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最凶最悪の魔女がやってきた

 相手は警戒しているのか、動きを見せない。僕も一応相手から目を逸らさないようにしながら、質問を続けた。


 どうして相手に言葉が通じないんだい?


「えっとね、ケンのところの言語は文法の体系が全然違うから、多分こっちでは判別できないと思うし、本来ケンもこっちの言語は理解できないと思う・・・思考の同調で、私の分かる言語が聞き取れているだけよ。」


 「新たな従者をまた異界から」ってのが、非常に気になるのですが?


「フェルムも別の異界の人だったの・・・あ、私が無理やり連れてきたわけじゃないわよ?」


 警戒しているだけではどうしようもないと踏んだのか、敵兵が前進を始めた。


「今、立て込んでいるから、もう少し待ってくれない?」


 敵兵の方に手をかざしたオーラム。すると敵兵は何かにぶつかったように止まり、何もないように見える空中をドンドンと音を立てて殴り始めた。


「お館様!!これは結界でしょうか?」

「わからん!!魔術師!!解除できんのか!!」

「こんな強固な結界、おいそれとは解除できません!!」


 なんかパニックになってるけど・・・こんな平和的な魔法があるなら、もうそれだけ使ってればいいんじゃないかな?


「ケンはいくら安全でも、こっちを殺すつもりのヤツが必死の形相で何かしてきているのに囲まれている中で、心安らかに生活できるのかしら?」


 ・・・すいません、僕には無理です。


「まあ、確かに広範囲の結界が張ることが出来ればいいんだけど、私はそういうの苦手で・・・」


 人間、得手不得手があるのは仕方ないよね。


「まあ♡私を慰めてくれるのね?嬉しい♡ここは今すぐ夫婦の愛を育まなくては♡♡♡」


 僕、こんな衆人環視の中で、おっぱじめるような性癖は持ち合わせてないんだけど?


「私もないけど、やってみると意外と良いかもしれないわよ?・・・冗談はさておいて、あなたもあの人たちが消し炭になったりするのは嫌なんでしょう?じゃあ、やっぱりあなたが殴り倒すしかないわよ?話は落ち着いてからの方がいいでしょ?」


 それは一理ある。


「大丈夫よ?ケンはすごく強いと思うわ?あなたの異世界、魔法はないけど戦闘技術は闇雲に高度なんでしょ?一緒に視てたけど、軽く触れるだけで人が吹っ飛んだり・・・んふーーーそれを私独自の学習法でもって、たったの数分、見るだけの簡単な学習で、あなたはすでに免許皆伝の達人になっているのです!!どや!!」


 この魔女、漫画の裏表紙の怪しい学習教材の宣伝みたいなこと言いだしたぞ?


「まあ、何人か殴り倒してみればわかるわよ?じゃあ、結界、解除するね。」


 敵兵がものすごい形相でこっちに向かってくる。あれ?こんなの恐怖で固まってしまってもおかしくないのに、どうして僕はこんなに落ち着いているんだろう?ははーん、さてはこれ、走馬灯ってやつだな?・・・うう、記憶がないから、何にも映像がない。そんなの悲しすぎるよ!!




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