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第五十九話 「レガートの封印」

五十九話目の投稿となります。

 今回はガットメイン。




  「んが…? ち! 気絶してたのか」

周囲を見るとやたらデい牙が至る所に。 察する所レガの口の中か。

 俺様は横で寝ているアリセアをひっぱたいて起こす。

  「おきろブス!」

  「んにゃ…もう食べられない…」

何の夢見てるんだよ!! ひたすら顔を引っぱたく。

  「いた…いたたた…痛いわね!!!」

頬を真っ赤にしながら勢い良く起き上がってきたアリセア。

  「お、起きたか! さっさとリンカーフェイズしていくぜ!」

  「…」

ん? 俯いて…握り拳つくって震えてるがどうかしたのか。

  「乙女の顔に何するのよ馬鹿!!!」

言葉と同時にアリセアの拳が俺様の右頬にめり込む。

  「いてぇな!! んな事いってる場合かよ!!

    さっさといくぜ!!」

  「え? いくって何処に」

  「現状把握しにいくんだよ!」

そういうと、頷いたアリセアが俺の胸に手を当ててくる。

  「心拍同期…解析開始アクセス!」


俺様達を影が包み込み、そして影を取り払い出てきたワイバーの一部姿を借りた俺様。

 レガの口の中だろう、そこから飛び出しレガの顔の横にくる。

  「口開けっ放しにさせて悪かったな!!」

目だけ俺様達の方を見て口を一度閉じて、中の土やら瓦礫を吐き出すレガ。

  「構わん。 それよりも親父の死に様はどうだったか?」


ああ、やっぱ親子か知りたいんだな…。

 ふと地面の方に目をやると、師匠達が空に逃げてくるが…。

 イドとマリアがいねぇな。 まだあそこか!

  「ああ、ワリィ!! ちょいともう少し用事が済んだらだ!

    まだ助けて無いのがいるんだ!!」

  「イド君とマリアちゃんの事? でも、もうあの溶岩の中じゃ…」

  「うるせぇ! まだ死んだときまってねぇよ!!」


デカい顔をこちらに向けるレガ。

  「まだ待たせる気か? 流石にこれ以上は…我慢はしきれんぞ」

  「は! だったらコイツはどうだ! もうちょい付き合ってくれたらコイツを教えてやるぜ!

    まだレガはコイツを使えネェと、ジーサンいってたからな!!」


少しレガから離れ、翼で空気の渦を作り、一瞬出来た真空に火を吐き爆炎を作り出す。

  「それは…親父の!!」

更に爆炎を吸収して体に纏う。

 相変わらず肩付近で小さくなったアリセアが、熱い熱い言って転げまわっている。

  「おうよ!! まだ手に入れて無いってんなら、

    もうちっと付き合ってくれたら…覚えるまで相手してやるよ!!」


ぐぉっ!? レガが大きく吼えた。俺達は両耳を押さえてレガを見る。

  「なんだ! うっせぇ!!」

  「みっ…耳がぁぁっ!!」

音の衝撃波とでもいえば良いのか、それが纏っていた炎をかき消した。

  「おいおい…どんな咆哮だよ!!」

  「すごっ…でも耳がキンキンする」

目が回ってるのか? フラフラしながら浮いているアリセア。

 それを見てレガは大きく笑った後、一度口を閉じてまた開く。

  「嘘だと思っていたが、どうやら本当だったようだな!

    いいだろう…ソレと引き換えにこの場は貴様に従ってやる!」

俺様は、両手を腰に当てレガを睨みつけて言い返す。

  「教えるっても、戦って手に入れるしかないぜ!?」


目を丸くして俺様を見るレガ。

  「人間が竜族に戦いを挑むか? …どこまで面白い奴!!」

そういうと、視線を地面に移す。

  「先ずはあの溶岩か」

  「おいおい! 生きてる奴等いるかもしれねぇ。消し飛ばすなよ!?」

  「残念だが、あの中で生きている奴はいない」

  「…そうかよ。 だがまだ確実に生きてそうなのがいるから…吹き飛ばすなよ!」


そういうと、一足早く地面へと急降下する。 

 その後ろで声が聞こえる。

  「あの中でか。 人間も強くなったものだな!」


周囲に目もくれず、急いで溶岩の海へと向かう途中。

 師匠達がいたが…そっちは任せて俺様は一気に溶岩の海になりつつある地面へと降り立った。

その直後に地震ともとれる大きな縦揺れと共にレガも降りてきた。

  「どこだ…」

鼻で臭いを嗅ぐが、熱気と何か鼻を突く臭いが邪魔して全く探せない。

  「くそっ! 鼻がいてぇ!!」

  「馬鹿! 熱でやられるわよ!」

速度は大した事は無いが、確実に地面を焦がし瓦礫を飲み込みながら流れてくる溶岩。

  「畜生! どこだ」

瓦礫の合間を飛び、溶岩に近づく。

  「ぶぁっちい!!!!!」

  「あつっ!! 肌がやけちゃうよ!!」

慌てて距離を置いて着地する。

  「なんだ…ありゃ。 初めて近くに寄ったが、とんでもない熱さだな!!」

  「近づくだけで死んじゃうわね…」


これだけ熱いのに、何故か寒気を感じなくも無い。

 溶岩から距離を取り、イドとマリアを探す。

そこに一人…いや二人倒れているが、ありゃキリウのオッサンか!!

 どうする。このままほっといた方が…いや。

オッサンの方へ飛び、二人を抱えて溶岩から距離を取る。

  「レガ! 悪いがこの二人を頼む!」

  「判った」


レガが相手ならあの二人でも勝てネェだろ!

 後はあの二人…。


再び、溶岩から距離を置いて周囲を探す。

 あれは…! …どうすんだよ!!


一際デカい瓦礫が幸いしたのか、

 壁になって二人を避ける様に溶岩が流れている。

慌てて上から二人の所へと飛び込む。

  「あつ!!」

そのまま二人を抱えてレガの元に戻る。

 あの二人はまだ気絶してるな。

あの状態の師匠におもっきり殴られてたからな。

 死んで無い方がおかしいぜ。

  「これで全部か?」

こちらを見て口を開いたレガに俺様は言い返した。

  「おお! これで全部だ!!」


軽く頷くと、俺達に背に乗れと言った後、大きく息を吸い込み腹を膨れ上がらせる。

  「うぉ…! ジーサンのアレか!!」

  「ちょっ…」

翼を羽ばたかせて軽く飛び、周囲にブレスを吐き出す。

 地面にある物全てを抉る様に溶かし、溶岩ごと吹き飛ばす。

然し流れは止まらずに、どんどんと流れてくる。

  「ふむ。思ったよりも厄介だな」

  「どうすんだよ!」

  「どうしようもないよ! 助けたんだから…流れが収まるまで待つしか」

…そりゃそうか!

 俺様はレガの背から飛び降りて、顔の横に行く。

  「っしゃ! 後はあのケルドのニーチャン倒すだけだぜ!」

ん? 何か怒ってないか。

  「ケルド…俺を騙し捕らえた奴か。丁度良い…消し炭にしてくれるわ!!」


レガはアイツラを背に乗せたまま羽ばたいて、師匠達のいる所に一気に飛んでいった。

 それを呆気に取られた様に見ている俺様。

  「気性荒いっつーか…直情?」

  「あんたにそっくりねガット」

  「俺様はあんなんじゃねぇ!!」

  「まんまじゃないの!」

互いに睨みあってる最中、割って入る様に聞き覚えのある声。

  「んもうっ! どうするのよっ!! 封印のある所にまで地面抉ってくれちゃって!」


封印? そいやここにも…あるとかなんとか。

 俺様の顔を押しのけ、身を乗り出して叫ぶアリセア。

  「えーっ!! じゃ…溶岩なんとかしないと…」

  「なんとかったって…レガでも吹き飛ばせなかったぜ?」

  「ワタシでも無理よっ! 自然の力に逆らうなんて不可能なのよっ!?」


オーマの視線の先を見ると、どんどんと抉られた所の一部に流れ込んでいく溶岩が見える。

  「うわちゃー! 師匠に怒られちまうっ!!」

  「馬鹿! でも…黙ってればわからないよね?」

  「それだ!!」

  「アナタ達…以外とずる賢いわねっ! まぁ…どうしようもないわっこうなったらっ!」


三人で頷きつつ、溶岩が流れていく様を見ている。

 こんこんと流れ込んで行き、それから暫くして小さい地震が起きる。

それが段々と大きくなり、周囲の溶岩・瓦礫を巻き上げつつ大きな地震へと。

  「空に逃げるわよっ!?」

  

頷くと慌てて空に逃げる。

 あの時見た光景と同じ、光の柱が天高く立ち上る。

周囲は溶岩が沸騰した様に…いや爆発?

 何か知らないが、瓦礫が落ちてそれが溶岩に落ちた瞬間に爆発している。

  「なんだ…ありゃ。 なんで溶岩が爆発してんだよ!」

周囲を赤く照らし、空からは青白い光が夜空を明るくしている。

  「さぁっ! 気を引き締めていかないとっ!」

  「おおっ!」

  「ちょっと! ケルドさん合わせて神族二人相手にするの!?」

確かに神族二人同時に相手にするわけだよな!

 ちょっと…どころかかなりヤバいな!!


俺様達もその場を離れ、師匠達のいる所へと飛んでいった。



五十九話、最後まで読んで頂いてありがとう御座います。

 

次回は主人公メインとなります。

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