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第一話「願い事」

初めまして。汐崎です。これが初投稿となり、ライトノベル自体も初作成となります。今作は習作としていますので、文章構成等を色々と試しておりますので、そのあたりはご容赦を。

R15程度のお色気(ジャンプレベル「とらぶる」や「初期のバスタード」)と、ベルセルクくらいの残酷描写。どちらかがお嫌いな方は見ない方が宜しいかと思われます。

取り合えず、煩悩全開で、短く出していきたいと思います。


では、宜しくお願い致します。

ある雲一つ無い晴れた日の午後。俺はまぁ、…その何だ。いつものように見慣れた街中を歩いている。

 典型的な日本人。より少し体格もよく見た目は悪くない筈…なんだがいまだかつて一度たりともナンパに成功した試しが無い。

顔か? ふと、通りがかった女性用の服が展示してある店のガラスを見る。

いや、そんな悪く無いだろう?うん。悩む俺の耳に小声でこんな言葉が入ってくる。


「やだ、何あの人~女物の服見て」


ん?何かあらぬ誤解を受けてしまっている気が…。慌てて弁解しようと声のした方を焦って向く。

そうするとどうだろう。血相を変えて女が逃げていく。だから何故逃げられるのか。

毎度毎度ながら、声をかけようとすると逃られる。別に取って食おうってわけでも無いというのに。

眉間にシワを寄せ考える俺に、小さい子供らしい声が今度は耳に入った。


「ねぇ、お母さん。ヤクザがいるよ~」

「しっ。見たらいけません!」


…おい。こんな人の良い青年捕まえてそれは無いっしょ。どうやら他人から見たら、こわもてらしい。

 どうにもこうにも…この顔が原因らしい。中身は至って普通だというのに。


それはもう仕方ないとして、皆さんは神頼み、願い事は叶うと信じているのだろうか?

俺は信じている。神も存在すると思ってたりしている。

こう見えて週に一度はキリストの教会なんぞにいってたりする。

最初はシスターに怖がられもしたけれど、中身を解って貰ってからはどうという事も無く。

 しかし願うだけではやっぱりダメなんだろう。実行に移しているけれど、駄目だ。キリストでは駄目なのか。


俺はその日の午後、そう今まさに新たなる神頼みをするべく街中を歩いている。

 正確には街中から外れた所にある古びた神社に向かっている。

街から外れ緑も多くなり、様々な小鳥も見て取れる。自然は好きだ、心が落ち着く。

…さて、問題の神社についたものの、酷いなあちこちが痛み亀裂の入った鳥居をくぐり、神社の中へ。


地面に敷かれた石のブロックもこれまたヒビ割れが酷く、隙間から雑草が顔を出している。

 明らかに神主いないのか?と思う荒れ方。酷い物だ。神頼みの効果があるのか疑問に思う。

が、然しだ。


メジャーな神様よりもマイナーな所の方が暇で聞く耳もってくれるかも知れない。という淡い期待に身を寄せる俺がいる。

 最早見る影も無さそうな賽銭箱。これは…最早賽銭箱として機能しているのか?

箱の上部にある棒。名前は知らないがそれがほとんど無く中身があればつかみ取り出来るではないか。

 ポケットからサイフを取り出し五円だけにご縁がありますように…とサイフから五円を取り出した。


五円を賽銭箱に投げ入れ、今にも落ちてきそうな鈴から垂れた縄を軽く振る。

 流石に声を出すと聞かれたら激しく恥ずかしいので、こう強く願った。


彼女が出来ますように! と、いや切実に。目が合っただけで逃げられる俺。そんな俺から逃げずにいる強い女の子を激しく願った。


1分程の沈黙。…まぁ、そんな漫画じゃあるまいし、空から望みどおりの女の子降ってくるわけも無く。

 さて、帰ろうか、と反対を向こうとした時、ふと違和感を感じた。何ていえば良いのか、地面に立っている感覚がしない。

思わず自分の足元を見ると、何でこんな所にギガアの大穴開いてるんですかい。

丁度俺を中心に黒い穴がポッカリと開いている。掴む場所も無く、落ちていく俺。


ここの神様よ、何か変な聞き入れ方してないか。てか何で穴に落ちなきゃならんのだぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?



魔神阿修羅アスラどうか、私の願いを聞き入れて。」

何百回この古びた社に願い続けたのだろう。2年…3年。いえ、もっと…かナ。

 願うだけでは駄目。実行して探さないといけない。それは判っているのよ。けれど、私の力に耐え得る強い肉体と精神を持った男が居ない。

どうしようも無い現実・事実。私にはもう魔神にすがるしか方法が無い。

世がそれを必要としていないから、私には相方が見つからないのかもしれない。

でも、どうしても欲しいの。だって。…!?

突然、魔神阿修羅の社が天井から激しい音と共に半壊した。

まさか!私は何かが落ちてきた所へと駆け寄った。そこに居るのは、見慣れない服を着た男だった。

 あれほどの衝撃にも関わらず気絶もせず、黒い髪を右手で無造作に掴みながら起き上がってきた。

私は、慌てて起き上がってきた彼の安否を尋ねる。


「は?何語?」


あれ?言語が違うのかな。言葉が全く通じて無いのかな。私は、身振り手振りで怪我は無いのかと必死で伝えてみた。


「ん?ああ、あ~…体の心配でもしてんのか?この子。」

俺は、英語でも無い聞きなれない言葉も相まってか、

腰まで届く綺麗なストレートの金髪を振り乱し必死なジェスチャーをする女の子に思わず笑ってしまった。

 そして間髪いれず、俺の腹部にその子の肘がめり込んでいた。いてぇ!


ん?いやまて、逃げるどころか攻撃してきたぞ?言葉こそわからんし、ここがどこかも判らない。

 然しそんな事はどうでも良くなる程に感動した。神頼みが効いた事に感動した。しかも在り得ない展開というか。

普通、女の子が落ちてこないか?なんで俺が落ちるんだ?まぁそれはいい。とりあえず…。


怒り狂ってさっきから俺に打撃を打ち込みまくってるこの子だ! どうするよ?とりあえ・・ん?

 何か容姿が、服が違うのは判るが、耳がちょっとあれ?とがってる。エルフっぽい耳。何このファンタジー。

と、取り合えず怒りをおさめて貰おうと俺も必死で、ジェスチャーで弁解しようとした。

迫り来る肘と拳を食らい後ずさりしつつも、必死で両の掌を合わせ前に出し彼女に拝んでみた。

謝罪のポーズは万国共通だろ? と判って貰えたのか、ようやく打撃の嵐がおさまった。


さて、相変わらず意味不明な言葉で喋るこの子。名前すら判らない。こちらの名前も伝えようが無い。

 というか何故か言葉が通じる不思議設定は無いのか? …無いのかよ!!


はぁ、どうするか。取り合えず名も知らないその女の子を見ると、また必死でジェスチャーしている。

 両手を広げて丁度六本腕あるように見せている。…阿修羅か?ふと後ろの半壊した神社ほ見るところそうだと理解した。

俺は阿修羅を理解したと、手振りで伝えた。嬉しそうに今度は神社を指差し、両手を合わせている。


成る程。阿修羅を祀っている神社で、この子は阿修羅に何か頼みごとをしていたと。

 また理解したと手振りで伝える。次は、ん?良く判らん。自分の控えめな胸に手を当ててから、俺を指差して、小指と小指を繋げている。

小指を繋げるって指きりげんまんしか思いつかないな。


…あ、まさか縁か?胸、心。願いそして縁。そうか。この子も彼氏か何か欲して神頼みか?

 そういや俺の居たあの神社の神様はなんだったんだろうな。同じ神様だったのか?

で、たまたま同じタイミングだったので、俺がこっちに飛ばされた?んな馬鹿な。

悩む俺は、反応をいまかいまかと待ち続ける彼女に気付き、納得した素振りを見せた。

 そうすると、今度は自分の胸元に手を当ててこう言ってきた。


「メディ。 メディ…アルト」


名前か?名前なんだろうな。これは。メディ…か。明らかに日本では無さそうだが。

 辺りを見回すと見たことの無い大振りの葉をつけたなんとも巨大な木が無造作にいくつも生えている。

ご神木になっててもおかしくないぐらいの巨木だ。

辺りを一度見回すと、今度は俺が自分の胸に手を当てて、名前を言った。

そうすると理解してくれたのか、こういってきた。


「オーミ」


いや微妙に発音違うぞ。伸ばすなオオミだっての。…まぁいいか。ってお?!

 名前を互いに確認すると、今度は俺の手首を小さめの手が掴み俺はメディと名乗った少女に引っ張られていった。


ここも、あそこと似たような神社。手入れの跡が全く無く、荒れ放題。そんな神社を後にした。


この先、どうなるんだ。言葉も判らない。学ぶしか無いのか、ジェスチャーから言葉を学ぶしか無いのか。

 願い事叶ったりは良いんだが、どうも全てが上手くいったわけでも無い様だ。


さて、…これからどうなんだ俺。というかここはドコだよ。何がどうなってるのか、兎に角まずはそれを知らないといけないな。

 今後の身の振り方が全く判らんし。

最後までお読み頂き、有難う御座います。とりあえず出会う所までですが。

 ぼちぼち作っては投稿していこうと思います。



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