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第三十八話 「雷竜」

三十八話目となります。  引き続き主人公メインです。



 

  おー…。いい朝だ。 俺は寝床をあてがわれてあの後、速攻で寝たワケだが。

 夕日も良かったが、朝もいいな、ちょい風が冷たいが目覚ましには丁度良い。

 少し早起きし過ぎたのか、まだ人は少ないな。


…しかしおかしいな。 体に模様が見当たらないが・・・ああ。

 雷竜の居る所と、エルフィ族のいる所が違うのか? ノヴィアっていってたもんな。

 ん? しかし場所はエルフィ族に聞けっていってたのに、いきなり雷竜。

  …アリオの性格だ、面倒なんで最短ルートで着たってことか? そんな所だろう。

それよりも問題なのが…その雷竜ヴァランだ。 二つの雷を使うデカブツ。

 片方はサンダーだろうが、片方は檻…。サンダーストームってところか。

 どちらにせよ、ただの人間がそんなモノ食らったら死ぬだろうが。

  実際10人中6・7人は死んでるっつー話だし…お?

アイツは早起きなんだな。 スアル、昨日来た時に壮絶な出会いを果たした女の子。


見た目14ぐらいっぽいが年齢聞いて無いな。

 まぁそれはいいとして、足を射抜かれてしかも傷口を刃物で斬られた出会いっどんなんだよ。

 感動どころかトラウマとして残っちまうよおい。


まぁ、そりゃいい。傷は治したしな。 …ヒール系のモノが無いから不便だよなぁ。

 ん? こっちに気付いたのか歩いてきた。 朝日に眩しい美少女と言った所。

銀髪を無造作に長く伸ばした髪。小さい顔にちょい大きめのつり目。

 …言動が上から目線も相まってか、目が据わってる。それが更に据わってる様に見えるワケだ。

で、クリーム色の皮製だろうかソレに赤い刺繍と。胸と腰に巻いている。 後は何もつけて無い。

 いきなり風でめくれ上がった時に見えた小さくてカワイイお尻。

  日焼けの境目がとても印象に残った女の子。地肌は白っぽい。


然しなんだな、こうしてみると、目が据わってる所を除けばこれは…カワイイ。

 いや、何変な事ばっか考えてる。それよりも雷竜なんとかしないとだろうに。

  「・・・・・」


お? 何か言ってきてるが…朝の挨拶か? 多分そうだろう。

  「おいーっス!」

と、言うと手を軽く振って挨拶する。

  「・・・・・」

いや、すまん。言葉だけだと判らんから。 ん? 手招き、ついてこいってか?

 取り合えず何か知らないが、手招きされたので、人のまだ少ないこのテントが沢山ある中を歩く。

5分程歩いて、ついた先は井戸。 不恰好だが石で周りを囲っていてちゃんとした井戸になってる。

 勿論紐もついてるワケだ。

で、ここにきて何するものぞ。 水を汲み取り出して、入れ物に移して…飲めと?

 まぁ、寝起きで喉渇いてるしいただいておくと。

  「・・・・・」

えらい眩しい笑顔で笑うな。 …でも目が据わってるんだよな。何このアンバランスさ。

 目が据わってて小麦色ったらシアンさんもそうだな。 シアンさんがも少し若かったらこんな感じだったのだろう。

で、何をどうしろと。 お? また水を汲んだな。しかも大量に。

そしてまた手招き…。また俺は皮で作られたテントの間を進んでいく。


すぐに見えてきたのは…うげぁ~雷竜ヴァラン。 起きてるのか、起きてないのか判らん。

 顔が見えんのだよ丸まってて。 

  「・・・・・」

何か雷竜に話しかけてるが…。

  「む。 おはようスアル。そしてオオミ」

  「おはようっス」


ええいやけに人間臭いドラゴン多いんだよな。この世界。っても二匹目だが。

  「まだ、少し早い様だが…」

空を見上げる雷竜。 見えて無いのになんでわかんだよおい!!

  「見えて無いのに、なんで判るんスか?」

  「見えなくとも、時間で風の質が変わる。それだけだ」

  「ああ、成る程っス」


  「・・・・・」

ん? さっきの水だな。 それをヴァランに差し出している。

  「これは、すまないな。いただこう」


うーわー…なんつー光景。 どう見ても口のサイズと入れ物のサイズがおかしい。

 だもんで、口を開けてる雷竜に、そこに流し込んでいるスアル。

  なんとも変な光景だ。

  「然し。昨日も言ったが、流石にサザが残し、ここに寄こしただけの事はある」

  「な、何がっスか? つか、なんでサザが死んだ事しってんスかい」

  「少し前。スアルがイグリスの空に大きな太陽が現れて、

     この地を越え、遥か彼方と消えていったと聞いた」


ああ、成る程。確かにあれだけデカけりゃなぁ。

  「じゃあ、サザの使ったアレも知ってるんスね」

  「当然だ。 アレはサザが得意としていたモノだからな」


それをガットが受け継いだって事か。 何かすげぇ羨ましいな。

 俺だけなんか一向にゲームで良くある特殊能力とかそういったご都合武器とか、一切手に入らないんだが。

  「俺は何にも取り得無いっスからね。 そろそろ皆の足引っ張りそうな気がするっスわ」

  「だからこそ、サザとシアンは君を此処に来させた。違うかね?」


ヴァランは俺に少し顔を寄せてくる。 なんつーかサザの時もそうだが、

 あんまり顔を近づけられると恐怖でおしっこ漏れちゃいそうなんですが。マジデ。

  「あ、まぁそりゃ」

  「それに、私でもどうにも出来なかった事を、君はいとも容易くやってのけた」

  「へ?」

  

なんだ。何か俺したのか? 更に俺に顔を近づけるヴァラン。

 それを見て言葉が判らんからか首をかしげているスアル。

  「水だ。 君はこのノヴィアに命を与えたのだ。 私が考えてもどうにもならなかった。

    それを君は容易く打破して尚、あの大型のハリクまで倒してみせた。

    君は気付いて無い様だが。…君が取った行動は、あの大精霊クァも認めてくれるだろう」


お! 自分の水分確保の為にやったのが思わぬタナボタ! 一石二鳥!!

 そんな喜んでちょつと小躍りしてみた俺。 それを見てヴァランは言う。

  「喜ぶのは、まだ早いぞ。 私を満足させて聞きたい事を聞きだせるか…だ」

  「ぐぁ! そういえばそうだった…っつか。 サザから結構気性荒いって聞いてたんスけど」


少し顔を離して、見えない目を丸くして俺を見たヴァラン。

  「昔の事だ。目が見えなくなって以来…見ての通りだ」

  「ああ、成る程」

  「・・・・」

  「どうやら、食事に呼ばれている様だぞ」

  「おっと、そうっスか。 では後で!!」

  「ああ。楽しみにしている」


そういうと、再びスアルに連れられてテントの間をくぐり、中央だろうそこに辿り着く。

 結構人が増えてきたな。 その中に既に座って…うげ。 朝から肉。

 それを食べているオズがいた。 その頭の上でアリオも何か野菜の様なものをついばんでいる。

  「おはようオズと鳥」

  「鳥じゃないオイラはアリオだ!」

  「マリオでいいんじゃねもう」

  「なんダそれは!!」

  「配管工っても判らんか」

  「知らん!!」

  「…おは…むぐ…」


おはって、おはってお前!! 妙な所で切るな!! 懐かしいなおい。

 食いながら挨拶したのか、懐かしいソレになってしまっている。

  「・・・・」

  「早くたべろ。だそうダ!」

  「へいへいへい」


う~ん。朝から肉。 まぁ、目玉とか脳じゃないだけマシだが。

 それを食いつつ、周りを見る。 えらいなんか昨日と違って活気があるっつーか。

  「食ったらヴァランのとこにいくゾ!!」

  「へいへい。そんなに俺を死なせたいのかよ」

  「死ぬ前にオズにリンカーフェイズさせて回復させてやル! 安心して死に掛けて来イ!!」

  「…こい…」

  「お ま え ら 人事だと思って…」


ったく。 雷撃で死に掛けたらリンカーフェイズで再生能力つかって回復。 ひでぇな死んだ方がマシじゃないか。

 どんだけハードなんだよ。 ハードじゃなくてアルティメットか!いや 死なないからイージーか?

  …微妙だな。

  そんなこんな、食べ終わって少し休憩をとってから、再びヴァランの元へ行く。



ヴァランの元へ行くと、 起き上がり集落の外へと歩き出した。

 うん? ・・・ああ。 被害出るから離れる必要あるのか。

 …それってつまり。

  「手加減はしないぞオオミ」


うわー…聞く前に答えられた。

 30分程はなれた場所に俺達はいる。 オズ・鳥・ヴァランと何故かスアルまで。

 まぁ、巻き添え食らわない程度に離れてるんだろう。…結構離れてるぞおい!!

そんだけ効果範囲広いのかよ。半径約10m前後。 どんだけ…どんだけっ!!

  「さて、ゆくぞ」


っておい! 心の準備がっまだ!!!!

  「ちょっまっ…」


その瞬間、いきなり雷がこう…ヴァランの体に帯電するっつーか。うんそんな感じだ。

 帯電したかと思うと、いきなり上から降ってきた。

丁度俺の真横に落ちたソレは、煙を上げて地面を焦がし穿っている。

  「うほっ!?」

  「今のはわざと外したが…今度は当てるぞ」


いやっちょっまっ!! そんな雷避けるなんて姐御ぐらいしか無理っ!!

 また帯電し始めたヴァラン。 ええいくそ! 力溜める時間が必要みたいだな。

 んならその前にぶん殴ってやるわ!!!


俺は帯電しているヴァランに走りこみ、力任せに殴りかかっ…

  「私の力を聞いていないのか?」


その言葉だけが記憶に残り、気絶しながら、思い出す。 雷の檻があったと。

 


ようやく気が付いたのか俺は目を覚ます。 空を見上げてみると既にお天道様が真上に近い。

 結構気絶してたな。

  「・・・・」

ん? スアルいたのか。 お…額に濡れタオル…じゃなくて濡れた皮。…何かいやんな感じ。

  「物凄い生命力だな。 だそうダ!」


アリオか。 まぁリンカーフェイズして死ぬ確立は極端に減ったのならそれは良いとしてだ。

  「…まぶしい…」

ん? なんだオズ。眩しいって…なんで俺の頭を…電気、眩しい…頭。 まさか…。


  「ぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」


ドリフみたいな頭になるんじゃないかとは思ったが、既に剃られてスキンヘッド!?

 良く見たら手に刃物もってるぞスアルがおい!! 剃りたてかよ!!! いやぁぁぁああっ!!!!

  「ハゲさせられた…」


俺は四つんばいになり、落胆を体全身で表す。

  「…まぶしい…」

たたくなっ! 頭を叩くなっ!!! オズっ!! オデコ叩かれた恨みかっ!

  「見事に髪の毛なくなったナ!!」

  「う…うるせぇ!!!」

  「・・・・」

  「私はきにしてないぞ。 だそうダ!」

  


  「気にしろよ!!!!!!!!!!!!!」


悲惨だ。 今まで色々と苦しい思いはしたが、ここまで酷い思いは初めてだ。

 自分の頭を撫でてみると、摩擦係数0といっていい見事な滑り具合。さぞや眩しく光っているだろう。

…まぁ、これ以上ハゲる事も無いからもういいか。

  「さて、会話はすんだかね? 早くかかってくると良い」

  「…ヴァラン」

  「何かな?」

  「お前の頭の鱗も剥いで俺のカツラにしてくれるわぁぁぁぁぁぁああああああああっ!!」

  

そういうとブチキレたのか、竜相手に啖呵きって突っ込んでいく俺。

  「私の鱗を…? 面白い…っみろ小童!!!!!!!!!!」


そうヴァランガ吼えると同時に、今までより更にデカい雷だったんだろう、

 帯電して、そこから飛び出てくるそれを直撃とはいかなくとも、辛うじてかわす事は出来た。 

然し、かわしても雷は雷。 少し触れて感電したらしくまた気絶した俺。


そんなこんなが繰り返し、数日が流れた。


  「ぜはーっ…! どう…だっ! こんちくしょう! テメェの雷撃もう…くらわん…ぞっ!!」


服も最早、服といえずただの布切れといっていい。 もう少しで股間部分まで破れそうな勢いだ。

 何十回。いや何百回? 気絶してようやく判って来た雷撃の帯電時間とタイミング。

 俗に言う 見切った! という奴だろうか。 なんとか雷の槌は回避可能になった。

帯電時間があるので助かったが、もしこれが雨雲から…だったら既に手詰まりだったな。


  「ほう…では。そろそろ本気を出させて貰うとするか」

  「え? いやちょっ…と手加減して欲しいな~…なんて。 駄目?」

  「問答無用!!!!!」

  「ぎゃーーーーーーーーーーーーっ!!」


帯電時間が極端に縮まり、ヴァランが大きく空に吼えた。

 その瞬間、凄まじい数の雷の槌が、手当たり次第に地面を焦がして穿つ。

  「避けれるものなら避けてみるがいい小童!!」

  「無茶言うんじゃネェ!! 雷の檻っつか 雨じゃね・・・・」


またしても、気絶。 そしてリンカーフェイズの再生能力で三途の川から連れ戻される。

 ねぇ…もう死なせて。 こんな時だけご都合再生いらないから・・・。


  「無茶苦茶過ぎるこの雷竜の攻撃」

  「当たり前だ。…まぁ他にもあるが」

  「まだあるんスか・・・」

  「使うと人間ならば即座に消し炭と化すのでな」

  「神に向ける様なモンは勘弁っス…」


そういうと、再び帯電し出す。…待ったなしかよ!!

 くそ…!! 見ようにも見れない、避けようにも数が多すぎる。

  「行くぞ小童!!!」

  「おぎゃーーーーーーーーーっ!!!」


…もう殺して? あら走馬灯…記憶が…これは死ねそう…だ。


  「アンタは状況把握能力が…」

姐御かよ走馬灯で姐御かよ…メディでいいよもう。

  「影を…」

…影。 そいや先に落ちるからな。…来る所さえわかったらもう槌と変わらんし…。

 

  「・・・・」

  「いきているか。だそうダ!」

お? 俺の顔を覗き込んでいるスアル。その頭に鳥。

  「何回死んだか判らんよもう」

  「…つかれた…」

  「ほれ、オズが疲れる程、俺死んでるぞ!」


全く。然しまぁ、攻略法はなんとなく見つけたが、出来るか? いややらないと、どの道死ぬか。

 よし。

  「気が付いたか。 ならば…」

  「ヴァラン。次はソイツを全力でやってくれっス!」


不思議そうに俺を見るヴァラン。 ふはは、どうも手加減してるみたいだからな。

 手加減されると逆に威力は落ちても数と速度は上がるってのが定番だ。

だったら全力でやらせて数を減らせれば…。

  「いいのか? サザの残した者を消し炭にしたくは無いのだがな?」

  「構わん! どの道こいつを避けれなきゃ、この先で死ぬ事になるんだろ」

  「…ふはは! 面白い。 どこでそれを学んだか知らんが、それを教えた奴は大した奴だ」

  「シアンさんだよ! 死ぬ一歩手前が一番成長する。 死に近ければ近いほど良い」

  「…あの娘か。 そういえば同じ事を奴も言ったな。 面白い。君にそれが出来るか見せて貰おう」

  

そういうと、今まで座っていたヴァランが立ち上がる。

 俺は目を丸くした。 まだ昼だってのに、結構な範囲が光を遮られて夜のように暗くなる。

  そして、見えない目で見下ろしてくるヴァラン。 


  「加減は一切しない…。 後ろの者達はもっと下がるといい」

  

まて、半径20mぐらいないか? それ以上なのかよ!! つかどんだけパワフルだお前!!!

 畜生言っちまったからには…やるしかないぞこりゃ!

あいつらかなり下がったな。俺は後ろ目で確認する。大体あのあたりが効果範囲と思っていいな。

  しゃ。やってやろうじゃないか。


  「行くぞ。 これで最後となるか…どちらだ小童!!!」

  「テメェの頭の鱗絶対剥いでカツラにしてやるわ!!」


一度大きく吼えたヴァラン。最早地鳴りといっていい程に地面が揺れた。

 今までは帯電。 そう帯電だつたが、どう見ても…電気の塊にしか見えない。

 まさか…こんな…ちょっとキツいってもんじゃねぇぞ!!!!

どんどん大きくなる電気の塊。 ええい! ヤケだアイツみたら飲まれる。

 地面だけ見ろ俺!! 明鏡止水でも無いただ地面の影に集中しろ俺!!


その瞬間大きく影が二つ落ちてきた。 右と右上! 俺は後ろに飛びのく。

  「ほう? 避けたか…ならば数を増やすぞ!」

  「え?」


誤算! 威力は上がって数減ると思ったら威力上がって数も増えた!!!

 ええいくそ! 右 右上二つ 左に三つ! 前方に転がって避ける。

  「素晴らしい! 当れば消し炭になる恐怖は無いのか小童!」

  「鼻から見る気はネェよ!! 恐怖を逆に利用してくれるわ!」

  「見ることを捨て…己の感覚のみで避けるか。面白い」


これで最後といわんばかりに物凄い数の雷の影が地面におちてくる。

 最早どこに逃げればとかいうレベルでは無い。 然し道は在る。

 僅かに影と影に人間サイズぐらいの影の無い場所。

 そこへ落ちてくる前に飛び込んだ。 それをただ繰り返しどれくらいの時間がたったか。

 日がどっぷりと暮れていた。


  「見事だ。 流石に私も疲れた。 これ以上は動けんよ」

  「おっしゃーーーーーーーーっ!!」

  「君はまだそれ程の体力があるのか」

  「伊達にシアンさんのシゴキは受けてネェ!!」

  「そうか…見事だ。では明日全てを話そう。

    私はもう疲れた…眠らせて貰うぞ」


と、言うと丸まって寝てしまったヴァラン。 何、まさか俺の体力ドラゴンより上とか。

 ありえねぇだろ。 どんだけタフなんだよ俺。 いやコイツが年寄りなのか。

  「・・・・」

  「一人前の男と認める。だそうダ! しかし体力馬鹿だナ!!」

  「相変わらず上から目線だなおい!! まぁあんがとよ!っつかうるせぇ鳥!!」

  「…たいりょく…ばか…」

  「オズ! そんな言葉覚えたらいけません!!」 


そんなこんな、何とか雷竜を満足させたらしく、明日にでも教えてくれるそうだ。

 やっとあの空に浮かんでる二つの星やら。神の事を聞きだせるのか。

 全く持って大変だ。


そして、流石に疲れたのか、俺はもう食うものも食わず、皮製のテントの中に入り横になる。

 オズもリンカーフェイズのし過ぎで疲れたんだろう。 横になるなり寝てしまった。

  「ふひー…まぁこれで進展するな」

考えるのは明日にしようか。

 ふと横を見ると、焚き火が燃えて皮のテントを照らしている。 

 妙に温かみのある色を出してて中々に居心地が良い。


そんなテントに人影が一つ。こちらに来ている。 誰だ。族長さんか?

 テントの垂れ幕っつかなに。まぁそんな感じのモノをくぐって入ってきたのはスアラ。

んがー…寝たいんスけ・・・・どぉぉぉおおおおおおおっ!?


何だ! 何が何でどうなってそうなった!!

 相変わらずのすわった目つきでいきなり服っつか、布っつかもう布といっていいソレを脱いで…ちょ!!

  やばいそれはヤバイ! メディがっ! 嫉妬増幅どころじゃないから!!


慌ててテントの隅に逃げる俺。

 全裸でワリと見た目よりおっきかったおっぱいを隠す事もなく、

 俺を据わった目で見つつも四つんばいで近寄ってくるスアラ。

 なんでこうな…まさか…一人前の男。男少ない………イコール




 洒落になってねぇぇぇぇぇぇぇぇぇええええっ!!!



  


三十八話。最後まで読んで頂いてありがとう御座います。


次回も引き続き主人公メインで、エルフィ編のエロ要素となります。

 

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