最凶最悪の魔女と、新生活を始める
そんな訳で、新生活(自称傭兵)をスタートさせたぞ!!まあ、思い立ったが吉日というやつで、見切り発車とか言ってはいけない。
途中、大型肉食獣の群れに襲われてる商人らしきキャラバンに遭遇したので、見殺しにするのも気分が良くないので割って入って事態を収拾したが、何故だか僕たちを絶望のまなざしで見上げていた。
オーラム本人ではなく、その武装に恐怖やらヘイトが向くようにと思いついたこれだが、少しやりすぎたかもしれない。
まあ、僕個人で働くことは事実上できないので、僕が働くためにはオーラムとコンビを組むしかないわけで・・・行商人とかも考えたが、僕が他人と会話できないんだから、そもそも労働に乗り気でないオーラムを前に出すことになってしまう。場合によっては要らぬ悪評がたって、またオーラムが傷つく・・・やっぱり、傭兵しか思いつかないなぁ。僕の事は、口はきけないがこれを動かすことが出来る稀有な相棒として周りに説明できるしね。
あ、オーラムは巨人の頭に乗ってもらって、砲台として火力に専念してもらうことにした。回避とかは僕が担当して、全力で手加減してもらえるようにとの心遣いだ。これで何とか常識的な火力に誤魔化すことが可能だろう。
・・・・・・・
おあつらえ向きというかなんというか、辿り着いた国は隣国と戦争状態だった。当然のように絶賛傭兵の募集中であった。少し調べたが、ここは侵略を受けている側だった。相手国の土地は瘦せていて、度々このような侵略を起こしている様だ。相手国にもそれなりの正義はあるだろうが、報酬がもらえるのは確実にこの国だろう。
まあ、雇ってもらうのは簡単だったんだけど、ちょっと僕たちは異質すぎた。どうやら僕たちのように人型のゴーレムを召喚する魔術師は居る様だが、これ程巨体ではないし、それなりに怪力ではあるが動作が緩慢で戦闘向きではなく、重作業に投入されるもののようだ。
担当者が少しこちらを馬鹿にするような態度をしていたのを見咎めて、カチンときたオーラムは、敵の一部隊を単独で相手する依頼を受けてきてしまった。
「ケンごめんなさい。ちょっとあんまりな云われ様だったから・・・」
これはオーラムを責めても仕方ない。寧ろ少しばかり威圧しといたほうがいいかもしれない。僕も少しばかり頑張ってみよう。
・・・・・・・・
相手は平野に陣取っていた。とりあえず、訳が分からない巨大なものが飛行してきて、人型に変形したから警戒して様子を見ている様だ。そりゃそうだろうな。
オーラムがぶっ放せば瞬殺は間違いないけど、それじゃあまたオーラムにヘイトが向くだけだ。できれはこの巨人に、ある程度はヘイトを分散させたい。そんな訳で、その辺の適当な巨石を掴み上げて投げつけた。
あ、いかん。思ったより速度出る・・・移動エネルギーに振り回されて体中の筋繊維の切れる音がするぅううわああああ痛ってえええええええええ・・・けどすぐ直った・・・・・・どうしよう?思ったより相手にすごい被害が出てる・・・
「ケン、何してるの?こんな時は走って敵を追い散らかした方が、犠牲者が少ないわよ?」
そういうものなのか・・・よしやろう、みんな逃げてね・・・自分で走っててなんだけど、乗り心地悪るぅぅぅ・・・・!!!あ、これオーラム大丈夫かな?
「うべろええええええごばああああああああああああああ」
・・・ダメだった・・・




