15.謎の病4
「その人なら知ってます!うちの夫を助けてくださったんです!
まだ熱はありますが、楽になったようで本当に助かりました。」
八百屋で買い物をしている人が師匠を知っていた!
「まだおうちにいますか?」
「いえ、今朝出ていかれました。どこに行ったかはわからないですが。
…もしかすると」
そこで言葉を切った。
「もしかしてと思うことがあるのなら教えてください!」
「夫が熱を出したのは3日前のことなんです。
熱を出す前にどこに行っていたかと聞かれて。すぐそこの森の中を奥まで行くと泉があるんです。
夫は木を伐りにその辺りに行ったと言っていたのでそう伝えました。」
あぁぁ、そこに行ったかもしれないわ。
場所を聞くと息子さんに案内をするよう頼んでみると言われた。ラッキー♪
トーマさんが案内してくれることになった。
私よりも少しお兄さんかな?人の好さそうな顔をしている。
話をしながら森の奥まで入っていくが人の気配は感じられない。
話を聞いてたぶんここにいるに違いないって思ったけれどやっぱり違ったのかな?
それとも一度来てすでに帰ってしまったとか?
いや、師匠は方向音痴だからもしかして道に迷ってる…?
泉に着いたけれど誰もいない。
手分けして近くを探すことになった。
森の中はなんとなく薄暗くて怖い。
やっぱり一緒に探してもらえば良かったぁぁぁぁ。
すると何かうめき声のような声が聞こえた。
これは…獣の声のような…
ウォォォンと言う鳴き声がしたかと思うと、姿を現したのはオオカミだ。
普通は町が近いこんな場所までオオカミが来るようなことはないはずなのに!?
涎を垂らしながらこちらを見ている。
ヤバい。。。足が動かない。。。どうすればいいの?私まだ死にたくなぁぁあぁいいいい!!!
「ギャー!!!!!!!!!」
オオカミがこちらに走ってくる。
死にたくないけど、何もできない。誰か助けてぇぇぇぇ
キンッ
ドンッ
音が聞こえた。まだ衝撃はない。私は恐る恐る目を開けた。
そこには師匠がいた。
「ケガはありませんか?」
ケガはない。
しかしへなへなと座り込むと
「腰が抜けました。」
「それは大変です。ですがもう少しだけお待ちください。」
そう言うと倒れているオオカミの近くに行って何やら薬を飲ませている。
それが終わると戻ってきて私を背負ってくれた。
立ち上がろうしたとき、う゛っという声が聞こえたけれど聞こえないふりをした。
うん、師匠と筋肉はかけ離れた存在だ。
背負ってくれただけでも御の字だ。
泉の側に行くとトーマさんが待っていてくれて、背負われた私を見て驚いていた。




