最凶最悪の魔女とデートする
うーん・・・オーラムに任せるとその辺一帯焼け野原だから、僕がやるしかないんだけど・・・6メートルのクマを素手で相手するのかぁ・・・アフリカゾウとおんなしサイズだから、存在を否定できないのが嫌だなぁ・・・
こいつ野生生物なんだから、本能的にオーラムの危険性を察知したりしてくれないもんだろうか?
「野生生物だからこそ、体格しか考慮してないわよ、こいつ。」
・・・そうですか・・・そうですよね、このクマ、立ち上がって威嚇して恐怖で動けなくなった獲物を食い散らかすムーブかましてますよね、現在進行形で。
ああもう!!前足振り下ろしてきた!!受け止められるかもしれないけど、体重推定10tの奴が振り下ろしたのを馬鹿正直に受け止めるのはぞっとしないなぁ。
僕は両手で、流れに逆らわない様にクマの前足を後ろに弾くように逸らした。前のめりに姿勢を崩したクマの、体重がかかってるであろう、前に踏み出してる後足の膝を突き崩す様に蹴った。
クマの足から嫌な音がして、嫌な方向に曲がった。予想が当たったようだ。あれだけの巨体だから、二本足で立ちあがるなんて高負荷のはずだ。尚且つ体勢も崩してるんだから、もう一押しで折れるだろうと思ってたんだ。
そのままクマは大きく転倒し、そのまま動かなくなった。頭から落ちてたからなぁ、自重で致命的なところに損傷を受けたんだろうな。
「きゃあああ!!すごいわケン!!私の旦那さまったら、ス・テ・キ♡♡♡」
本来なら他の動物の命を奪う事について、葛藤の一つでもする所だろうけど、自分に襲い掛かってきてる巨大な肉食獣に対しては、そんな気持ちって微塵もわかないんだな。勉強になるなぁ。日本で普通の暮らしをしていれば知らなくていい知識なのは置いといて。
・・・ところで、これ、どうしよう?魚ぐらいなら何とかなるけど、これは僕にはどうしようも・・・放置もできないし・・・
「じゃあ、町の肉屋に押し付けちゃえば?」
プロに任せるのが妥当なのは分かるけど、僕らが街に出没するだけで大問題では?
「あげるとか、勝手に使えとかメモ書き付けて、肉屋の店先に転送しちゃえばいいんじゃない?」
うわあ、はた迷惑!!でも代案も浮ばないな・・・送り付けるのは確定として、文面にもう一工夫をしてみようか。
「ケンって優しい脳筋って言われたこと無い?まあいいわ、じゃあ、転送しちゃうわよ。」
まあ、転移魔法って便利!味気ないとか言っちゃあいけないな、この便利魔法。
それはそうと、クマに襲われてケチがついた感じなので、今日はもう帰ろうか。
「うん!わかったわ!今日は楽しかったわ。またデートしましょうね!」
・・・楽しんでもらえたならよかった。ちゃんとデートになってたんだな・・・




