22.魔力封じの腕輪
22.
「君がしているのその腕輪は外れるのかな?」
デポネは話しかけた。
すでに体の一部のように外したことがなかった腕輪に手を当てた。
「これは物心がついたころにはすでにはまっていたんです。
母が絶対に外してはいけないと言っていたので自分では外したことがありませんでした。」
その腕輪はぴったりとくっついてい力を入れても外れそうな気がしない。
そういえば不思議なことに成長しても自分のサイズにぴったりで、まるで一緒に成長しているみたいなのよね。
「もしそれを外すことでギイを助けることが出来るかもしれないとわかったら外すかい?」
視線を腕輪からデポネに移した。
「どういうことですか?」
「それは魔力封じの腕輪だよ。何か理由があって君の魔力を封じたんだ。
魔力を封じることで君の身を守ろうとしたのかもしれない。するとその魔力がとても珍しい光魔法もしくは聖魔法なのではないかと思ったんだよ。」
魔力を持つ人は少ない。
しかも平民に魔力を持つ人間が生まれることは稀なのだ。
セイラが男爵家の養子になったように珍しく、もしかすると私が貴族に連れて行かれるのを心配したのかもしれない。
「あくまで私の推測の域を出ない。
外してしまえばその魔力封じの腕輪はもう使えなくなる。だが、可能性があるのならそれを外してみてはくれないだろうか?」
考えるまでもなかった。
私は力を込めて腕輪を外そうとした。
しかしピクリとも動かない。
「それは魔力を流してあげることで外れるんだ。貸してごらん。」
デポネは腕輪に触れた。
すると跡形もなく腕輪が消えてしまったのだ。
腕輪が外れるとせき止められていたダムが決壊したかのように体の中に嵐が吹き荒れるようだ。
あつい、何これ?苦しい…
立っていられない。
思わず意識を手放した。
『私を受け入れてくれてありがとう
私はいつもリリーと共にいるわ
私の力を、あなたの力を信じて』
頭の中に声が響いたような、言葉が下りてきたような、まるで最初からそこにあったような
目を開けるとデポネがのぞき込んでいた。
「今まで封じていた魔力がいきなり体中に流れたから体がびっくりしたんだね。
目が覚めて良かったよ。」
その表情は心配してくれていたことを伺わせた。
「師匠は…」
ゆっくりと体を起こすとまだ先ほどと意識がないようだった。
「これに触れてもらってもいいかな?」
それは小さな水晶のようなものだった。
「君の魔力の性質がこれに触れるとわかるんだ。」
触れてみるとオーロラのような光が部屋中に広がった。
あまりの眩しさに目を開けてはいられなかった。
手を離すと光はすっと消えた。
「君のお母さんがどうして魔力封じの腕輪を付けたのかよくわかったよ。
私はとんでもないことをしてしまったのかもしれないな。」
デポネは呟いた。




