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第三十二話 「誇り Ⅱ」

三十二話目となります。 今回はリセルメインで、エロ要素強めです。


乙女の純粋な心を漬け込むエロい描写。

 単純なエロでは無く、内側を描写する様に心がけてます。


エロといえば、レガートの性質上。ガットの方もそうなりますが、

 子供の性的反応の描写。 

初の試みとなりますので巧くいくか気になる所ではあります。

 何せ、部位のというか普通に使うエロ描写のほぼ8割使用不能。

 それに加えてガットがギャグキャラであるという事。

…難易度高過ぎなきがしますが。頑張ります。 


修正: 求め様> 求める様

    今度は>再び見つめあう


  「オ…オミ? どうして…?」

考える事が出来ない…周りは日も落ちて暗い筈なのに…。白く明るい。

 ただ判る事は、私の濡れた体を、暖かくて大きく…そして乾いた体が後ろから抱きしてめてくる。

私は、またオオミを考えてる…。 そう…また考えているのですわね。

 彼の大きな手が私の右腕・左腕をなぞるように静かに、私の胸に届…

  「だ…だめ…ひぅっ…」

止めようとした瞬間、彼の口が私の耳を甘く噛む。 背筋から寒気。彼の体温…それ以上にお腹のあたりが熱く感じる。

  「駄目…だめなの」

またこれ…そしてこの後…私は彼に抱き寄せられ、

 彼と向かい合う…体が密着し、私の胸が彼の胸と重なる…鼓動が聞こえる程に強く。

見詰め合う目と目。絡み合う…腕。そして…足。 お腹と…太股にとても熱いモノを感じる…。

  「駄目…なの。駄…ぁ…」


重なり静かに倒れ絡み合う体。 静かに弾ける水滴。

泉の浅瀬で波打つ水と…揺れる私の髪。静かに時が止まった様に静かに…心身を打つ水滴・彼の言葉。

  「リセル…」

 彼の顔と私の顔…段々と静かに近寄っていく。

  「オ…オミ…」

私を彼が求めてくれた…。私を…選んでくれた。

 私は彼を強く求め、腕も足も指も心も絡み合う様に抱きしめる。

近づく…彼の唇。囁かれた言葉。

  「好きだよ、リセル」

不意にこぼれた涙。もう私の脳裏にはもうその言葉しか浮かばなくなっていた。


   …嬉しい…


 私は彼を求める様に、彼の唇に私の唇を重ねた。 少し硬い…けど熱くて柔らかい彼の唇。

私はもう…何もいらない。 そう思える。 満足…そう満足。

 …でも彼はまだ私を求め…彼の頭が静かに私の胸へと。

胸を熱く伝う彼の舌…ときおり歯で苛める様に甘く噛む。 

 「ぁ…い…いや…」

怖い、私の知らない事。ここから先は…怖い。私は、オオミの頭を強く抱きしめる。

 それを振り払わずに、私を抱き起こした彼。私は彼の少し硬い太股の上に、跨ぎ力無く彼の胸に寄りかかる…。

 「オ…オミ…?」

再び見つめあい、彼の方から唇を重ねてくる…そのまま強く抱きしめられ…再び唇が離れる。

 「大丈夫だって」

ちょっと…いい加減な言葉。 でも彼らしい。私を安心させてくれる言葉。

 また彼は私の胸を求める様に舌を這わせる。 何かお腹のあたりが更に熱くなる…怖い。

彼の大きな肩に寄りかかり…私の目はどこを見るとも無く…虚ろ。 

ただ胸を伝う舌の感触…甘く噛まれる痛みにも似た快感。絡み合い、触れ合う体に…心に、全てに気持ちいいという思い。

 もういい…本当に何も要らない…。 でも更に彼は私を求め…お尻を確かめる様にゆっくりと右手で撫で回す。

  「お…お馬鹿っ」

本心? 不意に出た言葉。 でも嫌いでは無い。

  「ひどいなおい」

…軽く笑う様な声。 うん…オオミですわ。

更に私のお尻から…右足と左足の付け根へと…。

  「 !? だっ…だ駄目ですわ…っそっそこはっ…」

思わず左右の太股に力を…いえ。 体を強く強張らせる。…怖い。これ以上は本当に怖い。

それでも、私を求め這う様に近寄る彼の右手の二本の指…。

  「いやっ…いや…駄…目…だめなの…」

言葉とは裏腹に、近寄るにつれ期待する様に私の胸とお腹の奥が…熱くなる。



 強張る体をなだめるように左手は…優しく私の胸を・・・・・・。





   優しく?



オオミが優しい手つき? 不意に脳裏に過ぎった過去。

 みっとも恥ずかしいお馬鹿な顔と手つき。それで何度も揉まれた私の胸が覚えていた過去。


こいつはオオミじゃないですわ!!


私は、そのオオミじゃない誰かを突き飛ばし、間合いを取り体を隠す様に泉に沈めた。

 誰? 考える必要ありませんわ…。


  「ケルドあなた…よくも…よくも!!」


怒りに身を震わしつつも体を隠す私を見てあざ笑う。

  「おやおや。 彼もまだ経験がなかったのですね。 これは失敗失敗」

私の心を読んだのか、言う必要も無く答えた。

  「流石に体の記憶までは読めませんからねぇ。 

    …ああ、私は貴方に興味はありませんから隠さなくても宜しいですよ?」


っ!! こっ…この!!


  「純粋な魔の娘。 純粋な心、それをこれ以上弄ぶ事は許しませんよ。 ファラトリエル」


嘲笑うケルドの背後。私とケルドの波紋だけしか立っていない泉。

 その泉の上に波紋も立てずに一人の白で統一され透き通る様な美しさを持つ女性。

会った事は無いけれど、私は息と一緒に生唾を飲みつつその女性に言葉と視線を向けた。

  「…精霊セアド」

その言葉に、母親。そう母親の様な優しい笑みを私に浮かべると、ケルドの横へと。

 波は立っていない。けど彼女の周りに荒々しく波が立つ錯覚を覚える。

…いえ、森全体に敵意。そう敵意を感じる。 それが全てケルドに向けられている。

 彼は彼女を怒らせた…そうとって良い。 烈火の様に激しくもあり、流水の様に穏やかでもある。

 緩やかに…激しくうねり、上下左右全ての方向から。ソレがケルドへと向けられている。

 とてもじゃないけれど、受けきれる様な流れでは無い。うねりは更に勢いを増して激流へと。


  「おやおや、穏やかではありませんね? 久しぶりにお会いしましたのに。

    折角のお美しい容姿が台無しですよ?」


私は、自分の体を支えきれなくなり水面へ力なく座り込んだ。 

 恐怖? 違うもっと別の何か。判らないソレに体の力が奪われ…表情の自由すらも奪われた。

 それを軽々と受け流し、彼女を挑発するケルド。そして警告するセアド。

  

 「去りなさい。 ここは貴方の居て良い場所ではありません」


静かな言葉。 でも、その一言に私は完全に力を…体の自由を奪われた。

 これが…精霊と神。 人間や魔人なんて、これほどちっぽけな存在でしか無いと痛感する圧倒的な存在感。


  「私も用事がありましてね。 もう少し居させて頂きますよ?

    勿論、争い事は致しません。」


  「それでも、ご退場願えませんか? ケルドさん」


リ…リカルド!? 貴方…この中で立っていられるのですの?

 最早、声すら出ない体の自由すらきかない私は、ただそれを見る事しか出来ませんのに。   


  「おや。これはリカルド君も。 お久しぶりですね。

         お元気そうでなにより」


  「んもぅっ!! 出てくる早すぎよっ!? もうちょっとでっリカルドのっ愛をっ!!

      許さないわよぉぉぉおおおおおおっ!!!!」


…何故かしら。少し体に力が戻った気がしましたわ。 このオーマがきたら。

  

  「あらあらぁ…森が騒いでいると思ったらぁ…。 久しぶりねぇ…?」


やっぱり顔見知りなのですわね…。この中で…こんな。私だけ。

  

  「おやおやおや。これはこれは。 何千年ぶりで御座いましょうか?

    相変わらずお美しいですね。 お二人とも…いえ。一人というべきでしょうか?」


一人? 二人なのに? でも…どうして私を見て言うんですのよ。

 何か私に伝えているのですの?

  

  「そして、そこで隠れている方も。出てきたら如何でしょうか?

    貴方らしくありませんよ? シアお嬢様」


え? 私は辛うじて戻った力で、ケルドの視線の方を向く。

 その先にいたのは、シアンさんと、ゼメキスさん…は脅えて蹲ってますわね。

当然ですわね。

  「はっ! やっぱりお見通しってわけかい? というかその名前で呼ぶんじゃないよケルド!」


シア? シアンじゃなく…いえ。シアンさんが嫌がっていますから、詮索は無用ですわね。

  「つれないお人ですねぇ? まぁいいでしょう。 貴女を待っていましたよシアお嬢様」


私じゃなくて、シアンさんに? 一体何が…。

 場に居た全員がシアンさんに視線を集めた。

  「あ~…言う必要も無いんだろ?」

面倒くさそうに耳の穴を指でほじっていますわ。 神相手になんて度胸…。

  「では、簡潔に申し上げましょう。 私に力では無く、策を持って挑む者が絶えて久しい。

    その挑戦、受けて立ちましょう。 もし万が一、私を出し抜ければ…メディ様をお返し致しましょう」

  「へぇ! そりゃ大した自信だね。 その言葉に偽りは無いね!?」

  「勿論で御座います。 まぁ…貴女の策が破れた時…メディ様は…」


何故また私を見るのかしら。…何か伝えたい?

 

      



      「用が済みましたらじっくりと弄び、そして…殺して差し上げます。

        そうですね。 首ぐらいはお返ししますよ? リセルさん?」




    !!!!!!!!!!!!!!!!!



  「ケル…ド」

  「おや? 精霊の力に当てられて動けないリセルさん。 どうしました?」

  「メディを…メディが…」

  「意識も飛び、言葉を出す事も出来ない程…逆上されてますか? 宜しい、代弁して差し上げましょう。

    幼少の頃より心身共々、痛みに耐え続けてきたメディ様。 

     耐え難きに耐え。願い…行動し続けたメディ様。

   そのメディ様こそリセルさん。 貴女の誇り。 貴女自身に誇りは無く、メディ様にこそ貴女の誇りがある。

       その誇りを汚す者を貴女は…」



  「ゆ…るさな…い」



 

 

次回は、少々時間軸が戻り、リカルドメインとなります。

 

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