けていたが、森の奥へ行くにつれて妙な違和感があった。

 静かすぎるのだ。

 鳥の声も、虫の音も、ほとんどしない。

「……なんか、嫌な感じがします」

 ミリアの言葉に、蓮も同意した。


 やがて、地面に黒ずんだ血痕を見つける。

 血痕の先には、頭部を潰されたゴブリンの死体。

 だが、普通のゴブリンではない。


 赤く光る片目。

 そして腕には不気味な黒い紋様が浮かんでいる。


 鑑定眼が自動的に発動する。


【赤目ゴブリン(斥候)】

 HP:36/36 攻撃:12 防御:6 素早さ:10

 特徴:夜目が利く。毒矢を使用可能。魔族領からの侵入個体。

「……赤目ゴブリンだ。普通はこの辺に出ないはずだ」

 ガイルの表情が険しくなる。

7 戦闘の予感

 蓮たちは慎重に周囲を確認するが、血痕はまだ新しい。

 つまり、近くに仲間がいる可能性が高い。

「一度引き返そう。群れに見つかったら終わりだ」

 ガイルの提案に全員が頷き、帰路につこうとした——その瞬間、木陰から低い唸り声が響いた。


 茂みをかき分けて現れたのは、赤目ゴブリン一体。

 しかし、その動きは普通のゴブリンよりも滑らかで速い。


 毒矢をつがえた短弓が、蓮たちを狙う。


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