17.待っていた友人
女将さんに頼んで発熱や下痢の症状がある人に薬を届けることを町の人たちに伝えてもらった。
宿の前に机を出して薬を並べさせてもらうと、想像していたよりも多くの人が薬を貰いに来てくれた。
本人が来れなくても、家族や近所の人たちが来てくれる。
ここはみんなが助け合いながら暮らしを営んでいてとても素敵な街だ。
夕方には人もいなくなった。
ナーサさんの家に様子を見に行くとだいぶ良くなったようで、ナーサさんは夕飯を準備しているところだった。
ジャスも食事をとれるようになっていた。
こんなにも回復が早いなんて流石師匠だわ。
宿に帰って私たちも食事をとり、早めに休むことにした。
次の日も薬を配布した。
昨日と同じような顔ぶれだ。みんなが口々に症状が良くなってきたと喜んでくれて、私の鼻が高くなった。
そんな日が何日が続き、次第に薬を貰いに来る人が少なくなった。
症状が回復した人達がお礼に来てくれて、とても嬉しくなった。
そんな感じで5日がたった。
そろそろ薬を貰いに来る人がいなくなった頃師匠を訪ねて男性がやってきた。
「薬師のギイはいるかい?私はデポネというんだ。」
あっ、デポネさんって師匠が会いに来た人だ!
隣町に行っているって言ってたっけ。
「すみませんが師匠は今森に行っています。ここ何日かで感染症が広がってしまい大量に薬を出したので不足している薬草を取りに行きました。
夕方には戻りますので、戻ったらご自宅に伺うよう伝えますね。」
デポネは人の好さそうな顔で笑って、
「すまないね、ならお願いするよ。隣町までのつもりがその隣の町まで行ってしまってね。部屋の中を片付けておくとしよう。」
手をさっと挙げてきた道を戻って行った。
師匠は夕方にならないうちに帰ってきた。
薬草だけでは薬にならない。早く帰って調合しようと思ったらしい。
「おかえりなさい!今日お昼頃にデポネさんが尋ねてきましたよ。
夕方になるかと思ったので帰ってもらいました。」
「ありがとう、それじゃあ私も行ってこようかな。
リリー悪いけどこの調合をお願いしてもいいかな?」
私はレシピを受け取ると作ったことのある解熱剤だったので、「はい」と返事を返した。
けれど実際に作ろうとして後悔した。
この薬草で何人分の解熱剤が作れるの!?って驚愕するほどの大量の薬草がポンと置かれていたのだ。
私は泣く泣くすり潰し始めた。




