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第八十七話 「砂塵の霊宮 Ⅴ」

  「イストちゃ~ん? 機嫌なおして?」

俺は、あの後また一つの問題を抱える事になった。 …それがこれ。

  「…知らぬ」

幼児状態のイストの頭を撫でるると、即座に右手でそれを払われる。 それを繰り返して早1時間。

 軽くウェーブの掛かった薄紫のツインテ。白い肌に、カレーでも作るのかというぐらいの見事な寸胴。

緑の釣り目でふて腐れて、頬を膨らましている。


今度はその頬を突っつく。

  「ほらほら、折角可愛いのにそんな顔したら台無しだぞ?」

  「…煩いのじゃ」


駄目だ。 完全にふて腐れてるよ。 オズと二人で解決してきた事にご立腹らしい。 …はぁ。

 クリーム色した石を四角に削り取り、それを積み上げて立てた家。そして同じ石を削って作った本棚や、テーブル。

 木製のベッドが三つでその上に分厚い毛布。 部屋はわりと大きく、正面に四角い窓が一つ。

その殺風景な部屋の片隅で三角座りして、ふて腐れているイスト。


アルドとオズは、日も昇って暑くなっているのか、日陰で座っている。乾燥地帯とはいえ、

 40度近くにまでなると、そりゃ暑いワケで。 そんな反対側の日陰でさっきから俺はイストのご機嫌を取っている。

  「ほらほら、帰ったらどっか遊びにいこうか? な?」

  「…知らぬ」


駄目だ、本当にこの子は。まぁ…少し置いておくか。 俺は立ち上がり、テーブルに置いている荷物袋を開く。

 それに興味を持ったのか、赤髪爆発頭…いわゆる勇者ヘアーの元気な男の子。俺とイストと違い、レガートから来ていて、

服が違う。黒基調の軍服に近い服装で露出はほぼ無い。 目はどんぐり目に近く赤い眼。 肌は黄色。

 そんなアルドが、待ってましたと言わんばかりにテーブルに寄りかかり荷物袋を覗いてくる。

  「ニーチャン! いくのか砂塵のなんとかってとこに!! 俺も俺も!!」



…一度少しだけ入って分かったが、子供を連れていける程甘い場所じゃない。 それが分かった。

 アルドにゃ悪いがここは…。

  「すまんな。 砂塵の霊宮はどうもそんな甘い場所じゃ無い様なんだ。 

       一つ間違えると即死するモノばかりだったよ」

不機嫌そうに眉を潜めて答えてくるアルド。

  「えー! じゃあ今回俺何もしないのかよ!!」

  「楽でいいじゃないか。 しかも臭くて暗くて狭くて、たまらんぞ? 少し入る事になって分かったが」

  「うげ! ニーチャン任せた!!」


…おい。 まぁいいか。 スパッと諦めたアルドが再び日陰に入る。俺は引き続きテーブルの上で荷物を入れ替えている。

  「水と食料と…ロープとナイフ。色々使える皮袋に…ん? ああこの紙は確か」

あの時に写しておいた紙だ。 イストのご機嫌直るかもしれないな。イストの方にいき、それを目の前に出す。

  「イスト、遺跡でこういうモンを写してきたんだが、何かわかるか?」


興味はあるのか、無言でソレを手に取り、光に当てて見ている。 内容分かるのか読み出している。

  「バーレの言語じゃな…。いやこれは言語というよりも…絵に近いモノじゃが」


絵? 象形文字みたいなモノか。 

  「成る程。…つかバーレってなんだ?」

  「この地域に在った失われた都市じゃよ。 蛇神に滅ぼされたのじゃ、

     かつてここは緑溢れる大地じゃったと文献にあるでな」

  「ほう…、流石に本の虫。 で、それ読めるのか?」


黙り込んでこっちを見ている。 何を考えてるか予想は付くが…。

  「教える代わりに、砂塵の霊宮は一緒につれていけ…か?」

  「人の心を読むのか、主は」

  「いや、ケルドでもネェからそれは無理。 ただ顔に出ていると」

眼を丸くして顔をべたべたと両手で触り出した。幼児状態だと確か精神年齢も下がるんだったよな。…厄介だな。

  「まぁ…分かった。だが臭くて暗くて狭い。その上で体より頭使う…ああイスト向きか」

  「じゃな。 で…この写しじゃが、途中で切れてて分からぬ」

ぐへ。 適当に写しただけだからな。 だがそれを透かして見ているイストが答える。

  「何かが封印されておる道。  光り輝く台座への道。

    愚かを試す道。 勇ましきを試す道。 強きを試す道。…後は読めぬな」


愚か者…ああ、あの信仰心を試すトラップか。

  「愚かってのは、信仰心と誠実さを試す罠だったよ」

イストが立ち上がり、興味深そうに歩いてよってくる。 ようやくご機嫌なおったか。

  「成る程のう…では往こう」

俺は、それに軽く答え、アルド達の方へと向く。

  「よっしゃ。 んじゃ行くか。 アルドしっかりオズのお守りたのむぞ?」

つまらなさそうに返事をする。 まぁ…つまらんだろうからな…ああ、丁度良い相手いるか。

  「アルド、この付近でも結構デカい魔物出るみたいだ。 被害もそれなりにあるだろうし、

    暇つぶしがてら倒してきたらどうだ? ただ尻尾の針の毒には気をつけろよ?」


それを聞くと、目の色を変えて喜び、このクソ暑い砂漠の町へとオズを引っ張り出て行った。

  「余程、暇だったのか」

  「主がおらぬ間、愚痴ばっかりこぼしておったからの」

  「成る程」


それから俺達も、砂塵の霊宮へ行く為の準備。ある程度の食料と水。松明。そして映画で見た知識程度の道具。

 それらを詰めた道具袋を腰にぶら下げる。

  「主。 道具を持つのは良いが…何故に鞭まで腰にぶらさげておる?」

  「ん? ああ…気分的に。は…博士といってくれてもいいぜ?」

  「時折…意味不明な事を申すな。主は」



------------北東の遺跡・地下二階-------------


  「中はやっぱり涼しいな」

  「うむ。外は暑くてかなわぬが…して、入り口はどこに」


そういうと、俺は松明を地面に当てて、あの出っ張りを探す。 確かこのあたりに…あった。

  「これだこれ」

一度軽く踏むと、イストの少し後ろの床が鈍い音と共にバックリと開き。 足を離すとまた閉じる。

  「入り口というよりも…落とし穴では無いのかこれは…」

閉まった其処を見ながら首を傾げている。

  「ああ、下に針の山があるよ。 どっかに入り口がちゃんとあるんだろうが、

     とりあえず、ココからでも行ける様だからな」

  「成る程のう。 まぁ一つ解いておるなら、ここから往くが良いか」

  「そういう事」

モグラにでもリンカーフェイズして、一気にゴールを目指す事も考えたが、

 入り口が多数あるということは、道がかなりあるということ。下手に穴を掘ると地盤沈下を起こす可能性が高い。

 完全に罠を一つ一つクリアしていく必要がある。 難儀なこって…とか思いつつもワクワクが止まらないんだこれが。

  「よし、じゃリンカーフェイズして行きますか。 生身だとココはまず降りられないからな。

     同時に精神力削って歩くのは一人でいいだろ」


それに頷いたイストは、俺に歩み寄る。 俺は軽く屈んでイストの手が胸元にくるのを待つ。

  胸元に手が届くとイストは、呟く。

  「心拍同期…解析開始アクセス!」


その直後、足元から影が湧き出て俺達を包み、その影を取り払う様に、

 前世の一つ、鷹の姿を一部借りたホークマンと言えばそのまんまな姿の俺と、二頭身化したイストが現れる。

  

一度周囲を見渡し、重しを探す。 丁度手ごろな崩れた壁の破片を仕掛けの上に置き、穴を開いた状態に固定する。

  「これで帰り道は確保と」

  「じゃな。では往こうぞ」


俺は翼を羽ばたかせ、風を地面に叩きつけ一度天井付近まで飛び、足から落とし穴へと。

 結構狭いので羽ばたけない、はじめから翼で風を受け止めつつゆっくりと傾斜を滑っていく。


5分近くかかったが、安全に傾斜の底へと着く。 相変わらず剣山に串刺しになった頭蓋骨がいくつもついており、

 足元にはその他の骨が結構山積みになっている。

  「主、よくこれを抜けたモノじゃな。 落とされたんじゃろ?」

  「ああ、ビビッたよ。あと少しリンカーフェイズ遅ければ、俺もその骨の仲間入りだったよ」

  「危ないのう…」


そう言うと、隣にある通路へと移動し、先ほどの信仰心と誠実さを試す罠へと。

  「これがそうなのじゃか、…然し、他と道自体に変化は無いのに良く分かったの?」

俺は地面に松明をかざして、骨を見せる。

  「最初の罠は死者が教えてくれる事が多い。 ほれ頭蓋骨が横に真っ二つだろ?

    他の骨も切れたり砕けている。 つまり…」

  「成る程じゃ。壁から何かが出ていると…、ふむふむ」

こういうの好きらしいな。俺の肩周辺で浮遊しながら楽しそうに壁を見ている。

 そしてアルセリアのイニシャルを踏みつつ、俺はその罠を進み、あの分かれ道へと。

  「く…臭いのう。なんじゃこの臭いは」

俺は、左の上り道を照らして見せる。

  「そっちに大量の死体が山積みになってんだよ。

   ディアリアとかいう魔物の下らない欲望の餌食になった人たちの死体が」

  「成る程。 では右の道という事じゃな」


俺は頷くと、松明を足元にかざしつつ、中腰になり一歩一歩慎重に進む。ココから先は俺も知らない。

 暗闇から、乾いた風だけが吹いてくる。 風と壁と天井に注意しつつ確実にゆっくりと進む。


時間がどれだけ過ぎただろう。一分が何時間にも思える集中力を使い、道を進むと、大きく開けた場所に出た。

  「なんだ? 何かおかしくないか?」

  「光を喰らう闇。 バーレの失われた魔術じゃな。 いかなる光も届かぬ」


盲目系の術か。 割と禁術ばっかってワケでも無いのか。 少し気になったのか、

 俺はその闇に松明の先を近づけてみた。

  「どれどれ…」

不可思議な事に、周りが暗いまま松明の火がそこにある。 面白いな。いや問題はこの闇の中に何があるかだ。

 俺達の前に、地面が途中で横一列に途切れた闇が目の前に立ちはだかっている。


  「闇は分かったが。問題は、これが勇気を試す道ってやつか?」

  「じゃろうな…にしても面妖じゃな。 宝を隠すというよりは持ち主を求めて試す。

     そう取れるのこれは」

俺の顔の横で、短い腕を顎に当てて首を傾げているイスト。

  「そういやそうだな…砂漠の盗賊リーシャ。 こいつもただの人間だと思わない方がいいな」

  「じゃな。 何かの守護者と考える方が妥当じゃろう」


守護者か…あの罠考えると、相当性格が捻じ曲がってそうだな。 俺は松明を闇から周囲へと向ける。

  「さて、試すというならヒントになるモノがあるだろう」

右側の壁を触れて砂を払い、感覚を頼りにあのプレートらしきものを…あった。

 松明を近づけてそれを読み取る。

  「…知恵無き一歩は勇無き一歩  勇無き者には風の裁きを…」

  「ふむ。知力試してきておるのかの?」

  

壁に近づけた松明の反射光が、考え込む俺とイストを照らす。

  「うーん。光が通用しない、つまり視覚に頼る事無く…か?」

俺は周囲に松明を掲げて周囲にそれらしいモノを探すが、全くそれが見当たらない。

 この手は大抵足元が崖になってて、踏み出す一歩の勇気を試すモンだが…何か違うな。

俺は闇に近づき、中央付近の風を調べてみる。 明らかに下から吹き上げてきている。

 何よりその風を切り裂く様な音も聞こえる。

  「ふむ…この闇は不可視の闇じゃ。いかなる光も届かぬ」

  「視覚に頼らずに。多分聴覚と触覚じゃないか?」

イストが闇から俺の方へと顔を向ける。

  「なんじゃ? それは」

  「つまり、ほれ」

イストを掴んで風の吹き上がる方へ近づける。

  「ふむ。確かに音と風が良く分かるの。隠された道から外れると崖の下という事じゃな」  

  「だな。 という事は、この風と音を頼りに進め。という所か」

  「じゃな、では探してみようかの」

俺達は、四つんばいになり、風が避けてきている場所を探す。 とりあえず中央。

 定番なら中央に道があり、そこを進む。 が…風が吹き上げてきてるな。

  「真ん中では無いか流石に」

  「それは主、真ん中にあったら試す意味なかろう?」

  「だよな…」


そういって互いの顔を見合わせると、右側へと移動する。そして風を確認する。ふむ…。

  「どうじゃ?」

  「ああ、道は確かにあるぞ…が、コイツはひっかけだな」

  「ほう…何故じゃ? ここに道があるのじゃろう?」

  「風の感覚では道は在る。が、耳だ風を斬る音が微かに聞こえる」

  「成る程のう…つまりここは外れじゃな」

今度は左へと移動する。 また同じく周囲の風と音を探る。

  「なんじゃ、もうここで決まりじゃろう? 進むと致そう」

  「待て待て、ここの守護者だろうリーシャ。相当なへそ曲がりだ。

    ここまで来る事は考えていると見た方がいい。それに」


耳を澄ますと、やはり風を斬る音が聞こえる。 こいつも風の裁きだな。

  「なんじゃこりゃ。 ココも駄目だ、入ると死ぬぞ」

  「なんじゃ? では全て外れじゃのか?」


全部外れは無いだろ流石に。触覚と聴覚を探って進ませる試練だろ? …いやまてよ。

 それが勇気なのか? どう考えても慎重さだろう。勇気が答えになってる筈。

  「全てじゃないだろ。…勇気…ああ、まさか」

  「主、分かったのか?」

  「なんとなくな。 左右だと勇気というよりも、慎重さだろ? それが知恵」

  「ふむ…確かにそうじゃな」

俺は再び、中央の風を探る。確かに下から吹き上げてくる。が、風を斬る音が近くには聞こえない。

  「分かったぞ。 左右で知恵を試し、それが罠だと見抜いた奴が、更に勇気を試される」

  「ふむ? つまりこの道が無い場所が答えじゃと?」

  「ああ、多分怪我しない高さの所に地面があるんだろ」

両手を胸の手前でポンと叩くイスト。 …いや、確証は無いぞ。

  「では、ここを降りるのじゃな?」

  「待て待て、これが正解なのか? 少しひっかかるぞ」


正面に答えがあると、そのまま気づかずに進んでゴール! 何てことも在り得る。

 てこた…コイツも引っ掛けだろうな。 そもそも知恵は何のためにある? 

 …知恵ってのは道具を使う為にあるだろう。…成る程。

  「分かった。 知恵ってのは道具を使って確実な道を探せってことだ」

  「ふむ。道具じゃのか。つまり左右の道を道具を使ってかの?」

  「いや、真ん中で正解だが、道具を使わないと正解にはならない。という所だ」


俺は道具袋からロープを取り出し、近場の壊れた大きい瓦礫に結びつける。

 そして先端にも重し代わりの瓦礫を結びつける。

  「…? どういうことじゃ?」

  「つまりだ、崖の下に地面は無い。 が、崖の側面に次へと続く道がある。

    風がどう考えても何か障害物を避けている様な勢いじゃないからな」

  「…性格の捩れた守護者じゃのう」


…お前も大概に性格捩れているだろうが! などと心の中で叫びつつ、

 ロープを投げずにゆっくりと下ろす。 …ん?軽くなったな。 引き上げて先端を見ると斬られて先が無い。

  「なんじゃ、先がなくなっておるぞ?」

  「降りすぎると、切り刻まれるって事か。だったら」

俺はロープの先端に瓦礫の重しをつけ、再び慎重に下ろす。

   そして軽くなった途端に手を止め、そこに布を巻きつけた。

  「高さはこの布まで。この布がちょい上にくるまで下ろして、穴を探せばいいってわけだ」

  「ふむ…では往こうか」

俺は、松明を嘴でくわえつつ慎重にロープを降り、中間ぐらいに風が横から来ているのが分かると、

 そこへ松明を片手に持って軽く前に掲げる。

  「大当たり。 こいつだな…ちょいと痛いが…」

そのまま、滑り込む様に洞穴へと飛び込み、土煙を巻き上げて、滑り込んだ。

  「いでぇな。…まぁ、下手に反動つけると帰りのロープなくなるからな。仕方ない」

  「成る程…ともあれ二つ目も無事通過じゃな」

俺は軽くイストの頭を撫でて答えた。

  「ああ、今回はお前が居て助かったわ。そのなんたら言語読めなかったしな。…つか。

    ここは何で最近というかそのなんたら言語じゃないんだろうな」

  「それは簡単じゃろう? 道は一つでは無い。

     元々何かの為にあった道のいくつかをリーシャが作り変えた。と考えるべきじゃろう?」

  「ああ、成る程。 蛇神の封印への道と、リーシャが何かを護っている道。

     それが別々に存在すると…確かにイグナさんは砂塵の霊宮に封印されている。

     そういったからな。 その本道がここでは無いって事か」

  「分からぬ。 が、今はそう考えるのが妥当じゃろうな」


俺は頷くと、再び足元に松明を掲げ一歩一歩慎重に進んでいく。 

 どうやら道自体にはトラップは無いようだな。

 だが…その油断した所を見計らって仕掛けてくる可能性も否めな…とことんリーシャってやつは!!

  「本当に人間の心理的な部分突付いてくるな!!! 会ったらぶん殴ってやる!!!」

  「どうしたのじゃ? いきなり大声で」

  「ん? 道自体に罠は無いと思い込んだ頃合を見計らって、道に罠があるんだよホレ」


ここまで来た奴がいるんだろう。 明らかにまた骸骨が四散している。 

 周囲を探してみるとプレートは無い。 が、骸骨が砕けている。 確かに何かある。

  「おかしいな…罠がある筈なんだがな」

俺は手ごろな破片を道の先に投げつけてみると、何も起こらない。 なんだこりゃ。

  んじゃなんでココに? まぁ、注意して先を進むことにした。


  「何も起こらぬな?」

  「んだな、まぁアレも何かしらのヒントになる。覚えておこう」


再び、慎重に進むと壁に突き当たる。ん? 行き止まりか?

  「なんじゃ、行き止まりでは無いか」

  「いや、隠し通路だろ?」

俺は周囲の壁に耳を当てて、叩いてまわる。 

  「何しておるのじゃ?」

  「ああ、反対側が空洞になってると音が軽いんだよ。 音が反対側に突き抜けるからな。

    何も無い壁だと音が詰まった様に重いってか鈍い音がする」

  「ほう…」

真似をしてイストも叩き出した。 可笑しいな…どこを叩いても音が鈍い。

 それに心なしか道が傾斜…傾斜!?

  「なんじゃろうこれ?」

  「待て! 触れるな触るな近寄るな!!!」


一歩遅かった、イストがスイッチらしき仕掛けを押すと。ゴトリ…と言う音が崖の方から聞こえてくる。

 

  「お約束キター!!!!!」


  「ワ…ワシは何も悪い事はしておらぬぞ!?」


  「いや! した!! おもっきりした!!!!」


あるとは思った岩ゴロトラップ!! しかも後ろは行き止まりどうすんだよ!!!!!


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