表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
44/129

第四十四話 「女」

四十四話目となります。 どう考えても精神的に15に収まりそうにないので、少し展開を変更。 ストーリーそのものに影響はありませんが。


 今回はアリセアメインです。



  「はぁ…」


ガットの部屋と似たような部屋の作り。

 家具一式に、何よりこの窓の無い部屋。

逃げられない様に…かな。 それよりも暴れてないかしらあの馬鹿。

すぐ暴れるからホント。


大きめのベッドに寝転び、天井を仰ぐ。

 テーブルの上に食事はあるけれど、食欲が沸かない。


…この街の構造、さっきのケルドさんの言った事。

貧富の差がそのまま街の形になったかの様な作り。

 力のある人が常に力の無い人を…か。 

クラドのオジサンの子供の事もあるし。

 ケルドさんも何を考えているか判らない。

あのまま殺していた方が有利なはずなのに。

 顔を横に向ける。冷たい灰色の壁ごしに妙にさっきから気になっていた声。

女の人のうめき声みたいなのが、微かに聞こえるんだよね。

 はぁ…、 イグリスに戻りたいなぁ。



部屋の入り口からドアをノックする音。

 ドアが開きケルドさんが入ってくる。

黒い髪を短く切ってそれを後ろに纏めている。

 白い肌に整った顔。 細めの体に黒い服。

この人、結局レガートの人だったのよね…あれ?

別の男の人が一人。 何かあるのかな。


ベッドから起き上がり、座り込んでケルドさんの方を見る。

  「お二人とも処分は免れましたよ」

安堵の息をもらすウチを見て言葉を続けるケルドさん。

  「今後はレガートに住んで頂きます。

    では、アリセア君に与えられたのはこの男性。

    頑張って強い子供を作って下さい」


…え?


  「この国では、女は子供を作る道具。 それ以外に価値はありませんが…。

    貴女はガット君のパートナーでありますので、この部屋が与えられました。

   先程、貴女とガット君が戦ったキリウさんにも沢山女性がおられますが…」


え? 何でさっき女性の声が聞こえてきてた壁…まさか。

  「お解り頂けた様ですね」


え、いや…いやだよ。

 シーツを強く握りベッドの奥へ逃げる様に下がる。

  「辛いのは最初だけで御座いますよ。

    ちなみに、この男性は貴女よりも力の強い方ですので、逆らいません様に」


…いやだよ!!

 一礼するとケルドさんは部屋から出て行った。

残ったのは名前も顔も知らない男の人とウチだけ。

 

 !!


目の前で服を脱いで裸になる男の人。 この意味は…考える必要もなく。

 考える暇すらもなく、ウチを掴んで押し倒した。

胸元の服を掴まれて、上着を破かれ慌てて腕で隠す。

 隠した腕ごと体を押さえつけられ、もう片方の腕でスカートと下着を下げられた。


  「何すんのよ馬鹿!!」


思わず男の人の腹部にあたる場所に、膝を蹴り上げた。

 その瞬間、頬を叩かれてさっきの壁の方へ向く。

さっきの女性のうめき声の様なモノ…考えたくなかったけど、…これ。

 必死で抗い殴ったりしたけどその度、頬を叩かれてどうにもならず。ついに体に力を失った。


  「嫌!…やめてよ」

口だけは、止まらず。 その言葉を聞く度に男は歪に微笑む。 何この男の人…。

  その直後、胸元に何か濡れたモノが這う様な感触を覚え、体が仰け反る。

  「ひっ…ちょ!!」

おそるおそるソレを確認すると、胸を舐められ…

  「っ!!」

軽く噛まれたり…。  !!

  「そこだめ!!」

慌てて両手で股下を押さえたけど、無理矢理払われて、男の手が入り込んでくる。

 嫌悪感から逃げようと男の肩を掴み押して逃げようとするけど、逃げられない。

 さっきの嫌な感触が股下の方で…。


逃げられないどうしようもない。 ただ目から涙だけ流して、壁を見るしかなく。

 口からこぼれた…アイツの名前。


そして隣からも声…何故か段々と大きく…。

 大きく? え? いきなり壁が砕けたと思うと、ウチを弄んでいた男が反対側の壁に吹き飛んだ。

  そして、聞きたかった声。聞きなれた声。

  「危ねぇな! 間一髪ってとこか!? …っておい!!」


目に涙を浮かべて、ガットに泣きついていた。 怖かったから? 逢いたかったから?

 判らない。 でも安心感だけはある。


  「我慢ならねぇ…師匠にゃ悪いが…」


  「困りますねぇ。 壁を破壊して進むなんて非常識ですよ。ガット君」


あれ? いつの間にかすぐ隣にケルドさん。ドアが開いた気配もしなかったし。

 ってきゃぁ! ガット! どさくさにまぎれて抱きしめないでよ!!

  「ねぇちょっと! ガット!?」

  「ちょっと黙ってろ!」

  「ああ。成る程。 いやそう言う事でしたか…」


え? 何か、ケルドさん勘違いしてるのか、ウチ等見て笑って…。

  「そっ…そんなんじゃないってば!!」

  「いやいや。 ふむ、ではガット君にアリセア君をあてがって貰える様に頼んできましょう。

    さっきの女性は残念ですが…お気に召されなかった様ですし」


さっきの女性? ガットも似たような…。

 …。

  「おい!そりゃまさか!」

  「はい。 この街の外周に行って貰うしかありませんね。

    もしかしたら他に回るかもしれませんが」

何言ってるの? 良く判らない…。

 でも、ガットが凄い怒ってるし。

  「取り合えず、先程の部屋に戻って頂きます。 アリセア君も着いてきて貰いますよ」




そういうと、ウチ等はガットのあてがわれた部屋へと。

 壁に穴が…。 まさか、ウチの部屋にあたるまで殴り壊して…。

  「ガットあんた…どれだけ非常識なのよ! 考えも腕力も!!」

  「うっせぇ!!」

  「本当に非常識ですよ。 私も庇うのに大変ですからここまでされると。

    これが最後だと思って下さいね」


そういうと、ケルドさんは部屋から出て行った。

 そういえば、女の人三人って…いないけど。

おそるおそるガットの顔を見てみると、いつになく怒ってる。

 街に来た時みたいなあの顔をしてる。

  「ガット?」

  「判ってるよ! 目だった事はすんなだろ」

  「うん、判ってるならいいよ」


…でも。…ふとウチは自分の足元に目をやると気付いた。

 服を着ていない。というよりも破かれた服が、肌に掛かっているだけ。

そのままガットに視線を移すと、必死で顔をそむけている。

  「すけべ!!!」

さっきの嫌悪感も相まってか、それが全てガットを殴ると言う事に収束された。

  「いてぇな!! とっ…とりあえずほれ」

ガットが上着を脱ぐと、ウチに放り投げてきた。

  「あ、ありがと」

それでも顔を背けているガット。 とりあえずウチはベッドに座りこむ。

 ガットはさっきの立ち位置から微動だにしない。

  「と、とりあえず座ったらどう? 見てて疲れるわよこっちが」

  「お…おう」


って、隣に座ってきた!!?

 顔は相変わらず背けてるけど、顔が真っ赤。 …わりと可愛いとこあるのよねコイツ。

  「さっきは…その、助けてくれてアリガト…ね。 やり方は…だめだけど」

  「うるせぇ!」




ウチは俯いたまま、ガットは顔を背けたまま、言葉もうまく繋がらない。

 何か妙な緊張感と空気のまま、時間だけが過ぎていく。


耐え切れなくなったのか、ウチはベッドに寝転ぶ。

  「ねぇ、ガット…」

  「あんだよ」

不機嫌そうに返してくる…というよりも緊張している。

  「イグリスに…かえれるよね?」

  「師匠達が着たら帰れる!」


うん…そうだよね。 でも、もし…かえれなかったら…。

 それよりも、もしまた別の男の人に…。


だったら…。


  「おい! なんだ!?」


せめてガットに…。

 ウチはガットの肩を掴んで、彼を押し倒していた。

四十四話、最後まで読んで頂いてありがとうございます。


 少し風邪でも引いたのか、体がタルい今日この頃。


次回はガットメインとなります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ