最凶最悪の魔女とデートする
てなわけで、転移魔法であっさり家に戻ってきたわけだけども。
「せっかくだから、クマがどうなったか見てみましょう。」
オーラムがそう言って、壁に映像を映し始めた。クマを転移魔法で押し付けるところから始まったから録画?
・・・・・・・・
「うわああああ!!!グレートジャイアントベアーだあああああ!!!」
取り敢えず、逃げ惑う住民たち。ああ、そりゃそうだよな。でも僕たち、細かくするには爆散させるしかないし、爆散した肉片送りつけても、ただのいやがらせになるだけだしなあ。なんかいい方法が思いついたら、次からそうしよう。
あ、メモに気付いてくれた。
「ひっ!ひいいいいいいい!!誰か・・・誰か領主様にこれを!!」
よかった。こっちの想定より効いてるみたいだ。
「大人しく兵を引いたことに感謝する。しかしながら、そちらに怪我人を出してしまったのは不本意である。詫びと言っては何だが、従者が偶然縊り殺した獣を進呈するので、怪我人のみならず、街の皆の滋養に役立てるといいだろう。 ー君たちが最凶最悪の魔女と呼ばれている者よりー ・・・ねえ、やっぱりこのメモ書き、親切そうに見えて、住民に途轍もないプレッシャーを与えてない?」
うん、それでいいんだ。相手が怖気ついてくれれば大成功だよ。そもそも大部隊での討伐はオーラムがいる限り愚策なんだって分かってるよね?
「そりゃあねぇ。私が相手をまとめて吹き飛ばせる火力を所持している以上、私に発見されたら詰みなわけだから、目立ちまくる大部隊なんて愚の骨頂だわね。」
そういうこと。まあ、オーラムのキャパシティーを上回る人海戦術を繰り出せれば、その限りじゃないけど。
「この前の山を吹き飛ばしたやつが、余裕で二桁連発できるけど?」
・・・えー、そんな訳で、少数精鋭による暗殺しか手がないんだけど、オーラムを僕が守っているから、それも簡単ではないって向こうが考えてくれただろうからね。
まあ、あの兵隊さんたちを僕が撃退した段階で、それなりに抑止力になっていただろうけど、今回のクマでダメ押しになるんじゃないかな?少なくとも、クマを素手で屠れる人材を用意する必要があるってわけだし、かなりの間おとなしくなるんじゃないかな?
「まあ素敵!!それまでの間、ケンと自堕落で爛れた生活を送れるのね?」
自堕落は如何なものかと思うけど、ある程度、爛れた生活を送るのは悪くないかもな、と言いつつオーラムをお姫様抱っこで抱き上げた。
まだデートは続いてるんだよオーラム。美しい我が妻をエスコートしようじゃないか。
「へ?あ?・・・ふあっ?」
なにやら間の抜けた声を出して、顔を赤らめるオーラム。それに構わず彼女をベッドに連れていく僕。そう!これだ!僕の求めていたのはこれだ!!やはり新婚家庭というのは、こうでなくては。
願わくはオーラムがこれを気に入って、充血した目で涎を垂らしながら僕の体の自由を奪って己の欲望を満たすような行動を、今後は控えてくれることを・・・




