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4.ガロンとの約束

4.ガロンとの約束


1日はあっという間に過ぎていく。忙しいけれど、充実した毎日だ。

そして明日はお店がお休みの日!


掃除をしてから帰り支度をして母さんが店を閉めた。


「ようリリー!」

声に反応して振り向くとガロンが手を振りながら近寄ってきた。


ガロンはその昔、この辺のガキ大将的存在だった。

私が泣かされると、すぐに仕返しに行ってくれたり、みんなが困っていると必ず助けてくれるヒーローみたいなやつだ。


今は大工のお父さんに弟子入りしている。


「お疲れ様~。今帰り?」


「親父にお使い頼まれて用事を済ませてきたところだよ。帰ってからもいろいろこき使われる。」

お互いまだまだ一人前になるには時間がかかりそうだ。


「リリーは明日休みだったよな?いつもの場所に来れるか?」


いつもの場所とは子供たちでよく集まっていた隠れ家だ。

今ではあまり使っていない。


「いいわよ。ずっと行ってなかったから行きたい!ガロンは明日休みなの?」


ニヤリと笑って親指を立てた。

弟子入りしてからは休みがないとぼやいていたはずなのに、休みがもらえたらしい。


「なら、お弁当作って持っていくわね。」


「よしっ!俺カツサンドな!!あと卵!」


「オッケー。」

私は親指と人差し指で〇を作って見せた。


「楽しみにしてるからな、じゃっ!」

と手を挙げて走って行った。


この一連の様子を見ていたリリーの母セレナとレティはニコニコして待っていてくれた。

「ガロンったら、ようやく告白するのかしらね。」

「あの子は中々に奥手な子ですからね。」

「リリーったら意外と鈍感だから、たぶんガロンの気持ちには気づいていないわ。」

「きっとそうでしょう。ガロンは正義感もあって、努力が出来て、まっすぐないい子ですからね。うまくいくといいですね。」

「あぁ、若いって素敵だわ。」



昨日の帰り道ガロンと約束をしたにも関わらず私は寝坊してしまった。


夜ついつい考え事をしていたら眠れなくなってしまったのだ。

ガロンに会って、そういえば流行病でガロンも命を落としたこと、告白されたことを思い出してしまったのだ。


そのことを思い出したら、やはり今過去に戻ってしまっているのか?

それならば何故記憶を持ったまま戻ったのだろう?

と答えの出ない謎に挑んでしまったのだ。


慌てて約束のサンドイッチ作りに取り掛かる。

カツサンド

レタスとトマトとチーズのサンド

卵サンド

ジャムサンドを作っていく。

なんせ、寝坊してしまったので簡単に出来るものばかりだ。


母さんは朝早くから友人に会うために出かけると言っていた。

せめて出かけるときに声を掛けて欲しかったと思いつつ、そういえば声を掛けられたような気がしてくる。


寝坊してしまったのはもう仕方がない。

とにかく急いで行こう。


走って私たちの隠れ家に向かった。



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