第8章 復活への道しるべ
1. メルドリアスの助言
ケイを失ったメイリアとグロウは、悲しみに暮れながらも、メルドリアスの元を訪れた。
「メルドリアス様・・・ケイは・・・」
メイリアは、涙ながらに言った。
「ケイは、もう・・・」
グロウは、言葉を詰まらせた。
メルドリアスは、二人の悲しみを静かに見つめていた。
そして、ゆっくりと口を開いた。
「ケイは、死んだわけではない」
「魂は、まだ生きている」
「魂・・・?」
メイリアは、聞き返した。
「ああ、魂は、肉体から離れても、消滅することはない」
メルドリアスは、言った。
「魂は、永遠の存在じゃ」
「では・・・ケイを生き返らせることができるのですか?」
グロウは、希望を込めて尋ねた。
「ああ、方法はある」
メルドリアスは、頷いた。
「魂の絆を利用するのじゃ」
「魂の絆・・・?」
メイリアは、首を傾げた。
「魂と魂は、互いに繋がっている」
メルドリアスは、説明した。
「強い絆で結ばれた魂は、再び一つになることができる」
「そのためには、器が必要じゃ」
「器・・・?」
グロウは、聞き返した。
「ああ、魂が宿るための器じゃ」
「ドッペル人形と呼ばれる人形を使う」
「ドッペル人形・・・?」
メイリアは、初めて聞く言葉だった。
「ドッペル人形は、魂の形を模した人形じゃ」
メルドリアスは、言った。
「ドッペル人形に、ケイの魂を宿らせれば、ケイは復活することができる」
2. いのちの葉
「ただし、ドッペル人形を作るには、特別な材料が必要じゃ」
メルドリアスは、続けた。
「いのちの葉と呼ばれる葉を使う」
「いのちの葉・・・?」
グロウは、聞き返した。
「ああ、いのちの葉は、生命の力を宿した葉じゃ」
メルドリアスは、言った。
「いのちの葉は、未来にある死の山に生えている」
「死の山・・・?」
メイリアは、不安を感じた。
「ああ、死の山は、魔物が棲む危険な場所じゃ」
メルドリアスは、言った。
「しかし、いのちの葉を手に入れるためには、死の山に行かなければならない」
ケイを復活させるため。
メイリアとグロウは、死の山へ行くことを決意した。
3. 死の山
死の山は、想像を絶するほど危険な場所だった。
魔物たちが跋扈し、毒の沼が広がり、瘴気が立ち込める。
メイリアとグロウは、幾度も危機に直面した。
しかし、二人は、諦めなかった。
ケイのため。
二人は、互いを支え合い、励まし合い、困難を乗り越えていった。
そして、ついに、いのちの葉を手に入れた。
4. ケイの復活
メイリアとグロウは、いのちの葉を持って、メルドリアスの元へ戻った。
メルドリアスは、いのちの葉を使って、ドッペル人形を作った。
そして、ドッペル人形に、ケイの魂を宿らせた。
ケイは、復活した。
「ケイ・・・!」
メイリアは、駆け寄り、ケイを抱きしめた。
「メイリア・・・グロウ・・・」
ケイは、二人に微笑みかけた。
「ただいま」
「おかえり、ケイ」
グロウは、ケイの手を握った。
ケイは、温かい気持ちで満たされた。
5. アリシアの言葉
ケイが目を覚ますと、そこは、見慣れない部屋だった。
「ここは・・・?」
ケイは、呟いた。
「ここは、私の部屋よ」
優しい声が聞こえた。
ケイが声のする方を見ると、一人の少女が立っていた。
「アリシア・・・?」
ケイは、少女の名前を呼んだ。
「ええ、アリシアよ」
少女は、微笑んだ。
「よく眠れたかしら?」
「ああ・・・」
ケイは、頷いた。
「ここは・・・一体?」
ケイは、尋ねた。
「ここは、リーガル王国の王宮よ」
アリシアは、答えた。
「あなたは、長い間眠っていたの」
「そうか・・・」
ケイは、全てを思い出した。
魔王との戦い。
そして、自分の死。
「私が・・・死んだ?」
ケイは、アリシアに尋ねた。
「ええ」
アリシアは、頷いた。
「でも、あなたは、生き返ったわ」
「生き返った・・・?」
ケイは、自分の体を見下ろした。
確かに、体は、以前と変わっていた。
「どういうこと?」
ケイは、アリシアに尋ねた。
「それは・・・」
アリシアは、ケイに、全てを話した。
メルドリアスのこと。
ドッペル人形のこと。
そして、いのちの葉のこと。
ケイは、アリシアの話を聞き、深く感動した。
「ありがとう・・・アリシア」
ケイは、アリシアに感謝した。
「どういたしまして」
アリシアは、微笑んだ。
「あなたは、私たちの希望よ」
ケイは、アリシアの言葉に、再び力を得た。
「ああ・・・私は、世界を救う」
ケイは、決意を新たにした。