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第十二話「特別だから・・・」

十二話目の投稿となります。 さぁ、一つのイベントの纏め上げに入って参りました。 同時に次のイベントへのフラグの成立・種まきやらと、頭が必死です。


種まき大事ですよね。イベントの最後で芽吹かせるタイミングとか色々。


 「おーい!」

完全に着陸が済んだ事を確認した俺は、自慢したげにサザの頭上から顔を出し手を振る。

 「オーミ!無事でよかったぁ…」

意の一番に飛んできたのはメディ。まぁ当然か?うん。

 「何回か死ぬかと思ったけどまぁ、無事だよヒャッホーイ!!!」

竜に乗れたのが相当嬉しいのか、妙にテンションの高い俺。

 後からリセル達も走り寄ってくる。・・・ん?姐御がいないぞ? 奥に見えるディエラの家っぽい所にはいってるのか?

 「もう…皆を心配させたらだめよ…?…ボウヤ?」

アッヒィィィィィィィィィ!? いきなり真後ろに現れ体を完全密着させ…耳を甘噛みすんじゃねぇぇぇっ!!!

 ったくこのサキュバスは、とことんエロい行動しか取らないのか!!

 「ちょっと!オーミから離れてよディエラさん!!」

サザの足元で両手を挙げて跳ねて怒ってるメディ。 いやちょっと離れて欲しくないかもなこの感触・・・」


     <ドスッ>


 いきなり石が飛んできて、俺の伸びきった鼻ってか、顔中央に見事にめり込んだ。

 「いてぇぇぇぇぇぇぇぇぇええええっ!!!!!!!!!!」

両方の鼻の穴から血がドロリと垂れでてくる。息苦しい。鼻で息が出来ない所を見ると、相当出ている様だ。

 一体だれがんなモンぶつけやがった!!!!

 「いてぇな!誰だよ!!!」


…力一杯投げました。と言う動作後のままこっちを睨んでいるリセル。

 「いてぇな!お前かリセル!!!!」

 「は?リ セ ル? 呼び捨てですの? もう一発お見舞いされたいようですわね!!」

 「ぐあっ すみませんリセル様!!!」

 「全く!早く降りてきなさいな!」

 「へいへい!」

そういうと、サザが頭を地面付近まで近づけた。いや、飛び降りろと?てか2~3mぐらいあるんだが。

 というか、いつまでひっついてるディエラさん。

 「ねぇ…沼にはまったでしょう…?」

 「ん?あ、ああ。見事にドボンと。凄まじく臭かったっス」

 「近くに泉があるから、…洗い流してきなさいね?」

 「う…うス!」

 「それともお姉さんが…背中流してあげようかしら…ねぇ?」

 「是非お願いしますお姉たま!」


   <ドゴッ>


即答!そして命中! 今度は前頭部。デコにまともにヒット。しかもさっきよりデカい。オニギリぐらいある。

 そのまま崩れ落ちる様にサザからずり落ちた俺。 流石にディエラさんは危なくて避けたらしい。

 迫る地面。俺はなんとか着地しようと体を捻ったがタイミングがズレたのか、無様にケツから落ちた。

  {ぐっは!?」

いてぇ!!! 痛過ぎる!!つか…ケツからの衝撃が肺を貫通したのか、一時肺機能がストップした。

  「く…けはっ。い…いき…」

首を両手で掴んで苦しむ俺。

 心配そうに歩み寄ってくるメディ…あれ?なんで石もってんだ?


      <ゴン>


いてぇぇぇぇぇええっ!!!メディにまで石でどつかれた!! 

 流石に石頭でもないので頭から生暖かいモノが流れてきた気がしなくも無いが、それよりも呼吸困難に陥ってる方が大変だ。

  「ケ・・・ふ…カッ」

何か某ゲのラスボスの名前みたいな事言ってるが、単に息が出来なくて、吸う・吐くの機能回復させようと必死なだけである。

 そのまま一分程、顔面蒼白・呼吸困難に陥り悶え苦しむ最中、…周りの視線が痛かった気がした。



「げほっがはっ…はぁはぁはぁ」

ようやく肺機能が回復し、顔の血の気が戻り正常な呼吸が可能になった様だ。

 さて、深呼吸して改めて周囲を見る俺。

うわ~…怒り・嫉妬・ツンなどなど色々な視線が集中しております。

  「オーミ…もう知らない」

  「え?」

あれ?メディちゃん、向こういっちゃったよ。

  「ほんっ…と人の気も知らないでお馬鹿ですわね!」

うるせぇ! ってリセルもあっちいった。まぁコイツはさっさと向こういってくれ。


  「大丈夫ですか?落ちた衝撃で呼吸困難になっていた様ですが。」

  「ああ、大丈夫。ちょい苦しかったけど。治ったよ」

  「それは良かった。所で、物凄いにおいしているのですが。一体どうなされました?」

  「ああ、実は底なし沼に…」

  「成る程。オオミさん。気をつけて下さいね。森は自然の罠が至る所に張り巡らされていますよ?」

  「身を持って実感しました」

  「でも、それも会長の言う所の経験ですが」

  「確かに」

二人して、軽く笑った後、リカルドはサザの方を向いた。

  「お初にお目にかかります。私はリカルド・メギスン。リカルドとお呼び下さいませ。

   ディエラさんよりお話は聞いております。素晴らしく聡明な赤竜と。お会い出来て光栄で御座います」

でた、久しぶりに見た気がする。腰の低過ぎるリカルド。

 …サザの反応が何故か楽しみだ。似てる感じがするからか。


  「リカルドと言ったな。礼儀を重んじるのは大変良い事だ。

   だが、必要以上に相手を持ち上げるのは失礼に値する場合もある。気をつけると良い

   ワシは赤竜のサザ。サザと呼ぶと良い」


吹いた。一喝されてしまったぞ。

  「おや、これは手厳しい。しかしご忠告痛み入ります。今後気をつけますので、今回はどうかご容赦を」

深く頭を下げたリカルド。なんつーか執事って感じなんだよなぁ。

  「気にするな。さて、私は戻るとするか。…オオミよ、またいつでも尋ねてくると良い。

    主から授けられた知識の代価。返したとは思えぬでな」

  「む?いやいや、そんな気にしなくていいっスよ!」

  「では、さらばだ」


うおっ。サザが歩く度に体が一瞬宙に浮いた様な、そんな地響きを立てつつ少し離れた所まで歩いて行き、羽ばたいて飛んでいった。

 むう。移動用キャラフラグかと思ったんだけどな。まぁ序盤でそりゃないよな。

  「オオミさん。あのような赤竜が返しきれない程の知識とは、一体何をお教えしたのでしょうか?」

  「あ、やっぱきになる?」

  「それは勿論。竜族が礼を尽くそうとする程の知識。大変興味があります」

  「ん~…簡単に言うと、生物の進化っスな」

  「進化…いまいち理解に苦しみますね」

  「あ、ついサザと話してる気がしてつい。掻い摘むと、サザが悩み続けた生物の進化の理由。

   その進化過程で何故、こうまで沢山の種族に分かれたのか。って所だな。

   恐ろしい事に、木を見て進化のっつーか生物の始祖が単一だと勘付いていたみたいなんだよな。

   まぁ、実際の所。本当にそうなのかは誰にも判らないが」

  「…全ての生物は元を追っていけば、一つの生物である。という事でよろしいのでしょうか?」

  「ああ、ややこしいっスからね。木には大小様々な葉っぱが沢山。でも根っこは一つって事だよ」

  「成る程!で、その枝分かれを何故する必要があったのか。という事で悩んでおられたのですね」

  「そそ」

  「それを解消して差し上げたのでしょうか?」

  「んにゃ?解消は無理無理。実際見た奴なんて存在しないからな。あくまで俺の世界での学説の一部。

   しかも睡眠学習した一部だけなので、それすら不確か。それでもサザには満足行く内容だったみたいだけどな」


考え込むリカルド。・・・あ~やっぱこっちの人間には意味不明なんだろうか。

  「あら…面白そうな話ねぇ…その進化の理由はどんなものなのかしら…?」

うおああっ!!いきなりまた現れるよこのサキュバスは!しかも毎度毎度俺に密着してくる!キモチイイから許すけどな!

  「ディエラさん。普通~に現れるって事しないんスか?」

笑いながら尋ねる俺。

  「普通にしているわよぉ…?」

…エロ的行動が普通なのか。流石サキュバス。つか息を耳に吹きかけつつ喋るな。

  「ぶるるっ・・・かゆくなるっスから耳弄るの勘弁してくださいっス!」

  「大丈夫…だんだん気持ちよ~くなるからほらぁ…」

ぎゃぁぁぁぁぁあああっ!むずむず痒いっ耳はやめろっ耳は!!!!!!!

  「面白いくらいに弄ばれておりますね。残りの一人の反応もこれは楽しみです」

なっ何?まさか、もう片方もサキュバスなのか!? やめてくれ色々な意味で身がもたん!メディに殺される!!!

  「ははは。さ、冗談はさておき、ディエラさんの家へ戻りましょう。

    明日早くにイグルスに戻らないといけませんからね」

ああ、そりゃそうだ。

  「ほいほいほい。ディエラさんちょい俺、体洗ってくるっスから離れてくださいっス!」

  「え~…」

  「いや、え~。じゃなくて。普通に臭いついちまうし。既に遅いきもするっスが」

無理矢理ディエラさんを引き剥がした俺は、泉の方へ飛ぶ様に逃げていった。

  「もう…」

  「はは、然しディエラさん相当オオミさんをお気に入りの様で御座いますね?」

  「だって…可愛いんだもんあの反応とか…とくにねぇ」

  「左様で御座いますね。良く判ります。さて、私もそろそろ家へご厄介になりますね。失礼」

  「はい。ごゆっくり…ところでそこのボウヤ? いつからそこにいたのかしら?」

  「え?…あ、あの赤竜が来た時からいましたです」

  「え…」

  「あ…う。すみませんです」





うしゃー! ようやく臭いのとさらば! 服も臭いしディエラさん対策に着たまま飛び込んだ俺。

 いやだって明らかにこの場面。裸で入ったらディエラさん密着して、メディがたまたま着て、バカー!になるっしょ!

 絶対にそんなフラグ踏まんぞ俺は!!!!踏んでたまりますか!これ以上悪化させたらヤバい!

 と、脳内で叫びつつ、俺は月明かりが反射し幻想的な雰囲気を醸し出す泉を、踏みにじるが如くクロールで泳ぎ回る。

 ん?ふと視線に入ったのはメディだった。ほ~れ見ろ。あのまま裸だったら確実に地雷踏んでたな!

 GB!略してゲームバカ舐めるなよこんちくしょう!

俺は急いでメディの方へ泳いでいった。

  「おいーっス!」

  「・・・」


・・・シカトされた。既に地雷踏んでたらしい。

  「メディちゃ~ん?」

  「・・・」

駄目だ。完全に嫉妬マスクじゃなくて嫉妬レディになっちまってないか!?

 なんとかご機嫌を取らないといけないな。ってか、

 周囲の面子が濃過ぎて薄いぞメディは!ヒロインがそれでいいのか!?

  「…」

  

こっちをジーっと見てる。無言の圧力…嫌過ぎるプレッシャーだ。

 ん?何か泉の傍で座り出した。…そこまで怒っては無いのか?そう取っていいよな、これは。

 座りつつコッチをジッと見てる。これは隣に来いというアイコンタクトと取っていいのか?いいんだよな!?

取り合えず、泳いで岸まで行き、泉から上がって、上着だけ脱いで搾った。流石に濡れたままだと重い。

 そして、搾った上着を再び着て、メディの隣に座り込んだ。

  「…」


ん…何かいってくれ。何も言わずにジッと見られるのは耐えられない。

 …? そういえば、道中に無言の女の子と会ったな。無言というか人形みたいな子だったが。

 ちゃんと目的地ついたのだろうか?…いや、今は他所の事を心配している時では無いだろう。

  「…」

だから、何か喋って?こっちから切り出そうにも、何を言えばいいのか判らない。

  困った。非常に困った。 …急がずに目を凝らして思考を張り巡らせる。サザの言葉が何故か脳内を過ぎった。


取り合えず、その視線から逃げる様に、俺は、月明かりが木々の隙間からカーテンの様に漏れ、

 そして、その光を反射して美しく光る神秘的な泉に視線をやる。

考えろ…メディは周りの連中と違って、どう見ても普通の女の子だ。…よしこれでいこう。

 俺はそのまま視線を泉に固定したまま喋った。

  「すげぇ綺麗な泉だよな。俺の住んでた所じゃ在り得ないぞこれは。  

    メディの所はこんなのが普通にあるのか?」


よーし、普通で自然な会話の流れを作るぞ取り合えず!

  「…うん。オーミの所はこういう所ないの?」

よし口を開いた!このまま継続するぞ。

  「海を渡って探せば…あると思うんだけどな。身近には確実に無いよ」

  「そうなんだ」

  「つーか、俺の記憶の一部見てないのか?」

  「見ようと意識しなければ、何も変わらないよ?」

成る程。確かに思い出そうとしなけりゃ思い出さないしな。プライバシー考えてるのか。

 あれ?俺おもっきり詮索しまくったんですが。

  「オーミの口から聞いた方が、良いと思うから」

良い子だ!ほんとに良い子に育てたな爺さん!! 詮索しまくった俺罪悪感すげぇ。

 ん?何を詮索したかって?きまってるだろう!

 男ならスリーサイズとか女の子の部屋とかプライベートとか色々…。

 うわー何か自分で自分がすげぇマダオに思えてきたぞ。

  「ああ、聞きたい事とかあるなら遠慮なくどうぞ」

  「うん…」

よし、これで会話のキャッチボール成立した筈。

  「じゃあ、リセルの事どう思ってるの?」

何か、思わぬ方向に向いたなおい。なんだ俺がリセルを好きだとでも?

 

  「天地神明に誓って断言する!鬱陶しいだけだ。」

  「何?それって…ちょっとそれは酷いよ」

ようやく笑った! ああ四文字熟語だけ日本語になっちまったのか。

  「ああ、簡単に言うと、神に誓って嘘はつかないって事だよ。

    あんなツンツンした子には丁度いいんだよ」

だったはず!多分!! そしてこの勢いのままリセル関連は流す!!

  「そ…そうなの? 神は…あ、そうか。オーミの世界だと、神は」

  「そうでも無いな。住んでいる地域の言い伝え次第では、嫉妬の塊だったりと人間臭い部分もある。

   完全な善ってワケでも無いぞ。中には嫉妬に狂って肉親だったか?恋人だったか?射殺させたのもいるしな」

  「そうなんだ…こっちの神はそういうのが多いの」

  「あ~…まぁ封印される程の事したみたいだしな。詳しくしらないが」

  「あ、そうか。えとね…」

  「あ、いや良いよ。サザってまぁ、さっきの赤竜が言ってたんだが」

  「・・・?」

言葉を途中で止められて、何か不思議そうにコッチを見ているメディ。

 どうやら次のイベントフラグがサザにあったようで、まぁ…その時に解明されるだろうから楽しみに取っておきたい俺。

  「人間は、寿命が短いから、文書で残したり口伝したり、言い伝えだな。

   それが伝えられるたびに内容が少しずつ変わっちまってて、それが確かでは無い。と教わったんだ」

  「あ、そうなんだ。でもいいの?」

  「ああ、構わない。っつか、これが終わったら…ちと遠出しないとだからな」

  「え…どこかいっちゃうの?」


うわっ、すげぇ寂しそうな目で見てるよ!? どうする?キザっぽく言うのか?

  ・・・いやそんなリカルドじゃないと似合わないだろ。

  「あ~…俺一人だと確実に無理だろうから、メディにも着て貰わないとな。情けない話だけど」

  「うん。ついていくよ。 でも、どこへ何をしにいくの?」

良い子だねぇ。じゃあ、サザの話をあらかた話すか。

  「それを言う前に、メディの知ってる言い伝えの誤訳っつーか誤認か?そこからだな」

  「あ、うん。」

  「先ず、魔神阿修羅。これは神族じゃなく、ただの人間。俺と同じく異世界から着た人だった」

  「え?…神じゃなかったの?」

  「ああ。内に居た奴が阿修羅。俺の世界だと一の頭に顔三つで六本腕、三面六臂って言うんだが」

  「サンメンロッピ・・・?うん」

  「ただ、言い伝えが住んでいる地域でまるで違う。修羅、まぁ闘争心溢れた神だったり。善神だったり。

   中にはどこだったか忘れたが、最高位の神だという所もある」

  「一番偉い神様だったんだね」

  「いやいや。言い伝えであってそれは判らない。というよりも存在してるとは思ってなかったよ。

   ぶっちゃけ、神頼みはしたけど、実際いるとは微塵も思ってなかったしな」

  「そうなんだ」

また笑った。まぁ、確かに信じてないのに頼るってのもおかしな話だ。

  「少しズレたけどまぁ、その阿修羅を内に宿していた人間アスラ。

   このアスラってのも、阿修羅の別の読み方だったりするんだが。メディの方だとアスラで通ってるんだよな」

  「うん。そうだよ」

  「そのアスラ。この名前自体も、ディエラさんが言うには、伝え続けられて名前が変わってると。

   そういや、聞きそびれたな!名前を」

  「肝心な部分抜けてたら駄目だよオーミ」

  「サーセン! まぁ、そのアスラがここに来る前から、神々が他の種族に迷惑かけまくっていて。

   それに耐えかねた人間と魔族が手を組んで戦った。けど戦力差が凄かったのか負け続けた」

  「そこに、アスラが着たんだね?」

  「そ。そんで魔族の女性と恋にでも落ちたんだろうな。子供を授かった。そして生まれたのが魔と人の混血児。

   魔人。その子はメディ達みたいな力を持ってて、父親とリンカーフェイズして、

    母親とか他の人間・魔族どころか精霊・竜族すらも纏めてあげて、長い年月と甚大な犠牲の上に神々を・・・」

俺は夜空に浮かぶ三つの月。どれがそうなのか判らないが、それに視線を移した。

  「あの空に浮かんでる星の二つに封印した。と聞いた」

その言葉にメディも夜空に視線を移した。

  「あ、うん少し違う部分出てきたけど、途中からは同じみたいだね。

    でも私達の言い伝えだと、あの二つの星。神の善と悪。力が強すぎたから二つに分けて封印した。

    そう伝えられてるいるの」

お?そうなのか?・・・おっと。鵜呑みは良くない良くないと。

  「成る程、そういう風に伝えられてるワケなんだな」

  「うん。」

  「まぁ、それだ。その真偽を確かめる為に、

   サザが一目置いている雷竜ヴァランに会いにエルフィ族を訪ねに行くんだ」

  「そうなんだ…でも雷竜って物凄く気性の荒い暴竜らしいよ?」

  「ああ、こっちでもそうか。でも会ってみないと判らないな。

    だが、サザが竜は知恵か力どちらか一つを求める傾向にあるっていってたからな。

    その雷竜も知恵を求めた竜らしく、性格悪いとは限らないしな」

  「そうなんだ。何か…楽しみだね!」


おほ!ようやく満面の笑みとんできた!ようやく嫉妬フラグ解消きたよ!

  ん?ておおおおおお!?何か寄り添ってきただと!?

 何ですか?このまま肩抱いてしまっていいのか? いやそれどころかその可愛い唇奪っていいのか!? いただきます!

  思考と体が同時に動いてしまっている俺。…あれ? 妙に痙攣に近い震えた右腕が、メディの小さい肩のちょい上で停止している。

 …う・動かねぇ!!緊張して動かネェよおい! 肝心な時に経験値不足!緊張して体がうごかねぇ!

  「私ね・・・」

お?・・・くそ!!!絶妙のタイミング逃した畜生!

  「本当は、オオミって言えるんだけど」

  「確かに言えたな。つか何で伸ばすんだ?」


更に寄りかかってきた! だー!体が動かない! 何俺。こんなナイーブだったか?奥手だったか!?

  「特別だから・・・」


特別。どう捉えていいんだ? 好きだからか? ただ単にリンカーフェイズ可能だからか?

 どっちだよ!つか体が動かない。畜生。興奮と緊張が俺の持て余す性欲・本能を遮ってきやがる!



そんな脳内で葛藤しまくりの俺と、無防備に寄りかかってくるメディを、

 月明かりが幻想的な雰囲気を醸し出しつつ照らし出す。



・・・折角のファーストキスを見事に取り逃した哀れな雄一匹を含め。

十二話最後まで読んでいただいてありがとうございます。

 おかしいな! シリアスメインの筈なのに、主人公の駄目っぷりが粉砕してしまっています。・・・作者がシリアスに不向きなのでしょうかねこれは。

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