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第十四話「イグリス防衛戦Ⅰ 馬鹿と禁じ手」

十四話目の投稿となります。 初投稿からはや5日。

トータルアクセス数

PV12000  ユニーク1200 という数に驚いております。


沢山の方に見ていただけて感謝です。 もっと楽しんでいただける様に、

 ストーリーや展開・造語等、試行錯誤して参ります。

追記:途中で入れた文章と、以前のモノが混ざっていた所が結構あったようで、少し編集しました。

 「よーし!アンタ達さっさと帰るよ!」

  

アタシ達は、ディエラの家を去り、森を出て再び峠を登っている。

  


  「おるぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああっ!!!!」

  

  「わ~…何かオーミ。あんな重い荷物持ってるのに、行きより凄い勢いで登ってるよ?」

  「そういわれれば…そうですわね。 いくらなんでもそんな即日で体力って上がるものなのかしら?」

  「会長が申しておられましたが、死ぬ寸前が一番成長するという事。

   私達よりも余程、死に近い位置に追い込まれたのでしょうか?」

  「…凄いです」

  

  「あはは!正直あそこまで上がるとは思わなかったけどね! ま、結果良ければ全て良し!」


…とは言ったものの、確かにあそこまで極端に上がるのは変だな。

  赤竜・フェアリー…ああ。まさか。


  「オオミ君!ちょっと止まりな!」

アタシは大声で、オオミ君を呼び止めた。 それに気付いたのか、驚いた事にこちらに向かって降りてくる。

  …そこまで余裕があるのか?


  「…オオミ、貴方化物ですの?」

  「本当ですね。会長みたいな事をやってますよ」

  「も…戻る余裕あるの? 息も余り荒くなってないし」

  「シ…シアンさんが二人いる…です」


  「おいおい。アタシはまだまだこんなモンじゃないさ!」

  

  「シアンさんどんな体力してるんスか!! ってか何か用事っスか?」

  「ああ、アンタさ。精霊セアドに何か貰ったかい?」

  「え?なんで会ったの知ってるんスか!?」


周りの奴等は、驚いた様に黙ってオオミ君を見ている。 まぁ、普通の人間が精霊に出会うのは稀だからねぇ。


  「そりゃアンタ。フェアリーは精霊についてまわるからな。親だと思ってるのさ」

  「ああ!成る程っス。 確かに子供っぽかったっスね。さんざん弄繰り回されたっスが」

  「だろうね!アタシん時もそりゃ酷いモンだったよ」

  「ってシアンさんもフェアリーに弄られたんスか!」

  

  「…私はなんとなく会長なら会っててもおかしくないと思いました」

  「ですわね。フェアリーどころか精霊にあってても何も驚きませんわ」

  「シアン義姉さん…確か遠征の時に」

  「エルフィの精霊クァと…出会ってるです」

  「精霊の親玉っスか!!!」


お?なんでオオミ君が大精霊クァ知ってるんだ? ははぁ。セアドから何か頼まれごとしたな?さては。

  「オオミ君。アンタ…セアドからユグドラシルの種を貰わなかったかい? 古ぼけて何か刻印の入っている」

  「え?ちょっ。見てたんスか!??」


何を変な所で必要以上に驚いているんだか。 何か隠してるわね。…まぁ今はいいか。


  「ああ、やっぱりか。そいつが原因だ」

  「どういう事ですの?」

  「ユグドラシル…生命の木の種がオオミさんの体力の上昇と何か関係が?」

  

  「大ありさ! そいつは本当はねエルフィ族が持つべきものなんだよ。

   エルフィ族は精霊に認められれば、力を行使する事が出来るんだ」

  「召喚術っスか? 精霊を一時的に召喚して戦わせるような」

  「アンタ…変な所だけ博識だね。 まぁ、その通り」

  「っスけど、それと何か関係あるんスか? 俺には判らないっスわ」

  「なんだい。説明省けると思ったのに、中途半端だねぇ…。

   エルフィ族は特徴として体に紋章を生まれた時から持って生まれてきているんだよ。

   それは精霊召喚をする為に必要不可欠な物であると同時に、常に体力を奪い続ける物でもあるんだ」

  「うわー…ままならないモノつけてるんスね」

  「そうさ。で、精霊契約時に、精霊達の命の源ユグドラシル。その実に精霊の血と一緒に刻まれた刻印。

    そいつを貰う事になるのさ。ちなみにそんなホイホイ手に入るモノじゃない。

    精霊一体につき、実は一つしか無い。出会う事も稀なら、契約する事は更に稀なんだよ」


正直、アンタに受け取って欲しくなかったんだけどね。 自分以外の力は…危険だ。経験も無ければ尚更。


  「じゃあ、オーミは精霊セアドと契約して…?」

  「精霊術使えないのに契約したんですの!?」

  「何というか、面白い事になっているのですね」

  

  「面白いかどうかはさておきだ。 話がそれたけどね。その刻印は常に術者の体力を奪い続けるんだ。

   更に、召喚時にはその何倍もの体力を奪われる。ヘタすりゃ一回使うだけで死ぬ」

  

  「死っ死ぬんスか!?」

  「術者次第さ。それだけ強力なんだ。考えてみな。川で激流に逆らって泳げるのがこの中にいるかい?

    …アンタ達。なんでアタシを指差してるんだい。アタシだって無理だよ!」


  「泳げますわよ!泳げるどころか、激流の上を走りそうな勢いですわ!」

  「いやいや、片足で逆らって登っていきそうですよ会長なら」

  「鼻歌まじりで…ご飯たべながら歩いて登りそうです」

  「むしろ激流そのものを逆流させそうっスな!」

  

  「アタシをそんな風に見てるのかい…へ~そうかいそうかい。帰ったら全員叩き上げてやるよ」


そんなに嫌なのか?アタシの鍛錬が、全員首を凄い勢いで振って…あ~情けないったらありゃしない。

 

  「まぁ、それはさておきだね。自然の力にはまず逆らえない。

    そんな強力なものを一時的に使うわけだ

    そして失う体力を補う役目を果たす物でもあるのさ。

   その実が、ユグドラシルと見えない力で繋がっててね。

     絶え間なく生命の力が所持者に流れ込むのさ」


  「あ~…自動回復。リジェネレーションっスね」

  「じど…なんだいそれ? アンタの世界にもこれと似たような物があるのかい?」

  「いや、無いっス! ただ知ってるだけと思ってくださいっスわ。

    自然回復と言った方がいいっスか?」

  「ああ、まぁそんなもんだよ。 だからアンタそれだけ動いても平気なのさ。

   別に紋章に体力吸われて無いからね」

  「おほーっ!思わぬ所からすげぇアイテムゲットだぜ!!」

  「…またワケのわからない事を。ともあれ、そのリュックの中身早く捨てな」

  「え?いいんスか!?」


…無駄にユグドラシルの力を減らすワケにゃいかないからね。今は。

  「あら…?シアンさんどうしてですの?」

  「明日は嵐でしょうか?」

  「…何か悪い事の前触れです」


  「アンタ達、いい加減に怒るよアタシも」


慌てて謝ってくる三人。全くもう。

  

  「おーっ!軽いっ軽いぞ!!!!自由だ! 俺は自由なんだーーーーーーっ!!!」

  

  「ちょっ…オオミどこいくんですの!?」

  「余程嬉しかったんでしょうね」

  「先にいっちゃった…」

  「結局体力つかってるです・・・」


あの馬鹿! 外した意味理解してないのかい。セアドから聞いた事判って無いみたいね。


  「…ちょっと殴ってくる」


  

アタシは、軽く駆け出しオオミを追いかけた。

  「あらら…」

  「まさに鬼ごっこですね」

  「ほんとです」











  「イストル様。オリエとナグアが出発して、そろそろ頃合かと…」

  「ふむ。然し、あの二人を案内させた者から足がつかないかね? 君らしくないミスの様だが」

  「それはご安心を。既に排除しております」

  「利用して、必要が無くなれば排除か。君も中々やってくれるな」

  「イストル様こそ。お庭芸では御座いませんか」

  「ハハハ…真似でもしたのかね?」

  「左様で御座います。私はイストル様を尊敬しておりますので」

  「そうかそうか」


全く持って信用ならんな。 早々に手を打っておかねば…いつ私の寝首をかかれるかわからん。

 さて、ドールとやらの力。見せてもらおうか。


  「で、そのドールとやらは今どこに?」

  「街中にて待機しております。もうじき行動を開始する筈」

  「そうかそうか…む?」

  「どうやら始まった様で御座いますね」


この私室まで届く様な轟音。 たったリンカー一人でどれだけの…。 どれ。

 私室からテラスへと移り、外の様子を伺う。 

  「流石、我が国のリンカー達。行動が迅速であるな」

  「確かに。既に着いている者がいる様で御座いますね」

  「うむ。まぁ、ゆるりと実力の程を見せて貰おうか」

  「ごゆるりと…」








 


  「ハッハー!!!師匠組み・リセル先輩組み・メディ先輩組み・オリエ先輩組みも居ない!

    まさに俺様の名前を国に知らしめる大チャーンス!!!」

  「ちょっと!相手強いみたいだから単独行動しない!」

  「うるせうるせ!! 俺様の道に助けや仲間なぞ不要! 俺上他下唯我独尊おれさまばんざい!!!」

  「馬鹿な事言ってないでほら! 皆のとこにっ!!」

  「しらねーよっと!」


ようやくこの時が来た! 一年は原則戦闘禁止だからな! もうストレス溜まりすぎてパンクだぜ!!

 他の奴等に功績奪われてたまるか…よぅっ!

 早速リンカーフェイズを済ませて、

 黒のボディが眩しいワイバーンの姿を下々の奴等に見せびらかしつつ、飛ばずに走る俺様!!


  「こら!ガット!」

  「うるせぇ黙れブースブース!!ブスブスブスブスブス!!」

  「きっ…きぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃいいいいいっ!!!」

  「うぇ~い!ヒスッたミニマムブスのアリセアなんざ怖くもなんともねぇぜブースブスブスーっ!

  「黙りなさいよっ!この馬鹿!!!」


俺様の格好イイ口を引っ張りつつ、

 ミニマム化してコップ体型にショートヘアの緑髪を乗っけた状態のアリセアが必死で止めてるが知らんぜ!

 

  「今回の騒動は俺様の俺様による俺様の為の騒動だぜ!!!」


お! 目標視認! 見敵必殺おりゃあーーーーーーーーーっ!!!!


  「ちょっと!きゃぁぁぁぁぁぁあっ!!!!」


建物の壁を蹴り壊し、反動で更に反対側の建物の壁も蹴り壊し、目標の頭上に到達した。

 

  「ちょっと!建物壊したらだめよ!!!」

  「俺様の引き立て役になれるんだ!喜んで壊れるべきなんだよ!!!」

  「馬鹿いってんじゃないわよ!!!!」

  「どりゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」

  「キャアーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!」


食らえ!何か知らん敵のリンカーめ! 

 

  「俺様キーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーック!!」

  「ダサいからやめてよ馬鹿!!!!!」


目標に真っ直ぐ向かって垂直落下。そのまま地面に相手を杭の様に地面に打ち付ける俺様キック!!

 食らって立てた奴は…って何ぃぃぃぃぃぃぃいいいいいいいいいいっ!?

敵は避けたのか、大きく窪んだ所から少し離れた所でこちらを見ている。

 どうやら獣のリンカーらしいな!


  「ほらもう!そんな大声上げたり豪快に建物壊したりして、そんな大技当るわけないでしょバカ!!!」

  「うるせぇ! こそこそ隠れてやるなんざ俺様スタイルに反するんだよ!」

  「そんなモノすてなさいよバカ!!」


  「…威勢が良いな。イグリスのリンカーは」


お! 喋った! よしここは一つ・・・!

  「ちょっとその顔…まさかアレやるつもりじゃ」

  「当たり前だ! これをやらずして俺様が成り立つか!!」

  「やめてバカ!!!!!!!」


  「なんだ…? 全く連携を取ろうとしてないリンカーだな。よくそれで繋がったな」


  「あん!? そんなもん俺様の器に惚れているからに決まっている!!」

  「惚れて無いわよ!死ね馬鹿!!!」

  「何照れてんだよ!」

  「照れてないわよ!バカじゃないの!?」


  「・・・」


  「おらおらおらぁーーーーーーっ!いくぜ!!」

  「やめてーーーーーーーーーーーっ!!!」


  「・・・・・子供の遊び場なのか?イグルスの施設は」


  「ハッハー!見ろアリセア!俺様の格好良さに相手が見惚れてるぜ!!」

  「どう見ても呆れられてるじゃない!!!」


  「…痴話ゲンカは他所でやってくれないか?」


っしゃーっ!いくぜ!! 俺様は腰を深く落とし、翼を寝かせ、右手を天にかざし、人差し指を突き立て、

 左手を首にあてがって、親指を下に向ける。そして顔は当然前だ!!!


  「・・・何だ一体」


  「天は俺様 地は芋虫ほかのやつら」俺様一番!!!


  そして格好良く翼を広げ・・・左手を下に落とす!!!



      「 俺様・・・最・高 !!! 」

  「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああっ!!!!!!!!!!」

  「頭痛がしてきたな…」


  「良し!決まった!行くぜぇーーーーーーーーーーーーーっ!!!!」

  「もう馬鹿ぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!」


俺様は激しく正面から突っ込み、殴った!


  「…それで攻撃しているのか?」

  「ニヤリ」

  「…?」

  「食らえ俺様必殺丸焼きブレス!!!!!!!!」

  「っ何!?」


俺様は口からマグマに近い火属性のブレスを吐き出した。

 敵の奴見た所、獣からのリンカーフェイズみたいだからな! これで勝負はきまった!!!

 周囲の建物・地面も削ぎ取った様に華麗に融解!! 素晴らしい威力だぜ!!


  「ちょっと!こんなとこでそんな大技使ったら、後でセオ様に大目玉くらうわよ!!!」

  「大事の前の小事!! 俺様の活躍の前に微々たる犠牲はつきものだぜ!!」

  「馬鹿!!!!!」


  「それみろ!煙が晴れてきて、骨も残って無いリンカーを!!」

  「加減しなさ・・・え!?」

 

  「・・・大した威力だ。自信過剰な面があるが、それに伴った能力があるようだな。…だが」


  「クソ! 火力下げすぎたか!? もういっぱ…ぐあっ!」

  「ちょっきゃぁあっ!!!」


一瞬敵が消えた!? と思ったら突然背中に衝撃が走り、正面へと激しく吹っ飛んだ俺様。クソ!!!

 吹っ飛びつつ華麗に身を翻し、地面を滑る様に相手の方向に合わせて着地!!

 

  「残念だが、私に火属性は効かん。 ケルベロスのリンカーだからな…少年」

  「チッ! 糞強いモン宿しやがって!! おもしれぇぇぇえっ!!!」

  「ちょっと! 落ち着きなさいよ!!ケルベロスなんてウチ等だけでなんとかなる相手じゃない!!」

  

  「そちらの女の子は、良く判っている様だな。流石に子供を殺すのは後味が悪い。見逃してやる」

  「てめぇ…ナメてんじゃネェぞ!」


俺様は空に飛び上がると、大きく息を吸い込んだ。

 そして、一度では無く火玉を複数回に分けて吐き出した。


  「・・・中々良い筋をしているが…」


そしてそのまま急降下! と見せかけて垂直に曲がって建物蹴り壊した反動で…


  「三角俺様キーーーーーーーーーーーーーーーーック!!!」

  「もう馬鹿ぁーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」


  「ほう…面白い事をする」


ニヤリ…と俺様は笑みを浮かべる。

  「だが、直進しか知らない様では、まだまだだな」


敵は当然迎撃してくる事は百も承知!

火玉は敵周囲に落ちて爆発して煙をあげる。

 煙の中で俺様は颯爽と地面を蹴り飛ばし、強引に進路を変え、フワリと敵の頭上から背後を取った!

  「嘘…!? やるじゃない!」

  「ったりめぇだろ!俺様だぜ!?」

  「…ほう。やるではないか。

   二重・三重に策を張るとは。振る舞いとは裏腹に、余程の訓練を受けていると見た」

俺様は敵を羽交い絞めにすると、急上昇して一気に街の外へと向かう。

  「師匠直伝の体術ナメんじゃねえぞ!!!」

  「もう!でも巧い事敵を街から外に連れ出したわね! 被害考える何て珍しいじゃない!

  「行動が不可解だが、大したモノだ。賞賛に値するぞ少年。

    然し愚かな。自ら支援を絶つとは。勇敢と無謀を履き違えているな」

  「!? そうよ! 後方支援なくなっちゃったじゃない!!」


ふっ…それこそ俺様の手の上で踊っているのだよ!!

  「それこそ俺様の望む所! 多対一なんてのは弱い奴がするんだぜ!

    俺様みたいな強い奴は一対一! もしくは大群対俺様だ!!!」

  「ばっ…馬鹿!!!!」

  「…」

  

  

街がかなり離れて来た所を敵は確認したのか、俺様の羽交い絞めを軽く外しやがっただと!?

 そして飛ぶ事が出来ないのか無様な奴め!そのまま地面に着地しやがった!

 地べたに這い蹲る虫ケラにはお似合いだぜ!!!そして俺様は周囲を確認した。

 かなり街から離れているな!良し!これなら支援もまだまだ来ない!…敵の増援もまだだな。

 それまでに勝負つけてやるぜ!!!


  「ここなら全力だせるぜ!!!」

  「それはそうだけど…無茶よ!どう見ても相手は全然本気出してない!」

  「それは俺様も同じよ!!!」


俺様とアリセアのやり取りを見つつ、奴は声をかけてきた。


  「少年達よ大したモノだ。将来それは見事なリンカーになるだろう。

    どうだ?レガートにこないか? この国はもう終わりだ」


その言葉に、俺様見下しスマイルを奴に浴びせつつこう答えた。

  「はんっ! 俺様は誰にも従う気はねぇよ!!」

  「ちょっと!!! それより今レガートって!!!」


  「その通り。レガートの者だ。そうか…残念だ。

   貴様の様な奴こそレガートにいるべきだと思ったのだが」

  「うるせぇ! 俺様は俺様の意思にしか従わネェ!!」

  「・・・ウチ頭痛してきたわ」


俺様は地面に急降下して、地面をめくり上がらせ格好良く着地する。

  「ちょっと!加減して降りなさいよ!」

  「俺様いつでも全力全開!!」


  「本当に威勢が良い。自ら地の利を捨てるか?少年」

  「そうよっ!空に飛べば少しは有利に…」

  「ざけんなっ! 俺様はいつでも相手の土俵の上だぜ!!」


  「ほう。…先程師匠と言ったが…師はだれかね?」

  「ふはははははははははははははははっ!!!聞いて驚け!」


俺様は腰に手を当てて、ふんぞり返って叫んだ!


  「イグルス単体最強生物シアン師匠の一番弟子だ!!!!!」

  「後で殺されるわよ?」

  「返り討ちにしてやるぜ!!!!!!」

  「毎回返り討ちにあってるのアンタじゃないの!!!」

  「うるせぇ!!!!!」


  「成る程。あの女の。道理で歳のわりに戦い慣れている。

    そしてその威勢。ますます持って惜しい」

  「ハハハハハハハハッ!!師匠はこんなもんじゃないぜぇ!?」

  「もう・・・」


  「そうだな。ではシアンと想定して戦わせて貰おうか。

   私はクラド・アリオス。少年よ名を名乗れ」

  「ハッ! テメェに名乗る名前なんてネェよ!!」

  「ウチはアリセア・ヴァラ。 こっちの無作法な馬鹿はガット・レッドよ!

   正直勝てるとは思え無いけど、時間稼ぎだけでもさせてもらうわ!」


  「ふむ。・・・では行くぞ!アリセアとそこの馬鹿者!」


  「誰が馬鹿だテメェーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!」

  「ちょっまた無闇にキャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!」



俺様は格好よく地面を巻き上げて敵に突撃していった!






  





  「ひょーっ!快速爆速!このままイグリスまで一気にいけそうだ!!!」

いくら走っても疲れがこない。そんなリジェネを実感している俺の後方から、怒鳴り声が聞こえてくる。


  「待てコラーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!」


  「ん?うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

鬼のシアンが途方も無い速度で追い上げてくる。 つか早過ぎだろ!? 馬追い抜きそうだぞ!!

 絶対的な恐怖が俺の背中を押す。 更に速度を上げて逃げる!!


  「止まれっつってんだろクソガキィィィィィィィィィィィィイイッ!!!!」

性格変わってるぞ!? 怖過ぎるわっ!! 

  「テメェ!セアドから何聞いてたのか忘れたのかボケコラ!!!」


ん?セアドから…  アーッしまった! 俺は慌てて急ブレーキをかけて止まる。

  「おーし動くな!」

どんどん近づいてくる。 …仕方ない自業自得だ。殴られよう。

 勢いよく走ってくる姐御。然しこの人も持ってるのか。ソレも親玉のやつを。

 いでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえええっ!!! 止まらずにそのままミサイルキックで蹴り飛ばされた俺。

 面白い程に転がりながら5m近く向こうまで吹っ飛んだ。 死ぬ…これ以上やられたら死ぬ。


  「全く!セアドから聞いただろ。

  ユグドラシルの力が原因不明の理由で吸われて、近い内に枯渇すると」


あー…てかやっぱ知ってるのか。

  「すみません。つい」

  「つい。なんだい。つい 精霊の命を無駄に使ったのかい!」

  「すみません。もう無駄に使いません。」

  「宜しい!ソイツは体力が一定量まで達していると回復機能がなくなるから。判ったね」


ああ、成る程HP最大までいくとリジェネの効果が無くなるのか。

  「うス!無駄遣いはしませんっス! つかシアンさん。 大精霊クァと会ったなら、その原因とか…」

  「アイツも知ないよ。アタシはアイツから頼まれて色々調べてるがね。

     まだ尻尾が見えた様な見えて無い様な。

    まぁ、確証が無いから見つかってない。と言える」

  「成る程っス。てか、大精霊クァにシアンさんも貰ったんスか?」

  「要らんから叩き返したよ」


…世界に一つ。それも精霊の親玉の奴を叩き返した? 無茶苦茶だな姐御のする事は何もかも。

  「…なんで返したんスか?」

  「アンタねぇ、力が枯渇しかけてんのに、そんなモン使ったらどうなるバカモン!!」

  「あ…。すんませんっス。もらっちゃった…というか、大精霊でも知らないのなら、

    聞きに行く必要が…」

  「行って来い!」

  「え?いや、いく意味が…」

  「ある! 何事も経験だ。肩透かしだったとしてもアンタにゃ経験が必要だ。いって来い!」

  「…ど、どの道エルフィに行かなくてはいけないっスから。いいんスけど」

  「なんだいそりゃ?」


あ、そうか言ってなかったな。

  「サザ…あの赤竜からエルフィに行って、雷竜ヴァランに会って知識を得て来いと言われたんスわ」

  「そうかい。アイツは気性が荒いっつーか、今のアンタにゃ丁度いいね! 気合いいれて胸借りてこい!」


どういう意味だよ! つか姐御は会ってるのかよ!どこまで規格外なんだよ。

 然し、やっぱ気性荒いのか。つーか…何?胸を借りる? …嫌な予感がするな」

  「それってまさか…」

  「あー!そのまさかさ! アイツはアタシと相性が良くてね一晩中語り合ったもんさ!」

  「肉体言語で語り合ったんスか?」

  「変な言い回しするねぇ? まぁ、その通りさ。強いぞアイツは。アンタにあの電撃を掻い潜れるか楽しみだね」

  

サンダーストームか…。

  「ちなみに…リンカーフェイズして戦ったんスよね?勿論。」

  「していない」

  「へ?」

  「してないってんだろ! いいかいアイツは頭の良い竜であると同時にね。勇敢な奴以外はゴミぐらいにしか見ない」

  「それってつまり…」

  「アイツに口を開かせたきゃ、己の力のみでアイツを屈服とまでいかなくても、満足させる戦いを見せなきゃいけないのさ」

  「死にませんか?」

  「アタシが死んでる様に見えるかい?」

  「シアンさんだと、例えにならないっスよ!!」

  「殴られたいのかいアンタ」

  「うへっすんません」

  「まぁ、ちゃんと生きて帰ってくるんだよ。アイツは手加減を知らないからね」

  「何か、シアンさんそのものって感じなんスが」

  「ああ、似たもの同士さ。またいつか…行って語り合いたいもんだねぇ」

  

恐ろしい…何この東方不敗。まぁ、それは良いとして、意外な…意外か? 所から情報が色々と。


  「おーっい!オーミーっ!!」

お?声が聞こえるけど…あれ?どこから。

  「アンタ、もう少し周りを見る事を覚えな、地面の影がいくつある?」

  「え? 三つっスね」

  「アタシとアンタ以外に影の位置にいるかい?」

  「いや・・・いないっス」

  「バカタレ。 上空にいるだろうが、見なくても判るだろう。影の大きさから察する所、赤竜だね

   後、ディエラとオーマもいるな」

  「ちょっ。頭のてっぺんに目でもついてるんスか!?」


俺は見上げると、確かにサザが飛んでいるそして、魔族の二人もいるし、全員背に乗ってるが…なんでだ?


  「状況把握能力鍛えてやらないと駄目なようだね。 イグルスで何かが攻めてきたんだろう。

   それをディエラ達が連絡用のクリスタルで…多分セオ様だね。伝えたのは。

    何故赤竜までくるのかは判らないがね」

  「…なるほどっス」


何かもう、姐御が人間に見えなくなってきた。上を見ずに即座に状況把握とかどんだけなんだよ。

 そんなこんな、少し離れた所にサザが着陸した。

相変わらず周りのモノ吹き飛ばし着陸したのを確認して、俺達もそこに駆け寄った。


  「あら、生きてましたわね?」

  「もう!リセル…オーミ殺さないでよ!」

  「はは。これでも心配しているのですよ?彼女は」

  「しっ…してないわよ!」

  「素直じゃない…です」

  「さぁっ!アナタ達っ無駄話は行きながらでいいから、早く乗りなさいなっ!」

  「そうよぉ? イグルスにとっても強いリンカーが攻め込んで来たみたいよ…?」


  「争いは好かぬ…が、オオミには恩がある。早く乗ると良い」


  「ああ、そうさせて貰うさ!」

というと、相当高さあるっつーのに軽く飛び乗った姐御。どんな足腰だよ。

 俺は必死でよじ登った。


  「良し。少し速度をあげるぞ。舌を噛むので余り喋るで無いぞ」


というと、豪快に翼を羽ばたかせ、一瞬巨体が浮くと、更に翼を羽ばたかせ飛行機みたく離陸していく。


…物理的にどんな飛び方なんだこれ。

 以前に乗った時よりも恐ろしく早い速度。マジで捕まって無いと落ちる。必死で鱗にしがみつく俺達。

つか寒い! 息もしにくいってか苦しい!! 他の連中も必死の様・・・あれ?まぁ姐御はもういい!! 


つか待て、…ディエラさん普通に、こう両足を微妙に開いて、両手を後ろにつけて座ってる。またエロい座り方を。

 オーマに至っては、両手を組んで仁王立ちしてるぞ!? 

この二人だけ物理法則無視してないか!? 喋る事も出来ない程の速度で飛んでるんだぞ!?

 そしてこの高度。道どころか、途中にある森が掌サイズだ。

前を見れば、一歩跨げばイグルスに届きそうな。 …高いってかどんな高度だよ!

 俺達は一日半かけて来た道を…途中からとはいえほんの十分ちょいでイグルスまで戻ってきた。


  「サザとかいったな! そこにガットとアリセアが居る。敵らしき奴もだ。」


え?いや、この高さでなんで見えるんスか・・・?

 普通見えないぞ!?

  「ほう…?この高さからそこまで見えているのか? 良い目をしているな娘」

  「それはいい! そこだ。小さい森が三つ並んだ所の手前だ」

  「判った。では降りるぞ。しっかり捕まっていろ・・・」


うぎががが…凄まじい風圧が!吹っ飛ばされる!!! 駄目無理すっぎっ!

 てかメディ耐えられないだろ!? 

俺は、精一杯首を曲げてメディの方を見た。

 …オーマ…。

どうやら問題無いようだ。









  「おっらぁぁぁぁぁぁぁぁぁああっ!」

クソ!なんだコイツ!デタラメに強い!! 

 俺様の連撃を食らうには食らってるが、ダメージが余り見当たらないぜクソ!!!


  「中々やるじゃないか。馬鹿者」

  「ったりめーだ!俺様の力はまだまだこんなもんじゃないぜぇぇぇぇぇぇぇええっ!?」

  「もうやせ我慢しないで逃げる事も考えなよ!!!」

  

  


激しい打ち合いをしている中、一旦ケルベロスの奴が身を引いた。


  「実力差が判れば引くかと思ったが…引く気はないか?」

  「たりめーよ!!俺様を誰だと思っている!!」

  「ただの馬鹿よ!!!」

  「そうか…ならばそろそろ時間も押してきている。本気をださせて…む?」

  「あれは…赤竜!?」

  「なんだ畜生!俺様より目立ってんじゃネェあのドラゴンぶっ殺す!!!!」

  「馬鹿! 敵が増えたかも知れないのよ!逃げないと!!」

  「はぁ?! 逃げるぐらいなら俺様は舌を噛み切ってくれるわ!!」


  「ますますレガートに欲しい逸材だ。 安心しろ。あれはレガートの手の者では無い」

  「え?…でも何でそんな事教えてくれるの?」

  「私にも子供がいてな…貴様達を見ていると、どうやら甘さが出る様だ。

    …そしてもう会えない」

  「もう会えないってどういうこと?」

  「私は捨て駒だ」

  


 俺様は思わず仰け反って叫んだ!

  「かッけぇぇぇぇぇぇぇぇぇえええええっ!!!!」

  「ちょっ馬鹿!!!」

  「いいじゃネェかよ! 後から大群押し寄せてくるんだろ!? どう見ても陽動だぜ?これは!」

  「え!?じゃ、ガット判ってて支援を切り捨てたの?!」


更に仰け反って格好よく腕を組む!

  「たりめーよ! 俺様を誰の弟子だと思ってやがる!!」

  「ウチ初めて…見直したわ」

  「ほう。ただの馬鹿者かと思えば、戦術の心得もあるのか。」

  「そういうテメェこそ!自分から捨て駒になるなんて格好良い奴は大好きだぜ!」

  「…ならばレガートに行け。貴様にはそこがお似合いだ。

    そして、出来れば私の息子達に伝えて欲しい」

  「なんだ!いってみろ!!」


格好良過ぎるぜコイツ! 

  「父はお前達の為に笑って死んでいったと」


その言葉に俺様感動して更に仰け反って叫ぶ!

  「かッけぇぇぇぇぇぇぇぇええええええええっ!!!!」


そして仰け反りすぎてこけてしまった!!! ダセェ事してしまったぜ!

  「もう馬鹿!なにしてるのよ!  

   オジサンどうして死ぬ事を考えてるのよ!子供いるんでしょ!?」

  「レガートとは、そういう国なのだ。行けば判る」

  「おう!男の約束は絶対だ! 名前は何て言うんだ!」

  「今年で5歳になるイドと4歳のマリアだ。頼んだぞ」

  「ちょっと!ガット!?ホントに行く気なの!?」

  「たりめーよ!」

  「…あの国を貴様達ならば変えられる。私はそう思えた。頼んだぞガット、アリセア」


俺様の道が見えた気がするぜ! っと!? さっきの赤竜が目の前で急降下して降りてきやがった!

 クソ!生意気に爆風撒き散らしやがって!!!!!!!!!!!!

お!?ドラゴンから誰か飛び降りて…師匠!!! てことは先輩達もいるのか!!


  「生きてたかい。ガットにアリセア」

  「師匠! 見てろよ今からコイツを俺がぶったおす!」

  「会長! よかった…!この人陽動で死ぬ気なんです! 後から・・・」

  「ああ 判ってるよ。どうせレガートと繋がっていただろうイストルも今頃殺されてる」


  「貴様があのシアンか。テンカウント。暗殺者。様々な名を聞いているぞ」

  「へぇ。アタシを知ってるのかい。だったら退いてくれないかねぇ?」

  「そうもいかんのでな」

  「そうかい。 アンタ達、赤竜の背にあいつ等と一緒に隠れてな」

  「なんでだよ!!俺様が倒すってんだろ!」

  「身の程を知れバカモン!」

  

ぐぞう・・師匠には逆らえネェぜ。しかも師匠が言うんだ絶対勝てないのか…悔しい。

  「ガットよ。貴様の強さは大したモノだ。

    この状態の私ならば、もしかしたら勝てている可能性もある」

  「だろ!? おかしいよな!?」

  「この状態って何?オジサン!」

  「もう時間が無い。その上でシアンが着てしまった。…私は人を捨てる」

  「・・・! まさかそんな!」

  「だろうね。一人で突っ込んでくるって事は、そういう事だろうと思ったよ」

  

なんだよ!俺様だけおいてけぼりかよ!! つかなんだよ!!

  

  「ガット・アリセア…息子達とレガートを…頼んだ…ぞ」

  「オジサンだめ!!帰ってきて!!」

  「無理だ!さぁ早く赤竜の背に乗って隠れていな!アンタ達」

 

なんだってんだよ!?くそう…!

  「おいオッサン! 任せとけ!息子ともどもレガートを俺様色に変えてやるぜ!!」

  「…頼もしい限りだ。任せたぞ」

  「アンタ…。 チッ。ほら!早くいきな!!」

  「イテェーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーツ!」

  「キャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!」

いきなり師匠にドラゴンの方に蹴り飛ばされた。生身でリンカーをここまで蹴飛ばすなんて流石だぜ!

 しかも痛過ぎる!!!!!!!






お?何かとんでき たっ!? いてぇ! 俺に何か小さいリンカーがぶつかってきたぞ!

 一体何を会話してたのか知らんが、姐御と相手の一騎打ちか!?


 「あら、久しぶりですわねガットにアリセア、状況教えてくれないかしら?」

 「お願いしますよ。ガット君にアリセア君」

 「でも。シアン義姉さんが自分から戦うってことは…」

 

 「おうよ!俺様がレガートを俺様色に変えてやるんだ!」

 「お馬鹿!貴方の事じゃないわよ。現 状 報 告 基本も知らないお馬鹿ですの?」

 「俺様もチンプンカンプンたぜ!!」

 「もう馬鹿! リセル先輩実は、あのオジサンが禁じ手を…」

 「なんですって!? アレを? 捨て駒ってことね。という事はじきに大群がくるわね。

  丁度街の外だし、ここで待機してシアンさんの指示を待ちますわよ」

 「は・はい!あのでも…あのオジサン子供がいるって…」

 「これは戦いですわよ。貴方達が子供だったから…情が移ったのね。それは忘れなさい」

 

おい・・・。


 「男の約束だ!俺様はレガートに行く!!」

 「ガット貴方何いってますの?」

 「敵国に行くという事は、理由次第では国を裏切るという事ですよ?ガット君」

 「俺様は俺様だ!誰にも従っているつもりはネェよ!!」

 「駄目ですわ。オオミよりもお馬鹿ですわね」

 「理由を聞かせて貰えないかな? ガット君」

 「おうともよ!リカルド先輩! 

  俺様がレガートにいってオッサンの子供とレガートを変えるんだぜ!」

 「・・・はぁ? もうちょっと判りやすくいえません・・・サザ!? 飛んで!!」


 「どうした? ・・・まぁ判った」


 「おい!俺を踏みつけながらシリアスに会話してんじゃない! 

  つか何リセルテメェまで踏んでるんだ!」

 「お黙りなさいお馬鹿!!」


うおっ!目がマジだ。取り合えず黙って無理矢理抜け出した。軽く上昇したのか、地面が結構遠い。

 何か敵っぽいのと、姐御だけ残ってるな。成る程。被害がこっちにこないようにか。


 「あらぁ…自分の命捨てるなんて…」

 「人間の命は儚いから美しいっ! 素晴らしいわよ!? 命を燃やし尽くす力は!!」


どういう意味だよ。

 「なぁ、命捨てるとか、捨て駒は陽動の常套手段だから判るが一体どういう・・・」

 「黙って見てれば判りますわ」

 「同時に会長の反則的強さも判りますよ」


姐御の反則的強さ。・・・そいやそんな事いってたな。 当らなければ死にはしない。

 どういう風になんだ? まぁすぐに判るか。


  「余り…みたくないなぁ。」

  「そんな酷いのか?」

  「うん…」

メディが脅えてるというか、敵を心配してる?

 どういう意味で心配してるんだ? ますます判らんわ!!


  





 「さて、待ってくれたみたいで悪いね」

 「構わない。さて、リンカーフェイズしておいた方が良いぞ。

   あのテンカウントだからといって、まともにケルベロスとやりあえるとは思え無いからな」

 「はっ!余計なお世話だね。さっさとやるんならやりな!」

 「…そうか。では、さらばだ。  いいぞやれドール」

 「ドール!? アンタ、そんなものつれてきっ・・・くぅ!」


これはちょいとやばいかもね。 まさかドールの試作つれてきているなんて。

 オオミ君相手にする様なモンじゃないか。 そこまではいかないだろうけどね・・。


 「ゼメキス君 いくよ!」

 「え…あ はいです!」


 「心拍同期…解析開始アクセス!!!」

 

 


十四話最後まで読んでいただいてありがとう御座います。

 今回から少しの間、戦いが続きます。少々グロテスクな表現が混じりだしますので、苦手な方はご注意下さい。


そして、また新しいキャラが増えました。見事な馬鹿キャラですが、宜しくです。

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